2009年11月13日金曜日
福山競馬 存続か廃止検討へ
本年度上半期に4千万円近い赤字を計上した福山競馬について、福山市は近く、存続と廃止の両方を視野に入れた検討を始める方針を示した。12日の市議会決算特別委員会で開原算彦副市長が明らかにした。
開原副市長は本年度分の賞典奨励費を約5500万円圧縮したことを踏まえ「これ以上の経費削減は不可能」との見方を示した。
一方、耐震基準を満たしていないスタンドや老朽化した大型ビジョンなど機器の更新を施設整備基金(約7億3千万円)で賄うのは困難とも指摘。「今後の在り方を検討せざるを得ない状況に追い込まれている」とした。
市によると、検討するステージはまだ未定という。「議会からの指摘を整理し、市民の意見を聞く必要もある」とし、専門機関を設置するかどうかも含めて総合的に判断して方針を決めるという。
市議会側からは、1998年以降、一般会計への事業収益の繰り入れがないことを理由に「公営競馬としての役割は終わっている」「基金があるうちにピリオドを打つべきだ」などとの指摘がある半面、「高知競馬など他場との連携を強化し、赤字の解消を図るべきだ」との意見も出た。
羽田皓市長は競馬事業存続の条件として、単年度の黒字確保が必要との認識を表明している。(中国新聞)
【写真説明】福山競馬の存廃について、近く検討に入る考えを示す開原副市長(奥)