2009年11月13日金曜日

上半期赤字 福山競馬あり方検討へ 市、市民の意見聞く場設置も

 福山市議会の決算特別委員会が12日、開かれ、2009年度上半期(4~9月)の収支が赤字に転落した福山市営競馬について、市側は「総合的な状況を踏まえ、今後のあり方を検討せざるをえない」として、今後、市民の意見を聞く場を設けることを検討する意向を示した。同市営競馬は、単年度収支の黒字確保が事業継続の前提とされ、市はこれまで「事業の継続が基本」としてきただけに、今後の動向が注目される。

 市の競馬事業特別会計は、バブル崩壊後の1992年度以降、収入の減少傾向が続いており、20億1400万円の累積赤字が重くのしかかっている。08年度は基金を取り崩すなどして677万円の黒字を確保したが、09年度の上半期は3834万円の赤字と厳しさを増している。市は下半期に向け、高知競馬との交流レースなどで売り上げ増を目指すとしてきた。

 同委員会では、委員から「在籍する競走馬が減り、レースの魅力も下がって悪循環」「基金を繰り入れて単年度収支で黒字を確保しても市民の理解は得られない」などの声が相次ぎ、「早く結論を出し、幕を閉じるべきでは」と廃止を迫る意見も出された。

 これに対し、開原算彦副市長は、「下半期に期待しているが、これ以上の経費削減は不可能で、施設の老朽化も進んでいる」と厳しい経営状況を認め、「これまでの経過や将来の展望を含め総合的な検討が必要」とした。(読売新聞)