農林水産省は4日、経営状態が厳しい地方競馬の活性化を目的に、馬券の売り上げに占める的中者への払戻金の割合規制を緩和する方針を明らかにした。地方競馬を主催する運営者が一定の範囲内で払戻金の還元割合を設定できるようにし、収益改善に向けて払戻金の割合を低めに設定したり、集客効果を狙って高めに設定したりできるようにする。同省は競馬法の一部改正案を今通常国会に提出する。
地方競馬は、景気低迷やレジャーの多様化などを背景にファンが減少。2010年度の馬券の売り上げは3332億円と、ピークの1991年度(9862億円)に比べ3分の1の水準に落ち込んだ。91年度に25を数えた運営団体も、11年末で荒尾競馬(熊本県)が廃止になるなど減り続け、現在は15団体になった。
払戻金の割合は競馬法で算出方式が定められ、現在は約75%。今回の法改正では、上限と下限を定め、この間であれば還元割合を運営者の裁量で決められる仕組みにする。また改正法案には、地方競馬運営者への支援事業の延長も盛り込む。(時事ドットコム)