2010年11月30日火曜日

金沢競馬 直ちに廃止はないものの将来廃止判断も

 金沢競馬の経営状況や改善策を検証する委員会が開かれ、ただちに廃止することは適当ではないとしたものの存続期間については定まりませんでした。県庁で開かれた委員会では金沢競馬の存廃についての骨子案が議論されました。案では、存廃の見通しについて、ただちに事業を廃止することは適当でないものの将来、廃止判断もありえる。判断基準については税金を投入しないことが適切だとされ委員からも異論は出ませんでした。一方で、存続期間については「期間を決めるべき」という意見が出ました。現在、金沢競馬には24億円もの基金がありますが、委員は、廃止が決まった場合の競馬関係者への協力金や、災害など不測の事態が起きた場合の試算を含めて、基金が底を打つ期間設定が必要だとしています。次回の委員会は来月中に開かれ、最終的な結論を出す見込みです。(北陸朝日新聞)

金沢競馬、存続年限を明記へ 経営評価委最終報告案

 金沢競馬の存廃問題について議論する有識者らの委員会の最終報告に、同競馬の存続年限が明記される見通しになった。年限までに収支均衡や黒字転換を果たせない場合は事業を廃止する方向だ。石川県の谷本正憲知事は競馬事業への税金投入に否定的な見解を示しており、過去の利益で積み上げた基金の残高もにらみつつ、存廃問題の結論を出す。
 29日開催した金沢競馬経営評価委員会(丸山利輔委員長)は、来年度以降の存続年限を年内に策定する予定の同委の最終報告書に明記する方針で一致した。具体的な年限は、約24億円ある基金で競馬関係者への補償金やリース残高の一括償還といった事業廃止の費用を捻出できるよう定める考えだ。
 金沢競馬は2007年度から3年間で存廃を判断する計画だったが、リーマン・ショックで判断を1年延期した経緯がある。10年度も収支は赤字の見通しで、同委は先行きの見通しが厳しい以上、存続年限を明確にすべきだと判断した。
 石川県の競馬事業局が公表している事業廃止のシミュレーションでは、失職する競馬関係者への補償金額が6億~12億円と幅があり、税金投入のリスクを回避しつつ存続できる年限は試算しにくい。
 同県は経営改善に向けたコスト削減策や廃止の場合の補償条件などを競馬関係者と交渉する会議の設定も検討する。
 谷本知事は25日の記者会見で金沢競馬について「税金を投入してまで維持するのは理解が得られるか、よく考えなくてはならない」と述べていた。(日本経済新聞)

祝儀、アラブ懐かしく


 「あの馬、元気だろ。毛のつやも足運びも良い。今日はやってくれるよ」。福山市営競馬場1階の馬券売り場近くの専用ブースで、勝ち馬の予想を販売する「予想屋・友ちゃん」こと友滝慧(さとし)(68)は少し笑いながら、「友ちゃん予想」と書かれた縦3センチ、横5センチの白い紙を半分に折り曲げ、取り囲む常連客に手渡していった。料金は1レース100円。紙を受け取った客は、中に書かれた1〜3着予想の馬番を確認すると、馬券売り場に急ぐ。レース開始間際になると、友滝は落ち着いた様子で、ゲートが開くのを待った。

      ◇

 市競馬事務局から、場内で予想の販売が認められている「予想屋」4人の中の1人。元は騎手だった。3年ほど馬の背にまたがったが、減量が難しくなったこともあり、20歳代で引退。ほかの仕事を始めたが、「馬を見続けたい」と休日や祝日になると競馬場に足を運び、予想屋を始めるようになった。

 騎手の経験を持つだけに、客からも注目され、1980年代後半のバブル経済華やかなりし頃には、ブースの前に長蛇の列ができ、面白いほど予想が売れたという。

 配当の大きな、万馬券を当てた時には、予想料以外に、数万円の“ご祝儀”が振る舞われたことも懐かしい思い出だ。だから重賞レースになると、自然と気合が入った。

      ◇

 別の仕事も続けていたが、当時は予想屋だけで十分食べていけた。しかし、2005年のサラブレッド導入以降、予想は格段に難しくなったという。

 福山市営競馬は1949年の開設当初からアラブ馬が主役だった。80年代には700頭以上が在籍し、「アラブ王国」とまで呼ばれていたが、日本中央競馬会(JRA)のアラブ馬撤退などで生産数が減少したことを受け、レースを維持するために、サラブレッドを出場させることになった。

 「思いもよらないレース展開で、1番人気が最下位、大穴が1着ということもよくある」と友滝は困惑気味に話す。サラブレッドは気分屋の面もあり、出走前に登場するパドックで調子良く見えても、コースに出ると全くスピードが出ず、大味なレース展開になることも多いという。アラブ馬で長年培ってきた経験と勘がなかなか通用しにくくなったと感じている。

 「実力伯仲の駆け引きや攻防は、アラブ馬だけの時のほうが面白かった」。アラブ全盛期を振り返りながら、ため息をもらす。

      ◇

 客もそれぞれ。「自分で予想しないと、勝ってもうれしくない」と語る20歳代の男性客のように、予想屋の姿を横目に、馬券売り場に向かうファンは多い。

 一方で、「友ちゃん、頼むわ」「友ちゃん、次はどんなかの」と、予想をあてにしてやってくる客もまだまだ多い。

 レース出走前に下見しようと、パドックのそばに立つと、自然になじみの顔が周囲に集まってきた。「毎レース、毎レース、生で見ているから、馬のことが分かる」。真剣なまなざしをパドックに向けた。(読売新聞)
【写真】予想を求める常連客らに囲まれる友滝(福山市営競馬場で)

 <馬券> 正式名称は勝ち馬投票券。1着を予想する単勝、3着までに入る馬を当てる複勝(出走馬が7頭以下の場合は2着以内)、上位3着を着順通りに予想する3連単、上位3着を着順に限らず当てる3連複などの方式がある。JR福山駅前など福山市内3か所に設置する専用場外発売所やインターネットでの投票も可能。

