日本最北の競馬場・旭川。16日は特別な日だった。1948年にスタートし75年新設の現競馬場まで、60年間におよぶ旭川での競馬の歴史に幕が下りたのだ。道営競馬存続へ向けた経営改善策の一環で旭川開催は今年度限り。午後1時40分の開門前から行列ができた。関係者は「こんなのは見たことがないね」と言う。開門後25分で500人が入場した。94年から実施のナイター(大井に次ぐ国内2番目)。ラストレース・エーデルワイス賞後、ファンが馬場の砂を踏みしめる。場内で別れを惜しんだ観客は4000人を超え今季最多となった。
「2人でよく来た。最後なので写真をたくさん撮ろうと思って…」と旭川市の68歳と61歳の夫婦。同市内の男性ファン(29)は「競馬は馬を見ながらやるのが一番。やっぱり寂しいです」。東京から駆けつけた女性ファン(23)は「年に1度来るのを楽しみにしていました。競馬を続けるためでしょう?仕方ないですね…」と話した。地元であれ、遠方であれ、競馬にかかわる人にとって競馬場がなくなるのは悲しいことだ。しかし、この日の場内に悲壮な雰囲気は感じられなかった。来年度から門別ナイターを主体(札幌でも開催)に行われる馬産地競馬。前進あるのみだ。(スポニチ)