浜松市中区の商業ビル「かじ町プラザ」への誘致計画が浮上したJRA(日本中央競馬会)の場外馬券売り場について、地元の鍛冶町自治会(千田純一会長)は22日、役員による評議員会を同区内で開き、自治会として了承することを決めた。近く、住民説明会を開き、評議員会の決定を説明する。ビルの最大地権者で開発業者のアサヒコーポレーション(同区)は「地元の理解を得るのが大前提。これで計画は一歩前進する」と話している。
評議員会は非公開だった。千田会長と複数の出席者によると、22人の評議員から意見を聞いた上で多数決を行った。19人が容認、3人が賛否を明らかにしなかった。参加者の中には風紀上の不安を指摘する声があったものの、「中心街の衰退に歯止めをかけたい。とにかく人を呼び込む施設を受け入れるべき」などと地元商店街の集客力が落ち込む中、厳しい現状の打開を願い、容認との意見が多かったという。
今月17日、自治会評議員と地元の商店街関係者ら5人が横浜市のJRAの場外馬券売り場を視察した。参加した千田会長は悪影響を懸念する声も聞くとした上で、「大勢の男たちが地べたに座り、酒を飲みながら競馬に興じるという昔のイメージはなかった」と話す。
ただ、地権者の一部には「近隣住民の住環境を悪化させる恐れがある。商業施設の誘致を目指すべき」との強い反対意見もある。
自治会によると、JRAの計画は地上6階・地下1階の4階部分に819席などを備える「エクセルフロア」を開設する。有料定員制で、座りながらレースの様子をモニターで見る。
かじ町プラザは2007年、大手スーパーのイトーヨーカドーが撤退。09年5月、総合食品ストア「パレマルシェ」が出店したが、同年12月に閉店した。(静岡新聞)