菅原勲騎手が4千勝達成 岩手競馬初、地方では6人目

 岩手競馬の菅原勲騎手(47)が29日、水沢競馬場での第11レースでスズモンスター号に騎乗して勝ち、通算4千勝を達成した。岩手競馬では初で、地方競馬では通算6人目。現役騎手では4人目。
 通算3998勝で迎えたこの日、第3レースで勝つと、最終レースで偉業を達成した。県競馬組合によると、騎手29年目のベテランは「2千勝まで頑張って達成しようと目標にしていたが、ここまで現役を続けてこられたことが驚きです」と喜んだという。
 今後の目標については、「記録は記録として、レースを一つひとつ頑張っていくしかない。これで終わりじゃないので、これからも全国レベルで活躍できるよう応援してください」とした。
 菅原騎手は、1981年10月17日に初騎乗し、2日後に初勝利。1999年2月には地方競馬所属で初めて日本中央競馬会(JRA)のG1レース(フェブラリーステークス)を勝った。岩手競馬所属だったメイセイオペラで勝ったもので、人馬ともに地方所属でJRAのG1を勝ったのは、今もこの1例だけだ。
 地方競馬の通算最多勝利は佐々木竹見騎手(川崎)の7151勝。JRAの最多勝は武豊騎手の3370勝だ。(朝日新聞)

2010年11月28日日曜日

笠松競馬、賞金減緩和へ 基金取り崩し視野

 岐阜県笠松町の笠松競馬の存廃問題で、経費削減のために賞金・手当の4割カットを提示していた主催者の県地方競馬組合が27日、カット率を緩和する方針を固め、馬主や調教師らを集めた会合で伝えた。具体的なカット率は近く示す。県が慎重な姿勢を示している関連基金の取り崩しも検討する。
 笠松競馬は本年度、上半期の売り上げ減が響き赤字になる見通しで、組合は8日に経費削減を柱とする再建案を提示。賞金・手当を12月から4カ月間、4割削減し、1億4千万円を捻出するとしていた。
 再建案は、同県恵那市の場外馬券売り場「シアター恵那」の建設費返済の積立基金など約4億5千万円を赤字補てんに充てないことが前提だった。だが、馬主らは「生活できない」と訴え、基金の取り崩しを求めていた。
 会合後、組合管理者の広江正明笠松町長は「方針は理解してもらえたはず。基金をどの程度崩せるか、できる範囲で対応を考えたい」、県馬主会の安田敏雄会長は「競馬を続けていく組合側の思いを感じた。これで折り合いがつくだろう」と話した。(中日新聞)

2010年11月27日土曜日

笠松競馬:高崎競馬の調教師、岩手で挫折の騎手 再起の夢


 笠松競馬(岐阜県笠松町)に、廃止された群馬県の高崎競馬から移ってきた調教師と、岩手競馬で一度は挫折し再起をかけて再デビューした騎手がいる。しかし、「第二の人生」の舞台となった笠松競馬は、財政難で存続の危機に直面している。失いかけた夢を追う2人は、笠松競馬の存続を願っている。
 「馬券の売り上げが落ちて財政が悪化してと、高崎の時と似た雰囲気だ。良い馬の出る競馬場なのに」。調教師の法理勝弘さん(54)が笠松競馬の行く末に気をもむ。
 法理さんは、高崎競馬で調教師として約20年間勤務した。だが、04年9月、県知事が県議会で廃止を表明。議会傍聴席にいた法理さんは「『何でだ』とため息が出た」と振り返る。
 高崎競馬にとって最後のレース日となった同年の大みそか。予定されていた大きなレースは大雪で中止になった。「その日に限って降った。『なみだ雪』だったのかな」
 その後は牧場で働いていたが、「競馬は勝ち負けがあって楽しい。手をかけた馬が勝つのはうれしい」という思いを捨てきれず、知人のつてを頼って笠松競馬で調教師の仕事を再開した。
 だが、笠松競馬も存続が楽観できる状況ではない。法理さんは「騎手や調教師など競馬にはかかわる人が多いので、経営の効率は悪いかもしれない」としながらも、「その分、たくさんの思いが込められている」と笠松競馬で働く約800人の思いを代弁する。
 吉井友彦騎手(27)は01年、岩手競馬でデビューした。しかし、乗馬機会に恵まれず、辞職して会社勤めや焼き肉店の店員をした。
 だが、テレビで競馬を見ると「馬上からの風景は違った」と、レースへの思いが募った。笠松競馬で厩務員を1年務め、騎手免許を取得し直して08年1月再デビュー。今年10月に重賞で初勝利し、今月22日には岩手時代を含めて通算100勝を果たすなど、順調に勝ち鞍(くら)を重ねている。
 「チャンスを与えてくれた笠松で馬に乗り続けたい」。吉井さんは笠松競馬の運営継続を望む。
 赤字転落が懸念される笠松競馬を運営する県地方競馬組合の最大構成団体・岐阜県は、税金投入に否定的。状況が改善しなければ廃止もやむなしとの立場を崩していない。(毎日新聞)
【写真】馬の頭をなでながら「手をかけた馬が勝つのはうれしい」と話す法理さん

