笠松競馬場土地明け渡し訴訟の1審判決を受け、今後の笠松競馬の経営方針や将来展望などについて話し合う「笠松競馬を検討する会」の3回目の会合が1日、笠松町中央公民館で開かれた。県地方競馬組合は当初、今回で会合を終了する予定だったが、「競馬存続のため様々な意見、課題が出た」とし、今後も継続していく考えを示した。
会合では、土地の明け渡しを求めている原告側が勝訴した1審判決が確定した場合、想定される経費が初めて示された。県地方競馬組合は、建物撤去など借地の原状回復として約19億円、原告に対する損害金約2億円、起債償還経費約4億円の計約25億円と試算。
さらに、馬主、調教師や騎手ら約440人に対する退職金、慰労金の支給などが必要としている。県が19分の15を負担し、笠松、岐南町が残る額を負担する。
参加した調教師から「原告側の地主と和解で解決してほしい。競馬をぜひ存続させてもらいたい」と存続を願う声が出たほか、「馬を増やしたくても、来年度やるか分からない状態では増やせない」と現状を訴える馬主もいた。
一方、原告の四つの地主組合代表は、3回の会合にすべて欠席した。参加したほかの地主らからは「原告の地主が出席しないと何も進歩がない。県地方競馬組合は、引っ張り出すように努力してほしい」などと批判の声が相次いだ。
1審判決では、競馬組合側に土地の明け渡しと、2006年4月以降から明け渡しまでの賃料の支払いを命じた。競馬組合側は判決を不服として控訴し、3日に名古屋高裁で第1回口頭弁論が開かれる。1審で勝訴した原告86人のうち2人は訴えを取り下げた。(読売新聞)