道は8日、存廃の岐路にある道営ホッカイドウ競馬について、来年度以降も存続させる方向で調整に入った。同日の道地方競馬運営委員会(委員長・佐藤郁夫札大教授)で、存続の条件となる本年度の収支均衡について、11月18日までの残りの日程で可能とする見通しを示した。高橋はるみ知事が10月中にも最終決定する。
道営競馬59件は8月半ばまでの前半日程で、馬券発売額が計画比の9割にとどまっている。ただ、11月18日までの後半日程で前半より5%多い売上高を見込めるほか、大井(東京)など道外競馬場での道営競馬の馬券発売レース数の増加などから、道は今季の収支均衡は可能とする試算を示した。
これに対し、学識経験者や軽種馬生産者ら10人の委員からも「一時は28億円もあった単年度赤字をゼロに近づけた」などと評価する声が相次ぎ、道に対し存続を要望することで一致した。
運営委は道の意思決定機関ではないものの、これまでも札幌競馬場での開催休止を提言するなど道営競馬の運営への影響力は強く、道側も「事業として成立しており、まだまだ発展できる。赤字構造ではなくなった」(東修二農政部長)と前向きな姿勢を示した。
10月半ばには来シーズンの道営競馬59件で走る馬の取引市場が日高管内新ひだか町で開かれる予定で、馬産地からは「早く存続を表明してほしい」との声が強まっていた。高橋知事はこの時期までに全体状況を見極め、最終決定を下すとみられる。(北海道新聞)