経営検討会議が初会合 岩手競馬

 学識経験者らで組織する「岩手競馬経営の将来方向検討会議」の初会合が26日、盛岡市の盛岡競馬場で開かれた。現状説明に続く意見交換では、多くの委員が新たなファンを開拓していくことの重要性を指摘。これらを踏まえ、次回の会議から具体的な方策について検討していく。
 同日は大学や企業関係者ら委員11人のうち9人が出席。県から達増拓也知事、奥州市から小沢昌記市長らが顔をそろえた。会議の冒頭、達増知事は岩手競馬について、地域に根差した産業であり、雇用の場の提供や本県固有の馬事文化の継承と振興に寄与していることを強調。「地域の資源としての価値も含め幅広い意見、提言を寄せてほしい」と語った。会議の座長に藤井克己岩手大学長を選んだ。
 この後、岩手競馬を取り巻く現状や課題を踏まえ出席者が意見交換。このうち藤井座長や佐々木岳氏(水沢青年会議所理事長)は、レジャーの多様化によるファンの競馬離れや高齢化などを取り上げ「競馬に何を求めるかを含め、次世代のリサーチを行うべき」(佐々木氏)と指摘した。加藤久智氏(IBC岩手放送ラジオ放送部専任部長)は「スターホースも出てきた。これからは常に全国を意識した取り組みが重要」と提言。雨宮敬徳氏(地方競馬全国協会理事)は「長い歴史と伝統からも分かる通り、岩手競馬は『地方競馬の中の地方競馬』。岩手がぐらつくと地方競馬全体がぐらつく」と述べ、存続に向けエールを送った。
 同会議は、中長期的な視点の下で岩手競馬の事業運営の方向を検討するため、県競馬組合を構成する県と奥州、盛岡両市が共同で設置した。12月に開催する次回は課題など論点を整理し、3回目以降は発売額や入場者数の確保をはじめ、低コスト化の構築など将来にわたる経営の安定化に向けた方策について具体的な検討に入る。(岩手日日新聞)

2010年11月26日金曜日

佐賀競馬、2年ぶり単年度赤字に

 佐賀競馬の2009年度決算は、6795万円の赤字となった。08年度は6年ぶりの黒字だったが、公営ギャンブルの不振と景気悪化で発売額が大幅に減少。再び単年度赤字に陥った。積立金は既に底をついており、赤字分は10年度歳入からの繰り上げ充用で補った。
 25日に鳥栖市の佐賀競馬場で開いた県競馬組合(管理者・坂井浩毅副知事)の定例議会で認定した。
 歳入は119億605万円(前年度比7・4%減)、歳出は119億7400万円(同比7%減)。差し引き約6795万円の赤字になった。歳出に前年度繰り上げ充用額1945万円が含まれているため、単年度収支は4850万円の赤字となる。
 勝ち馬投票券の発売額から返還金を除いた売上額は109億5044万円で、前年度に比べ8億3579万円減った。場外発売所を含めた入場者は54万589人で前年から4万2780人減った。(佐賀新聞)

 

 監査報告では06年度に設置した宮崎県の田野場外発売所が、発売額と利用者数とも計画を大幅に下回っていることに触れ、「(田野場外の)廃止を含めて対応策を早急に検討する必要がある」と指摘している。
2010年11月25日更新

佐賀競馬:4850万円の赤字決算を認定--県競馬組合

 佐賀競馬を運営する県競馬組合の定例議会が25日、鳥栖市江島町の同組合で開かれ、約4850万円の赤字となった09年度決算を認定した。08年度は02年度以来6年ぶりの黒字決算だったが、1年で再び赤字に転落した。累積赤字は約6800万円になった。

 09年度の売り上げは約109億5000万円で、前年度の約93%にとどまった。

 直営売り場での売り上げは前年度比約13%減。他の競馬場での売り上げも約1~3割減の一方、インターネットや電話など在宅での馬券販売は前年度比約1・4倍増と好調だった。(毎日新聞)

2010年11月24日水曜日

国産競走馬、中国人の買い付けが急増

 ことし中国の富裕層が買い付けた日本の競争馬は96頭に上っていると、日本軽種馬登録協会(Japan Race Horse Registry)関係者が22日、語った。
 中国人による買い付けがゼロ頭だった前年と比べると大きく伸びている。これらの競走馬は種馬飼育場から販売された。関係者によると、ある中国人は3月に 50頭、10月に28頭を購入した。また、別の中国人ビジネスマンも前月、18頭を合計4700万円で買い付けたという。
 北海道の日高軽種馬農業協同組合の関係者によると、中国の富裕層の間でプライベート競馬がステータスシンボルになっており、友人に競走馬を見せて自慢し、私有地で競馬を楽しんでいるのだという。
 同農協関係者は、馬を買ってくれる中国の顧客には感謝の気持ちがある一方、日本国内の競馬に出場して勝利し、血統の価値を上げる機会が無くなるのは残念だと、複雑な気持ちを語った。
 中国では2008年から競馬が許可されたが、賭博として競馬を行うことは禁じられている。しかし、ドバイのメイダン(Meydan)と上海レースクラブ(Shanghai Race Club)が40億ドル(約3300億円)をかけて建設中の天津ホース・シティ(Tianjin Horse City)など、賭博解禁を期待するデベロッパーによって中国国内の複数の都市で競馬場の建設が着手されている。(AFPBBニュース)

2010年11月19日金曜日

天下り体質を厳しく追及=事業仕分け、最後に面目保つ

 過去の事業仕分け結果を検証する「再仕分け」の最終日では競輪、競馬など公営ギャンブル関連事業で関連団体への天下りの「全廃」を求める厳しい判定が下された。政権交代から1年余りが経過し、今回の仕分けでは政務三役が自らの府省の「省益」を守るため仕分け人に猛然と反発する場面が目立った。しかし、公営ギャンブルによる巨額の収益を天下り法人が牛耳る利権構造には仕分け人も追及の姿勢を示した。
 対象となったのは、農林水産省所管の日本中央競馬会(JRA)と、競輪、競艇関係の補助事業を扱う経済産業省所管のJKA、国土交通省所管の日本船舶振興会。所管府省出身の役員がいるこの3団体から、さらにOBが天下っている別の関連団体にギャンブルの収益を原資とした補助金が流れる構造が「役所の財布」と批判され、過去の仕分けなどで改善を求められていた。
 いずれの団体も役員削減など改善策を実施したが、JRAの場合は役員14人のうち4人が依然として農水省OB。また、今年度に助成した10団体のうち9団体にOBがいるため、仕分け人から「不十分」の声が上がった。
 さらに、仕分け人はJRAの補助事業である映像番組の制作を請け負った団体が破産宣告を受けていたことも指摘した。昨年から始まった事業仕分けには存在意義を問う声も出ているが、最終日で役所の天下り構造を厳しく批判し、一応の面目は保った格好だ。(時事通信)

