中央競馬参入を熱望するダーレーなど海外の有力馬主に、来年から門戸が開かれる。JRAは4日、都内で行われた生産者代表との会合で、国内非居住者の馬主資格を条件付きで認める案を提示。理解を得た。早ければ09年秋から出走可能となるが、5頭につき4頭は内国産馬所有が義務付けられるなど、生産者や馬主に最大限まで配慮した形でスタートする。
来年から海外に居住する外国人馬主にも中央競馬の門戸が開かれる。JRAが8月上旬に作成した開放案が生産者代表に提示され、承認された。8月27日に行われた日本馬主協会連合会との会合でも議論の末に合意に達している。国内非居住馬主の参入によって最も影響を受ける生産者と馬主の理解が得られたことで、開放策は大きく前進した。今後は競馬施行規程等の整備を経て、来春にも国内非居住者の馬主登録申請が受け付けられ、早ければ09年11月から出走可能となる。
ダーレーを筆頭に中央参戦を熱望する海外有力馬主には待望の「開国」だが、当面は生産者や馬主が受ける打撃を最小限に抑えるため、国内に配慮した厳しい制限が設けられる。
(1)内国産馬の所有義務付け 最初の4頭は内国産馬でなければならず、5頭目で外国産馬が認められる。すなわち、外国産馬の所有割合は5頭に1頭。
(2)入厩頭数制限 導入初年度は上限10頭、2年目15頭、3年目20頭。国内居住馬主の上限100頭より大幅に低く設定される。
(3)共有不可 100%自己所有でなければならず、共有は認められない。
これらの制限策は3年後をめどに検証され、制限緩和等の見直しが行われる。
国内非居住馬主への市場開放は、日本のパート1国昇格(07年)以前から検討されてきた重要課題。オーストラリアとニュージーランドが94年に日本政府OTO(市場開放問題苦情受付窓口)に馬主登録受け入れを訴え、米国やEUからも強い要望が出されていた。(日刊スポーツ)