笠松競馬場(笠松町)の一部地主が運営者の県地方競馬組合に競馬場用地の明け渡しを求めた控訴審について、同組合の議会は16日、定例会を開き、和解案を承認することを議決した。12月1日に名古屋高裁で正式和解が成立し、同競馬場の当面の存続が決まる。
同組合によると、和解案は10年度までの年間用地賃貸料を1坪1200円(一部1100円)とし、11年度以降は、前年度の売り上げに応じ、1000万円について0・4%の割合で変動させる。土地の固定資産税の1・5%を最低額とし、契約終了後は3年以内に原状回復して明け渡すとしている。
同訴訟は、地主253人のうち86人が06年に土地明け渡しを求めて提訴。岐阜地裁は08年5月、明け渡しを命じた。組合側は控訴したが、高裁でも組合が敗訴すれば、競馬場廃止の可能性があった。
組合管理者の広江正明・笠松町長は「経営はいまだに厳しい状況であるが、3年半、裁判に使っていた神経を競馬場運営に転換し、関係者が一丸となって努力したい」と話した。【石山絵歩】