広島県福山市は8日、2010年度の市営競馬事業について、基金の繰り入れを除いた実質単年度収支が2900万円の赤字の見込みであることを明らかにした。事業存続に向けて経費節減を進めた結果、09年度(約1億円の赤字)に比べて赤字幅は縮小した。
1日当たりの売上高は8900万円で、09年度に比べて約3%減少した。2度にわたり賞金や関係者の手当を引き下げるなど経費を削減し、赤字幅縮小に努めた。
中国地方で唯一の公営競馬事業である福山市営競馬事業は約20億円の累積赤字を抱えるなど経営が悪化し、存廃が焦点になっていた。羽田皓市長は今年1月、実質単年度収支の黒字確保を条件に11年度の事業継続の方針を表明した。
景気低迷やレジャーの多様化傾向により、市は11年度も厳しい事業運営が続くと想定。実質単年度収支の黒字確保に向けて、魅力あるレースの企画などの振興策に取り組むとしている。(日本経済新聞)