道営競馬 今季のレース終了 売り上げ、計画の94% 収支均衡の見通し

 【日高】本年度の道営ホッカイドウ競馬141件が18日、門別競馬場(日高管内日高町)で全80日間の日程を終え、閉幕した。総売り上げは前年を2億5300万円下回る112億9200万円で、計画比94・4%にとどまった。

 道は2008年度から10年度まで3カ年で収支均衡の見通しが立たなければ道営競馬の廃止を基本とする方針を打ち出すとともに、今年は門別競馬場の単独開催とするなどコスト削減に努めてきた。

 最終的な収支は、南関東など他レースの馬券販売手数料などを加え確定。道は赤字は出ないと試算しており、高橋はるみ知事は存続を表明している。道は来年度以降に向け新ビジョンを策定中だ。

 道営競馬141件を運営する道軽種馬振興公社理事長の三輪茂日高町長は「景気低迷で地方競馬の売り上げが減少する中で頑張った。来年度も気を引き締めていきたい」と話し、道競馬事業室は「今後、中央競馬との馬券の相互販売などで売り上げ増を図る予定で、引き続き収支改善に努めたい」としている。 (北海道新聞)

2010年11月18日木曜日

特定目的基金取り崩しに知事「慎重」 笠松競馬赤字補てん

 経営難の笠松競馬(羽島郡笠松町)の本年度の赤字補てん策として県地方競馬組合が提示した賞金・手当総額の40%削減案に県馬主会などが反発している問題で、古田肇知事は17日の定例会見で、馬主会などが代替手段として求めた特定目的基金取り崩しについて「現時点では慎重だ」と述べ、あらためて否定的な考えを示した。
 古田知事は、直近の今月12日までの累計でも1日当たりの馬券発売額は前年同期の91・5%にとどまっていることを踏まえ、「いろんな可能性を検討しているが、厳しい状況は続いている。12月13日からの競馬開催前までには補正予算を固めたい」と述べた。
 同基金の残高は4億2千万円あるが、使途を場外馬券発売所シアター恵那整備の借金償還と地方競馬全国協会への上納金に限定、赤字補てんに充てるには基金条例の改正を組合議会に諮る必要がある。古田知事は10月、「赤字補てんに使い切って残った借金は競馬廃止となった場合、税金で負担することになるため、(取り崩しには)慎重にならざるを得ない」と県議会で答弁した。(岐阜新聞)

交流レースで魅力アップへ=さがけいばと荒尾競馬

 「さがけいば」と「荒尾競馬」をそれぞれ運営する佐賀県競馬組合(佐賀県鳥栖市)と荒尾競馬組合(熊本県荒尾市)がタッグを組み、10月末から交流レースを始めた。展開を読みにくくするなど工夫し、レース名に方言を入れる趣向も。厳しい経営を脱すべく、地方競馬の魅力アップを図っている。
 交流レースは「九州スーパースプリントシリーズ」と銘打ち、年度末までに佐賀競馬場で13回、荒尾競馬場で12回開催される。出走馬10頭のうち地元馬は7頭で、3頭が遠征してくる。
 ネックだった馬の輸送費は、地方競馬全国協会が援助することになった。佐賀県競馬組合は「両競馬場はファンを共有している。新しい組み合わせのレースで、展開の分からない面白いものになる」と集客を願う。
 「佐賀やーらしか(かわいい)スプリント」「荒尾とつけむにゃ(とんでもない)スプリント」…。レース名には両地域の方言を入れ、地方競馬らしさを醸し出す。
 馬ごとの能力差を抑え、予想が付きにくくなるように距離は佐賀が900メートル、荒尾が950メートルと短めに設定。10月30日の「佐賀がばいスプリント」では8番人気の馬が優勝した。
 景気低迷などにより、地方競馬の経営は厳しさを増す一方だ。累計赤字は佐賀で6800万円、荒尾は14億円に上る。両組合は「ここで何とか収益アップを」と、交流レースが起爆剤となることを期待している。(時事ドットコム)

2010年11月17日水曜日

岩手競馬、来季も存続 達増知事認識示す

 達増知事は15日の定例会見で、今季の岩手競馬について「コスト調整は順調だ。将来を見て地に足の着いた議論ができる環境にある」と述べ、収支均衡を達成し来季も事業継続できるとの認識を示した。

 今季の発売額(4月3日〜11月8日)は148億5800万円で計画を0・8%上回っている。しかし、前年度比は6・5%減少しており、ぎりぎりの経営が続いている。

 岩手競馬は2007年度から、赤字なら廃止の存廃基準を設け毎年、発売額が減少するたびにコスト調整で黒字化を図ってきた。

 達増知事は「過去3年間と比べ、特にうまく進んでいないことはない」と黒字化の見通しを述べた。

 また、26日に初会合を開く外部の有識者会議については「存廃の極端な議論ではなく、競馬経営をよりよく行うための議論をしてほしい」と安定経営に向けた検討を期待した。

 一方、同日の県議会議案等説明会では、有識者会議について「競馬に精通した人選ではなく、目的が不明確だ」などの意見が出た。

 県などの構成団体は、有識者会議を来年5月まで開催し、発売額の確保策や低コスト構造策などの提言を受ける方針。(岩手日報)

荒尾競馬の会計手法改善 官庁型から企業型へ

 荒尾市は15日、約14億円の累積赤字を抱え、存廃問題が浮上している荒尾競馬の経営状況をより正確に把握するため、会計手法を従来の官庁型から企業型の「公営企業会計」に切り替える方針を明らかにした。正確なコストの把握による採算管理や、現金以外の資産・負債を個別に評価できる点に特徴がある。仮に競馬が廃止になった場合は破産処理に必要な資金調達面でメリットがあり、危機管理の側面もある。22日開会の市議会12月定例会に競馬組合の規約変更案を提案する。

