佐賀競馬を運営する県競馬組合(管理者・坂井浩毅副知事)は収支改善に向け、2010年度から3年間の新たな基本方針をまとめた。売り上げが伸び悩む中、インターネット発売の拡充など増収策と人件費抑制など経費削減の取り組みを進め、単年度の収支均衡を目指す。
09年度の売り上げは前年度比7・1%減の約109億5千万円で、収支は5千万円前後の赤字となる見通し。08年度の決算では6年ぶりに約3500万円の単年度黒字を計上したが、再び赤字に転落する。
佐賀競馬は景気低迷やレジャーの多様化などの影響を受け、販売収入が減少。05年度に5年計画の「収支改善に向けての基本方針」を策定し、黒字化を目指してきた。一定の取り組み効果は表れているが、約1900万円の累積赤字(08年度)を抱えており、安定した経営基盤を確立するため新たな基本方針をまとめた。
増収策では重賞競走の全国発売や新設される企画競走への参加、スターホース・スタージョッキーの育成など競馬の魅力アップに取り組むほか、ファン参加型のイベント開催やインターネット発売の拡充を図る。
経費削減策では管理職5%、一般職4%の給与カットを継続し、管理職手当は現行10%カットから20%に率を上げる。このほか、賞金・諸手当の見直し、退職不補充による職員数の削減、業務の外部委託などを進める。
同組合は「まずは単年度の収支均衡を達成し、安定経営につなげたい。そのために経費削減とあわせ、ファンが競馬場に足を運んでくれるような取り組みを強化したい」と話す。(佐賀新聞)