2011年1月20日木曜日

競馬継続に安堵や緊張の声

 福山市の羽田皓市長が福山競馬を2011年度は条件付きで継続させる方針を表明した19日、調教師や馬主たち競馬関係者の間では安堵(あんど)と経営再建へ向けた緊張の声が入り交じった。累積赤字が約20億円に膨らんだ現状に、街頭の市民の反応は賛否が分かれた。

 広島県調騎会の渡辺貞夫会長(62)は「ほっとした。競馬ファンの意見も採り入れ、主催者の市と振興策を探りたい」と話す。雇用を守るため事業の継続を訴えてきた。

 調教師や厩務(きゅうむ)員の給与に当たる賞典奨励費は、既に何度も削減されてきた。経営再建にはさらに削る必要がある。

 「市も経費削減に努める。市と現場が一丸となって事業を運営したい」と継続方針を歓迎するのは県馬主会の八木徹会長。調教師徳本慶一さん(53)は「猶予をもらった。入場者を増やせるかどうか、これからが正念場だ」と口元を引き締めた。

 赤字解消の道筋が見えないままの継続方針に、市中心部の買い物客たちの反応は複雑だ。南本庄の塚本弘さん(62)は「中国地方唯一の競馬場。かつてのように福山を活気づけてほしい」と期待。千代田町の美容師藤原久さん(28)は「赤字を抱えたまま続ける必要はないのではないか」と疑問を投げ掛ける。(中国新聞)