 市によると、官庁会計では歳入と歳出でしか経営状況を把握できないが、公営企業会計では土地・建物や場内の大型モニターなども査定され、実態を総合的に知ることができるという。

 また県市町村総室によると、公営企業会計を採用していれば、仮に競馬事業が行き詰まった場合、10年償還の地方債「第三セクター等改革推進債」(三セク債)を活用できる可能性があるという。三セク債は2013年度までの時限措置だが、低金利で資金を調達できるため市の財政への影響を小さくできる可能性があるという。

 市は、有識者でつくる「荒尾競馬あり方検討会」が昨年10月にまとめた提言書に基づき、経営の透明性を高める目的で、会計方式の切り替えの準備を進めてきた。競馬組合の構成員である県も、同様の議案を30日開会の県議会定例会に提案する予定。

 両議会の議決を経て、総務省が許可すれば、来年2月ごろ切り替えが完了、同8月には新たな会計手法による財務状況を公表するという。

 荒尾市は「経営状況の透明化を図り、改善点をはっきりさせた上で立て直しに向けた取り組みを強化するのが第一の狙い。万一の場合に備えての危機管理の側面はあるが、荒尾競馬の廃止を見据えて適用を決めた訳では決してない」としている。(西日本新聞)

荒尾競馬 12月議会に規約改正案

 荒尾市は、多額の累積赤字を抱える荒尾競馬組合の会計方式を、従来の官庁会計から公営企業会計に切り替える方針を決め、22日開会の12月定例議会に競馬組合規約の改正案を提案する。経営状況の透明化を図り、資産、負債を明確化することで市民への説明責任を果たす考え。

  この一部事務組合を市と構成している県も、同じ議案を県議会に提案する見込み。市は議案が可決されれば、総務省の認可を経て来年2月から適用したいという。

  市によると、官庁会計は単年度収支は把握できるものの、中長期的な財政状況が見えにくい。公営企業会計に移行すれば、貸借対照表や損益計算書を作り、土地・建物などの資産や負債などの評価も加えることになる。

  また公営企業会計によって、競馬事業を廃止・整理する際に第三セクター等改革推進債(三セク債)の発行が可能になるという。「荒尾競馬あり方検討会」は昨秋、約14億円の累積赤字がある同競馬の存廃について、2011年度までの収支状況を勘案して判断するのが妥当との提言書を出している。

  市の山崎史郎総務部長は「公営企業会計への切り替えは財政を透明化し、市民に資産公開するもので、廃止を見据えたものではない」と話している。(朝日新聞)

2010年11月13日土曜日

「賞金・手当削減応じず」 笠松競馬、馬主会が要望書

◆県組合の提示案、協議難航
 存廃が議論されている笠松競馬49件(羽島郡笠松町)の本年度の赤字を埋め合わせるため、県地方競馬組合が賞金と手当の4割削減を関係者に提示している問題で、県馬主会は12日、削減には応じられないなどとする内容の要望書を同組合に提出した。削減案をめぐり同組合は、県調騎会、県厩務(きゅうむ)員共済会などとも協議しているが、反発は大きく、調整は難航している。
 県馬主会は同日理事会を開き、要望をまとめた。要望は、賞金・手当は既に最低ラインまで削減されており、場外馬券場「シアター恵那」整備費償還の基金などを取り崩して、赤字補てんに充てるよう求める内容。安田敏雄会長は「関係者は現状でも苦しい生活を強いられており、削減の割合の問題ではない。緊急対策として、基金を崩すほかはない」と話している。
 同組合は、8日に開いた運営推進協議会で、本年度の収支均衡策として、レース賞金や出走手当を12月から来年3月まで、4割削減する案を提示。関係者と協議し、今月末以降に開かれる競馬49件組合議会に補正予算案を提出する方針。関係団体は11日以降、会合や説明会を開いているが「レースが成立しなくなる」「基金を崩して危機を乗り越え、振興策を考えるべき」などの声が上がっている。
 古田肇知事は、税金による赤字補てんや、財政調整基金以外の基金の取り崩しには否定的な考えを示している。(岐阜新聞)

笠松競馬:存廃を巡って揺れる 行政と現場にすれ違い

 名馬オグリキャップを生んだ「笠松競馬」(岐阜県笠松町)が財政難に陥り、存廃を巡って揺れている。運営する岐阜県地方競馬組合は、赤字転落回避のため、賞金・出走手当の最大4割カットを含む支出削減案を示したが、調教師ら現場関係者は猛反発している。公営ギャンブルは「自治体の財源」でしかないのか、それとも「スポーツ・文化」なのか--。行政と現場のすれ違いが根底に横たわっている。
 「のめる数字ではない」。今月8日の会議で、県地方競馬組合が示した支出削減案に県厩務(きゅうむ)員共済会の中村弘会長が大きな不満を示した。県調騎会の後藤保会長も「これ以上賞金・手当を削られたら、馬主が馬を置いてくれなくなる」と難色を示した。
 財政難にあえぐ笠松競馬は、過去に累積赤字を出したことはない。しかし、今年度は売上額が過去最低の108億円まで落ち込む可能性があり、組合の財政調整基金がついに底をつく状況に追い込まれている。
 組合の最大構成団体である岐阜県は、施設整備の借金返済用に積み立てた基金の取り崩しや県予算の投入には否定的だ。古田肇知事は「笠松競馬の廃止ありきではなく、存続の道を探りたい」と言う。だが、県幹部は「公営ギャンブルは本来、自治体の財政を助けるための存在。県費で維持するのは本末転倒だ」と漏らす。
 一方、後藤・県調騎会会長の妻で、調教師らの家族で作る「愛馬会」代表の後藤美千代さん(56)は「競馬は生き物を通じて感動を見せてくれるスポーツ。文化でもある」と訴える。笠松競馬には多数の名馬、名騎手を生んだ歴史と知名度がある。美千代さんは「財政に貢献できなくなったから、手も差し伸べないなんて」と嘆く。
 組合は今月から、競馬場周辺の住民を招待する体験イベントを始めた。10日のイベントで初めて馬券を買った岐阜市の主婦(56)は、予想した馬が追い上げると歓声を上げた。「追い上げる馬がかっこよかった」「当たると楽しい」と友人(54)と興奮気味に話していた。
 元県職員でかつては競馬と無縁だった朝倉芳夫・組合管理者代行は「笠松競馬の娯楽としての魅力や、観光・地域資源としての価値を広く伝えることが存続のカギを握る。きっかけがないと競馬の面白さは分からない。皆が残したいと思うようにするしかない」と話している。(毎日新聞)

