2010年12月1日水曜日

笠松競馬、当面は存続 組合と馬主ら賞金15%減で合意

 岐阜県笠松町の笠松競馬存廃問題で、赤字補填(ほてん)のため本年度の賞金・手当の40%削減を提示していた主催者の県地方競馬組合は30日、同競馬場で馬主ら競馬関係者と会合を開き、削減率を約15%に引き下げ、基金も取り崩す再建案で合意した。これにより、同競馬場の当面の存続が確実になった。

 合意を受け組合は再建案を基に補正予算案を編成。12月1日の笠松競馬運営推進協議会に提示する。予算案が6日の同組合議会で可決されれば、正式に存続が決まる。

 再建案では、本年度の賞金・手当の14・8%に当たる5400万円を削減。残りの不足分は赤字補填に使える財政調整基金6600万円をすべて投入、場外馬券売り場「シアター恵那」(同県恵那市)の借金返済のための基金なども一部取り崩す。

 本年度の売り上げを108億円と想定し、それ以上の売り上げが出れば、競馬関係者に還元する方針。笠松競馬は急激な売り上げ減を受け、本年度1億円を超える赤字の見通し。組合は賞金・手当を40%削減する案を提示したが、関係者は基金の取り崩しを求め調整が続いていた。

 組合は財政調整基金の全額投入を前提に、シアター恵那の資産価値を算出。新たな税金投入にならない範囲で基金の取り崩しを認めた。組合管理者の広江正明笠松町長は「競馬関係者の『血を流しても存続する』という決意を感じた」と話した。(中日新聞)