福山市営競馬(福山市千代田町)の存廃を議論する有識者の検討委員会(委員長=吉原龍介・前福山大副学長、14人)は29日、「速やかに廃止すべき」を基本とする答申を羽田皓市長に提出した。答申では実質単年度収支の黒字確保という条件付きで事業継続も認めているが、収支の抜本的な改善が見込めない状況で、競馬関係者に厳しい課題を突き付ける内容となっている。羽田市長は、2011年度の予算編成までに一定の判断を下す意向を示した。
検討委は2月に設置され、この日で8回目。騎手や調教師ら33人が傍聴する中、出席した12人の委員は、前回の委員会でまとめた答申案を了承した。
終了後、吉原委員長が羽田市長に答申書を手渡し、「速やかな廃止が本旨。継続も盛り込んでいるが、厳しい条件を付けている」と説明。羽田市長は「(現在は)実質単年度収支の黒字確保が出来ていない厳しい状況。今後の方向性は、答申の内容を尊重しながら、今年度の収支なども踏まえて総合的に検討したい」と応じた。(読売新聞)
羽田市長は取材に対し、「継続となれば、来年度予算にかかわる。しかるべき時期に(方向性は)考えていく」と述べた。
検討委の委員を務めた県馬主会の八木徹会長は「廃止が前提とはいえ、当面は継続できる方向で答申を提出できたことを評価したい。単年度収支の黒字化を実現する具体策を現場でも考えるので、市も協力してほしい」と求めた。