2010年11月11日木曜日

笠松競馬収支改善案、知事が意欲

 古田肇知事は10日の定例記者会見で、笠松競馬の運営推進協議会で提案したレース賞金や騎手らの手当ての4割削減を柱とした収支改善案について、「12月の(レース)開催に間に合わせるためには、今月いっぱいには補正予算案としてまとめたい」と意欲を示した。

 賞金などの4割削減案については、8日開かれた同協議会で、馬主や調教師、きゅう務員らから「到底、受け入れられる額でない」などと反発の声が上がっている。

 古田知事は、馬主らと個々に協議を進め、妥結を急ぐ考えで、「対策が遅れれば遅れるほど、事態は厳しくなる」と説明した。(読売新聞)

金沢競馬 存続へ “本命”の振興策なし


止まらぬ入場者減 評価委 『長い目で判断』

 二〇一一年度以降も存続される見通しが濃厚となった金沢競馬。しかし、このまま売り上げの減少が続けば、競馬事業の赤字に補てんできる基金が枯渇するなど問題は山積している。金沢競馬の関係者は、具体的な振興策がないまま事業が継続できるのかと、不安をのぞかせた。

 県庁で十日開かれた第四回金沢競馬経営評価委員会。県競馬事業局は、一〇年度現在で県と金沢市合わせて約二十四億円の基金があることを報告した。一方、毎年7%の収益減が続いている現状で、事業を廃止した場合に競馬関係者に支払う補償金六億〜十二億円を見込めば、三年後の一三年度に基金が枯渇することも明らかにした。

 委員会ではまた、同競馬の関係者らに対する意見聴取も行われた。席上、調教師や騎手でつくる「県調騎会」は、県に対して競馬専門の職員を養成することや、競馬開催を現在の四月から三月に早めるなどの振興策を提案した。
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 委員会に出席した同会の田嶋弘幸会長は存続の可能性が見えたことに「具体的な振興策が何もない。素直には喜べない」と複雑な心境をのぞかせた。

 県競馬事業局は、経営改善計画期間だった〇七〜〇九年度の三カ年で人件費や経費の削減などに取り組み、最初の二年間は黒字化とした。一方で、自場での馬券発売額の落ち込みには歯止めがかからず、入場者も年々減少している。

 新たな振興策として、現在開発が進んでいる日本中央競馬会(JRA)との共同馬券新システムや南関東地区の在宅投票システム「SPAT4」へ参入する計画もあるが、実現は早くて二年後。こういった取り組みを含め、委員会は「経営改善の余地はある」とし、今後は「(存廃判断は)五〜六年の長い期間で見た方が良いのでは」といった声もあった。(中日新聞)

2010年11月10日水曜日

のぼりを手に街頭PR ホッカイドウ競馬 日高で商工業者

【日高】町内の商工業者らでつくる「ホッカイドウ競馬を応援する会」(半田邦雄会長)は8日、国道235号と237号の交差点(富川北1)で街頭PRを行った。
 18日に本年度の最終日を迎える同競馬の宣伝などが目的。同会や町内の各種団体から合わせて約40人が集まった。参加者は赤と黄で遠目にも目立つ、同競馬ののぼりを手にして交差点の沿道に一列に並び、ドライバーにアピールした。
 半田会長は「ホッカイドウ競馬の存続が決まったのは多くの人のおかげ。感謝の気持ちも込めて街頭に立った。最後まで、盛り上げていきたい」と話した。(北海道新聞)

240勝 年間最多勝 新記録 佐賀競馬の山口騎手


 佐賀競馬(鳥栖市江島町)所属の山口勲騎手(40)=山下清厩舎、佐賀市出身=が6日、同競馬場で開かれた第4レース(ダート、1400メートル)で1着となり、今年の勝利数を240とした。鮫島克也騎手が2000年に記録した239勝を超え、年間最多勝記録を更新した。
 山口騎手は1987年10月、ヒロインヒゴ号に初騎乗。同年11月の8戦目で初勝利を挙げた。2006年に初の同競馬リーディングジョッキーに輝くと、09年まで4年連続でタイトルを保持。今年も(10月31日現在)2位に161勝差をつけて、最多勝利数を挙げている。8月28日にはアサフジセント号に騎乗し通算2500勝を達成した。
 記録更新したレースは、1番人気のマイコハン号に騎乗。スタート直後に先頭に立つと、ゴール前直線で他馬の激しい追い上げをかわした。山口騎手は「昨年も記録更新のチャンスがあったができなかったので、今年更新ができてよかった。今後も無事に一つ一つを大事に騎乗していきたい」と話した。(西日本新聞)
【写真】年間最多勝記録を更新した山口勲騎手

