経営不振の福山市営競馬について、同市の羽田皓市長は26日、競馬関係者らに「今年度限りで廃止せざるを得ない」と伝え、来年3月末での廃止を表明した。存続条件だった年間黒字がほぼ絶望的になっていることに加え、来年度予算ではどうしても1億6000万円以上の収支不足になると説明。「経営環境は日々厳しくなる。こんな形で結論を伝えることになり、断腸の思い。申し訳ない」と陳謝した。今後、補償として競馬関係者に支払う協力金や再就職先などの協議を始める見通し。
同日、市役所に県調騎会や馬主会の幹部らを集め説明した。同競馬は今年度上半期(4〜9月)で2108万円の赤字が確定しており、羽田市長は「下半期で2000万円を上回る黒字を出すことは極めて困難」と説明。収支不足が見込まれる1億6000万円について、「歳入を多く見積もっても現実的ではない。歳出を削っても遠く及ばない」として、予算編成が不可能とした。また年度途中でなく、年度末での廃止としたことについては「状況を考えると3月末が適切とは思わないが、63年も続いた事業。有終の美として最後まで頑張ってほしい」と述べた。(毎日新聞)