2009年12月15日火曜日
札幌開催休止へ 地方競馬運営委がホッカイドウ競馬存続に向け「苦渋の決断」
道は競馬場使用料や馬の移送費などの削減効果を約1億円と試算。
毎年4月から5月にかけて札幌競馬場で実施される「ホッカイドウ競馬(道営競馬)」の札幌開催が、来年度から休止される見通しとなった。
巨額の累積赤字を抱える道営競馬は、来年度の単年度収支を赤字ゼロに改善しなければ、廃止を余儀なくされる。
道営競馬の存廃議論は累積赤字が100億円を超えた1999年度に浮上。道は組織改編やミニ場外馬券場の設置などを進めてきたが、00~06年度も10~20億円台の単年度赤字が続き、08年度の累積赤字は約239億円に達している。
道は今年度から主戦だった旭川開催を終了、門別開催(全ナイトレース76日間)にシフトするなど、さまざまな経費削減策を講じた。今年度の発売総額は前年比1.35%増の115億円4500万円。目標額の97.88%と健闘したが、赤字は3億円になる見込みだ。道はさらなるコスト削減のため、来年度の開催計画に札幌開催からの撤退を盛り込むことを検討している。
道は15日、知事の付属機関で専門家らが道営競馬のあり方を考える「北海道地方競馬運営委員会」(委員長・佐藤郁夫札幌大学教授)を開き、来年度の札幌開催についての意見を聴取した。
運営委員会で道は、発売総額の6割を道外発売やネット発売が占め、道内発売や競馬場での発売が年々減少している説明。札幌開催を中止した場合、札幌競馬場の使用料や馬の移送費など約1億円が削減できるとした。
委員からは、「初めから中止ありきの報告ではないか」「来年度のみの中止にすべき」などの意見が出たが、最終的に「現状の深刻さを考えた場合、苦渋の決断として来年度の札幌開催の休止はやむを得ない」(佐藤委員長)と結論付けた。
この結論により、来年度は全日程が門別競馬場のナイトレースで開催される見通しとなった。(北海道365)
写真・15日に開かれた第3回北海道地方競馬運営委員会の模様