2010年11月9日火曜日

岐阜・笠松競馬:組合が賞金4割減を提案 馬主らは反発 

 財政難で存廃が議論されている笠松競馬(岐阜県笠松町)を運営する県地方競馬組合は8日、調教師や馬主ら関係者が集まる運営推進協議会で、今年度末までに支出を最大約2億5000万円削減する案を示した。賞金と出走手当の最大4割カットを提案したが、調教師や馬主の収入減に直結し、レースの質低下につながる恐れもあるとして、出席者からは反対意見も出た。
 組合によると、猛暑の影響などで、10月末までの今年度の1日当たりの馬券販売額は前年度比91.7%まで落ち込み、年間売り上げは最悪で過去最低の108億円となる恐れがある。
 レースの経費が年度当初の見込みより膨らんでおり、今年度の赤字は最大3億1500万円に及ぶと試算した。
 一方、県は県費や借金返済のための組合の基金の投入には否定的で、現時点で赤字補てんに使えるのは組合の財政調整基金の約6600万円しかない。そこで組合は、12月から4カ月間、現在1レース当たり計約104万円の賞金と出走手当を最大で4割減らすことを提案した。
 2011年度も賞金・出走手当を1~3割カットし、開催日数を6日削るなどして最大3億8600万円の支出を削り、収支を均衡させる考えを示した。
 出席した馬主らからは「賞金や出走手当以外から削減する方法を考えてほしい」などの反論が出た。
 この日は結論は出ず、近く協議会を改めて開いて話し合う予定

笠松競馬の賞金「来月から削減」 運営推進協に再建案提示

 存廃問題で揺れる岐阜県笠松町の笠松競馬を運営する県地方競馬組合は8日、上位の馬へのレース賞金や、出走馬などに支払われる手当を12月から4カ月間、最大で4割削減することを柱とする再建案を、有識者を交えた運営推進協議会に提示した。

 再建案は売り上げを2010年度は2通り、11年度は3通り想定し、それぞれの赤字額を試算。補てんに必要な対策を提案した。

 10年度は売り上げが108億円となった場合を最悪と想定し、3億1500万円の赤字が出ると試算。12月からの4カ月間、350レースを対象に4割の賞金・手当を削減すると、1億4600万円を補てんに充てられるとする。

 事務事業の見直しによる歳出削減と、新たな場外発売による売り上げ向上を組み合わせて1億1800万円を捻出(ねんしゅつ)する緊急対策も提示。不足分4900万円は財政調整基金で埋める。

 11年度は、馬券発売額がさらに1割減った場合に4億6000万円の赤字が出ることを最悪と想定。年間レース数(1025レース)はそのままで、開催日を6日削減することで経費を2400万円削減するほか、賞金減を継続することなどで乗り切るとした。

 また、古田肇知事は場外馬券場の「シアター恵那」(同県恵那市)を売却する意向を明らかにした。

 再建案は今後、競馬場関係者との協議を経て内容を詰め、予算化した上で、11月末以降に開かれる県議や地元町議でつくる競馬組合議会で決定される。

 協議会の委員からは賞金削減への懸念や歳入拡大に向けた対策を求める声が相次ぎ、古田知事は「最悪のシナリオを考えて乗り越えないといけない。やれることは全部やる」と述べ、競馬議会までに協議会を再度開き、改善策を説明する考えを示した。(中日新聞)

笠松競馬「賞金・手当4割削減」 廃止回避へ県組合提案


◆本年度赤字は想定の3倍、3億円前後見込む

 県地方競馬組合は8日、笠松競馬(羽島郡笠松町)の上半期の収支実績に基づく本年度の決算見通しは、これまでの想定の3倍近い3億円前後の赤字で、競馬廃止を回避するにはレースの賞金と馬主や騎手らへの手当の総額を12月から来年3月までの4カ月間、40%削減することが必要だ、と関係者に提案した。
 同日の笠松競馬運営推進協議会で示した。古田肇知事は赤字の補てんに税金を投入しない考えを表明しており、組合は補てんに使える財政調整基金6600万円の範囲内で収支を保つには大幅な経費削減が必要と判断した。
 協議会に出席した古田知事は「急速に馬券販売が落ち込む中、競馬を守るために最悪のシナリオを考えてどう乗り越えるか、ぎりぎりのシナリオを検討する必要がある」と理解を求め、関係者と調整できれば今月末にも開く組合議会に提出する補正予算案に反映する考えを明らかにした。
 これまでは馬券発売額をもとに、本年度収支を1億円〜1億1700万円の赤字と見込んでいたが、ほかの競馬場の馬券を発売することで入る受託収入が予算より7900万円(13%)落ち込む見通しであるなど、ほかの要素も加味して試算。
 その結果、馬券発売額が10月末までの1日当たり前年同期比8.3%減のまま推移すると赤字は2億8500万円に、最悪のケースの同10%減だと赤字は3億1500万円に膨らむと見通した。
 賞金・手当の総額は本年度予算で10億7000万円を占め、開催経費の中では馬券の払戻金に次ぐ規模。4カ月間、40%削減することで1億4600万円をねん出できるという。
 組合は、馬券発売額が本年度を下回ると想定した場合、来年度も収支は3億500万円〜4億6600万円の赤字が見込まれるとして、賞金・手当は12〜28%のカットを続けることが必要と指摘。経費削減のためレース数は維持しつつ、競馬の開催日数を本年度の101日から来年度は95日に減らすことも提案した。
 賞金・手当の総額(決算ベース)は、2003(平成15)年度は19億2000万円あったが、存廃論議が浮上したことで05年度は10億8000万円に減少するなど、すでに4割以上削っていた。その後も回復していない。
 県は同日、笠松競馬の地域貢献度として10月時点で、952人の雇用と年間99億4300万円の経済波及効果がある、とする試算も示した。(岐阜新聞)
写真:笠松競馬運営推進協議会の冒頭、あいさつする古田肇知事=8日午後、羽島郡笠松町役場

2010年11月6日土曜日

笠松競馬、4割賞金削減案 8日提出

 岐阜県笠松町の笠松競馬の存廃問題で、競馬を主催する県地方競馬組合は、赤字を埋めるため、売り上げに応じて来年1月から3カ月間、レース賞金を最大で4割削減する再建案を固めた。8日に馬主や調教師らで組織する運営推進協議会に、ほかの案とともに提出する。内容が厳しいだけに反発も予想される。

