厳しい経営状況が続く地方競馬を活性化させるため、農林水産省は、売り上げに占める払い戻し金の割合を地方競馬の運営者が決められるよう規制緩和する、競馬法の改正案を今の国会に提出することにしています。
長引く景気の低迷や娯楽の多様化によって、地方競馬の馬券の売り上げは、ピーク時の平成3年度に比べて3分の1まで減っており、地方競馬の運営団体は、この20年で10廃止され15団体まで減少するなど、厳しい経営状況が続いています。こうした状況を受け、農林水産省は地方競馬を活性化させるため、払い戻し金制度を規制緩和する方針で、法律でおおむね75%となっている馬券の売り上げに占める払い戻し金の割合を、各運営者が一定の範囲で自由に決められるようにするものです。これによって、経営が苦しい運営者は払い戻し金の割合を減らすことで、売り上げを確保しやすくできるほか、競馬場によっては、逆に割合を高めることで、入場者の増加につなげる試みも可能になるということです。農林水産省では、どの程度まで運営者に裁量を持たせるか調整をしたうえで、競馬法の改正案を今の国会に提出することにしています。(NHKニュース)