2009年11月19日木曜日

100円がイッキ2億円!JRAスーパードリーム馬券!

 夢の2億馬券が飛び出すか!? 日本中央競馬会(JRA)は18日、東京・港区の六本木事務所で経営委員会を開き、11年度から新たな投票方式として「5重勝単勝式」を導入すると発表した。指定した5レースの1着をすべて的中させるという、現在主流の3連単に比べても難解な馬券。だが、その分、超高額配当が飛び出すことは確実で払戻金の上限は2億円。破壊力抜群のドリーム馬券が誕生する。

 世界的不況の影響とレジャーの多様化で、売り上げ減少に歯止めが利かない中央競馬が、新たな夢馬券の導入に踏み切る。18日のJRA経営委員会で承認された新馬券は「5重勝単勝式」。指定された5レースの1着を、すべて的中させる投票法だ。具体的な導入時期、指定レース等の詳細は未定のままだが、JRAは再来年の11年度からの導入を目指し、馬券発売のシステム構築に入るとしている。まずはパソコン、携帯電話等を利用したインターネット投票に限定して発売する予定。発売単位は現行の馬券と同じ100円で、払戻金の上限は100円につき2億円。1日1回の発売で、的中者不在の場合、売上金は次回の発売へ繰り越し(キャリーオーバー)が発生する。

 同様の重勝式馬券は米国のピック6(指定6レースの単勝)、英国のジャックポットなど、海外ではすでに導入されている競馬場も多い。国内の公営競技では競輪が08年4月から「チャリロト」を導入。同年6月の平塚競輪場で、後半7レースの1着をコンピューターが自動的に選ぶクイックピック方式で、公営競技史上最高となる7969万8600円の高額配当が飛び出している。競輪よりも発売規模の大きい中央競馬では、これを上回る億単位の払い戻しが確実視される。

 JRAでは過去に、国営競馬時代の1951年(昭26)から重勝式馬券を発売。土曜午前中の1~3Rの1着を的中させる3重勝式だったが、射幸心を嫌う当時の世相と、売り上げが全馬券の1%にも満たなかったことから61年2月に発売を中止している。

 現在は宝くじのロト6やサッカーくじのtotoBIGなど、億を超える高額払い戻しが当たり前。JRAでも昨夏から本格導入した3連単(1~3着を着順通りに的中)が、馬券売り上げの約4割を占めており、より高額配当を生み出す重勝式の導入で、他の高額配当商品との競争力を高め、馬券売り上げの減少を食い止める狙いがある。

 JRAの小畠薫理事(広報担当)は「海外の競馬主要国では一般的に発売されている方式。こうした投票法を導入することで競馬の話題性の喚起と、新規ファンの参加意欲向上を図りたい」と導入決定の経緯を説明。100円が最大2億円に化ける夢馬券が、ファン離れの進む中央競馬の救世主となれるか注目だ。(