 再建案では2010、11年度の売り上げを3段階で想定、それぞれ赤字額を試算。補てんに使える基金(09年度末現在で6600万円)以外は充てない条件で、収支均衡の方策を検討した。

 10年度の場合、最低の売り上げを前年度比9%減の108億円と想定。その場合、1〜3月の賞金の4割削減が必要と判断した。11年度は開催日数を減らし、経費を削ることなどを提案する。

 同競馬場の10年度の開催日は101日で、平均で1日10レースを実施。賞金はレースによって異なるが、1位から4、5位までに500万円から1万2千円が支払われている。

 8日の協議会では組合の提案のほか、経費削減案を募る。その後、再建案を競馬関係者と調整し、12月ごろに開催予定の組合議会に提出する。

 組合は9月の協議会で10年度は1億1700万円の赤字になる見通しを示している。岐阜県の古田肇知事は税金投入を否定し、廃止も視野に検討する考えを示している。(中日新聞)

金沢競馬収支予測 現状なら赤字拡大 経営評価委

 赤字経営が続く金沢競馬の存廃を協議する「金沢競馬経営評価委員会」が4日、県庁で開かれ、2011年度から13年度までの収支予測が示された。

 現状で推移した場合、11年度の単年度収支は3億2200万円の赤字となり、赤字額は12年度には4億7600万円、13年度には6億1600万円に拡大する。開催経費を切り詰め、収支均衡を目指した場合、11年度は5900万円の赤字となるが、12年度は1900万円の黒字、13年度は200万円の黒字になるという。会合では、11年度から17年度にかけて競馬場施設の大規模改修が行われるため、単年度平均1億2900万円の歳出が見込まれることも報告された。(読売新聞)

2010年11月5日金曜日

金沢競馬の収入、今後も落ち込み続く 経営評価委が予測

 金沢競馬の経営状況を検証する経営評価委員会が4日、県庁で開かれた。大規模な施設改修費として2017年までに計9億円が必要な一方、今後も収入の落ち込みが続く見込みが示された。

 委員会では収入減少が現状のまま推移した場合や、下落幅が小さくなる場合など3パターンの収支予測を作成。単年度収支の赤字は、今年度の約6千万円から11年度で最大約3億2千万円、13年度には約6億1千万円まで膨らむ可能性もあるとした。一方、収益の減少幅が少なく、約2億5500万円の経費削減を見込めば、13年度には200万円の黒字に転換できると予測したが、具体的な節減項目は示さなかった。

 委員会は今後、調教師など競馬関係者を招いて意見聴取し、金沢競馬の存廃の議論を進める予定。(朝日新聞)

2010年11月4日木曜日

厩舎見学し馬と触れ合い


 福山競馬の調教師と騎手でつくる広島県調騎会は3日、福山市千代田町の福山競馬場で、厩舎(きゅうしゃ)を案内する見学会を開いた。

 公募で選ばれた競馬ファンら12人が、馬用の小屋や運動場を見学した。案内を務めた徳本慶一調教師は「レース1週間前から飼料を減らす。馬は飼料の量でレースが近いことを理解する」などと説明した。参加者はバナナを与え、触って馬との交流を楽しんでいた。

 騎手と馬との記念撮影などもあった。競馬場を初めて訪れた尾道市門田町、尾道大4年市場隆介君(22)は「筋肉の硬さに驚いた。次は走る姿を見に来たい」と話していた。

 厩舎内の一般公開は初めて。福山競馬場は累積赤字が約20億円に上り、存続の危機にある。競馬場への関心を高め、来場者増につなげるために企画した。(中国新聞)

【写真説明】競走馬と触れ合う参加者

2010年11月3日水曜日

福山競馬 改善厳しく 上半期赤字6448万円 広島

 福山競馬の今年度上半期決算(4〜9月)は基金の繰り入れを除く実質的な収支が6448万円の赤字だったことが2日、同市会競馬事業特別委員会で明らかになった。前年同期比では大幅に改善されたものの依然、厳しい経営状況が続いている。

 市競馬事務局によると、第2四半期(7月3日〜9月26日の21日間開催)決算は収益20億1570万円、費用20億2942万円で、差し引き1372万円の赤字。基金からの繰り入れ1912万円を除いた実質赤字は3284万円だった。

 第1四半期(4〜6月)決算が実質3164万円の赤字だったため、上半期の実質的な赤字は6448万円に膨らんだ。ただ、前年度上半期(実質1億2683万円の赤字)に比べると大幅に改善されている。

 これは、騎手らの手当や賞金などの「賞典奨励費」の見直しが要因。10月からさらに5〜10%(総額約1100万円)削減しているが、下半期の見通しについて市は「状況は非常に厳しい」としている。(産経新聞)

岩手競馬の支援検討 県調査特別委

 県競馬組合調査特別委員会(委員長・千葉伝県議)は2日、県議会で開かれた。地方競馬全国協会の雨宮敬徳理事が講演し、2011、12年度に岩手競馬を含む地方競馬への新たな財政支援策を検討していることを明らかにした。約70億円の基金を活用する方向で、経営難に苦しむ地方競馬を後押しする。

 県議と盛岡、奥州市議の委員10人が出席。雨宮氏は地方競馬の収支状況などを説明した。09年度は主催者別で5団体が黒字、11団体が赤字を計上するなど多くが存廃の危機に立たされている。

 雨宮氏は「来年、再来年が存廃判断の年になる。地方競馬継続のために、できる限りの支援を考えている」と明言。競走馬の薬物検査料やシステム費など、競馬事業に必要な経費の補助などを検討する。

 12年度から始まる日本中央競馬会(JRA)と地方競馬の馬券相互発売については「地方競馬の6倍の会員がおり、商圏が広がる」と増収に期待感を示した。

 委員からは地方競馬の将来見通しや、地方競馬全国協会と地方競馬の連携強化などを求める意見が出た。(岩手日報)