笠松競馬場(羽島郡笠松町)の一部地主が運営先の県地方競馬組合に土地の明け渡しなどを求めた控訴審の和解協議が8日、名古屋高裁(西島幸夫裁判長)で開かれた。組合側は1坪当たり年間1200円の賃料を提示したが、地主側の合意が得られず、和解協議は事実上決裂した。次回の12月5日の和解協議で両者が合意しなければ再び弁論に移行する。
組合側の提示案は▽Aランクは1坪当たり年間1200円▽Bランクは固定資産税相当額の1.2倍▽期間は2008(平成20)―12年度とし、13年度以降の単価は12年度に協議する―など。
組合によると、この提示額で試算した場合、年間3700万円の負担増。08年度から実質単年度収支は赤字に転落し、基金などで補てんしても2014年度限りで底を突く見通し。
組合幹部は「5年以上の存続を視野に経営の許す範囲内で最大限誠意を持って提示した額。これ以上は絶対に出せず、あとは相手の理解を仰ぐしかない」と話した。
一方、地主側は当初から一審の和解案の年額1300円を最低ラインと定めており、代理人は「一審の和解案以上のものが出てくると期待していたので失望した」などと受け入れを拒否。次回の和解協議が決裂すれば、その場で弁論が終結する見通し。
また地主の1人が9月16日に訴えの取り下げ書を名高裁に提出、同20日付で受理されており、地主側は83人となった。(岐阜新聞)