古田肇知事は24日、農林水産省に鹿野道彦農相を訪ね、笠松競馬(羽島郡笠松町)を運営する県地方競馬組合が加盟する地方競馬全国協会に対し、馬券売り上げの一定割合を納めることが義務付けられている交付金について、経営難であることに配慮して負担を軽減するよう要請した。
同組合は競馬法に基づき、収支が赤字か否かにかかわらず、畜産振興の原資として同協会に馬券発売額の0・55%を納めなければならない。2009(平成21)年度までの5年間は特例で計約3億2千万円の納付が猶予されたが、本年度から再び納付が始まり、単年度分だけで6千万円を見込む。支払いを先送りした猶予分も13年度から10年間で上乗せして納める必要があるため、さらなる経営圧迫が見込まれている。
古田知事は面談後、交付金軽減には法改正が要るとの認識を示した上で、「生き延びる上でもう一段、特段の配慮がいただけないか」などと支援を求めたことを明らかにした。鹿野氏は制度論には踏み込まなかったものの「笠松競馬が地域にとっていかに大事な存在かはよく分かった」と理解は示し、担当部局に橋渡しする考えを示したという。
古田知事は、組合としても最大限のコストカットに取り組む決意も付言した。
同組合は8月までの開催実績に基づく本年度収支は1億1700万円の赤字と見込んでいる。(岐阜新聞)