2010年4月8日木曜日

6年ぶり、笠松競馬に新人騎手誕生


 笠松競馬(羽島郡笠松町)に、6年ぶりとなる新人騎手が誕生した。今月下旬のオグリキャップ記念シリーズ(26日~30日)でデビューする森島貴之さん(21)。同競馬場が存廃問題に揺れ、近年は新人騎手を受け入れる厩舎(きゅうしゃ)もなかったが、スターホース「ラブミーチャン」の活躍に続き、未来を担うルーキーの誕生に、同競馬場関係者も活気づいている。

 森島さんは三重県津市出身。先月中旬、騎手免許試験に合格し、今月から同競馬の調教師伊藤強一さん(51)の厩舎の所属となった。

 騎手を目指したのは、中学卒業後に就職した鉄工所の先輩から「体格が向いている」と勧められたのがきっかけ。何も知らないまま飛び込んだ。騎手を養成する地方競馬教養センターでは同期の多くが競馬関係者で、「入学後に初めて生で競馬を見た」という森島さんは異色の存在だったという。しかし、厳しい寮生活や体重管理で半数が辞めていく中、「はじめは意地で、次第に馬が大好きになっていった」といい、2年間訓練を続けた。

 ラブミーチャンに続く明るい話題に、競馬場の関係者から「うれしいニュース」「早く勝って、笠松の名を上げてほしい」という声が上がり、師匠の伊藤さんは「プロの自覚を持って頑張り、笠松を盛り上げてくれれば」とエールを送る。

 森島さんは「オグリキャップや安藤勝己騎手など、名馬と名騎手を輩出してきた笠松競馬。笠松のファンに、早く顔と名前を覚えてもらえるよう頑張る」と初レースに向け、気を引き締める。

 29日には、同競馬場で森島さんの紹介セレモニーが行われる。(岐阜新聞)
【写真】笠松競馬では6年ぶりとなる新人騎手の森島貴之さん。「最後まであきらめないレースをしたい」と意気込む=羽島郡笠松町、同競馬場