福山市は15日の市議会決算特別委員会で、福山競馬の本年度の上半期(4~9月)収支が、2千万円程度の赤字だったことを明らかにした。本年度収支と来年度予算について、事業継続の条件とする実質単年度収支の黒字が「大変厳しい」との見方をあらためて示した。
市財政政策課は第1四半期(4~6月)の赤字額(1085万円)を挙げ「第2四半期(7~9月)もほぼ同程度」と説明。正式な額は16日の市議会競馬事業特別委で公表するとした。
また佐藤彰三財政局長は「来年度の予算案を詰めているが、収入と支出に大きな差が生じて苦慮している。経費節減などで(黒字を確保できる)予算案を組めるように取り組みたい」と述べた。
市議からは「将来の財政運営を考え(単年度収支の黒字が継続条件の)答申を基に賢明な判断を」「廃止後の方策を関係者と話し合う場を設けるべきだ」などの意見が出た。
広島県馬主会や県調騎会などでつくる県福山競馬振興協議会は、売上金の払戻率が柔軟化される見通しの2014年度までの継続を市に陳情している。これについて佐藤局長は「数年先をにらんで答申を凍結すると、赤字を垂れ流すことになりかねない。答申に沿って、できることを最大限努力する」と述べた。(中国新聞)