笠松競馬(羽島郡笠松町)の存廃問題で、本年度の赤字補てん策として賞金・手当総額の15%カットを決めた県地方競馬組合は6日、レースの魅力確保のために賞金・手当向けの寄付金を積み立てる「賞金基金」を創設した。本年度の寄付目標額は100万円。全国の競馬ファンや企業、地域住民らの協力を期待しており、近く募金を始める。
地方競馬全国協会(東京)によると、全国に16ある地方競馬の主催者のうち、高知競馬(高知県)を運営する同県競馬組合が2007(平成19)年に重賞レースの賞金に充てる支援金を募った例はあるが、基金を設けて継続的に募金活動を行うのは笠松が初めて。
同日の組合議会で賞金基金を新設する条例改正案が可決された。組合の朝倉芳夫管理者代行は「ファンや県民の募金で少しでも増額したい」と説明。寄付者名をホームページで公表したり、入場招待券を配る特典を検討する。
賞金・手当総額は03年度は19億2000万円あったが、05年度は10億8000万円に減少、その後も回復していない。本年度は当初予算に10億7000万円を計上していたが、組合議会で15%カットを盛り込んだ補正を正式決定した。(岐阜新聞)