2010年12月23日木曜日

佐賀競馬の廃品活用 馬ふん肥料 好評


 鳥栖市の住民グループ「ベネッセの会」(永友恵子代表)が、佐賀競馬場(同市江島町)の厩舎(きゅうしゃ)から出る馬ふんを原料にした肥料づくりに取り組んでいる。栄養を付けてコースを駆け回る競走馬たちだけに健康状態は申し分なし。利用者の評判も上々で、肥料づくりは“快走中”だ。

 県競馬組合によると、同競馬場には現在539頭の競走馬がおり、出るふんは年間4トントラック約1400台分。JAを通じて処理を委託しているという。

 肥料づくりは、同会が県の地球温暖化防止の取り組み「緑のカーテン」に参加し、環境に関心を持ったのがきっかけ。永友さんの夫が同競馬場で働いていたこともあり、馬ふんを利用した肥料づくりを思い付いたという。競馬場厩舎が、無料でふんを提供してくれることになり、厩舎の一角で2年前から取り組み始めた。

 集めたふんは、9月末からシートをかぶせ自然乾燥。時折、重機などを使ってかき混ぜながら約3カ月間置き「におわなくなってきたら完成の目安」という。

 これまで年間約6トンを製造。現在は、出来た肥料を競馬場周辺の約35の個人や団体に無料で配っているが、「馬ふんに含まれたわらで土がふっくらになった」「雑草が生えにくく、ミミズがよく繁殖して作物の育ちがいい」と好評。

 評判を聞き付けた周辺の人たちからも配布の依頼があり、今年は製造量を約10トンに増やす。間もなく完成予定だ。永友さんは「鍛えられた馬たちだけに肥料として予想外に適していた。環境改善にもつながる上に、皆さんに喜んでもらえてやりがいがある」と話す。(西日本新聞朝刊)
【写真】馬ふんにシートをかぶせ肥料づくりに取り組む「ベネッセの会」のメンバーたち