JRA騎手課程25期生の卒業式が10日、千葉・白井の競馬学校で行われ、双子の国分優作君(18)、恭介君(18)ら5人が、巣立ちの時を迎えた。卒業生は、12日に発表される2次試験の合格を待って、早ければ3月1日にも競馬場でデビューする。
96年に卒業した柴田大知、未崎以来となる双子ジョッキー。国分優作君と恭平君が、“NO1騎手”という同じ夢に向かって、大きな一歩を踏み出した。
小学生の時に新聞記事を見て競馬学校の存在を知り、ほぼ同時に騎手を目指した。中学生になってからは、同時に乗馬クラブへ。ほとんど離れることなく育ってきた2人だが、騎手としては、優作君が美浦・国枝厩舎、恭介君が栗東・五十嵐厩舎(ともに予定)と、東西に別れる道を選んだ。
「僕たちは、それほど気にしていなかったのですが、教官に『離れないと目立たないぞ』と言われて決めました」と兄の優作君。一方、弟の恭平君は「2人でいると、すぐにケンカしますから。それに、何かあったら電話で相談できますし」。勝負の世界を目指す若者らしい独立心をのぞかせた。
◆双子ジョッキー ○…96年デビューの柴田大知、未崎(ともに31歳、美浦・フリー)が初めて。初年度は、それぞれ27勝、12勝をマークして活躍。兄・大知は、関東新人騎手賞を受賞した。10日現在の通算成績は、大知が2697戦122勝。未崎は2353戦80勝。
◆模擬競走松山V ○…今年卒業する25期生から、競馬学校内外で行う模擬レースに「スチューデント・ジョッキーズ・シリーズ」のタイトルが付き、ポイント制で争われるようになった。この日までの8戦で2位につけていた松山弘平君(18)が、卒業式前に行われた最終戦を制し、逆転優勝。「勝負根性は、同期では誰にも負けません」と力強くアピールしていた。
◆父は元高崎騎手 ○…丸山元気君(18)は「名前の通り、元気なところがセールスポイントです」と笑顔。父は、04年に廃止された高崎競馬の元騎手・丸山侯彦さんだ。当初は騎手になることを反対したそうだが、息子の晴れ姿に「今はホッとしています。いきなり活躍しなくてもいいので、早くに免許を返上することなく、頑張ってほしいですね」。自身は志半ばにして騎手を辞めざるを得なかっただけに、末永く騎乗することを願っていた。
◆武22年ぶり出席 ○…卒業式には、第3期卒業生の武豊が、日本騎手クラブ副会長として来場。「つらいこともあるけれど、騎手は素晴らしい仕事。競馬場で待っています」と祝辞を述べた。自身の卒業式以来、22年ぶりの出席。「彼らを見ていると、感慨深いものがあるね。でも、僕自身は、今も当時と同じ気持ちで乗っている。3月からは仲間だし、全力で頑張ってほしいね」と話していた。(スポーツ報知)