財政難で存廃が議論されている笠松競馬(岐阜県笠松町)を運営する県地方競馬組合は8日、調教師や馬主ら関係者が集まる運営推進協議会で、今年度末までに支出を最大約2億5000万円削減する案を示した。賞金と出走手当の最大4割カットを提案したが、調教師や馬主の収入減に直結し、レースの質低下につながる恐れもあるとして、出席者からは反対意見も出た。
組合によると、猛暑の影響などで、10月末までの今年度の1日当たりの馬券販売額は前年度比91.7%まで落ち込み、年間売り上げは最悪で過去最低の108億円となる恐れがある。
レースの経費が年度当初の見込みより膨らんでおり、今年度の赤字は最大3億1500万円に及ぶと試算した。
一方、県は県費や借金返済のための組合の基金の投入には否定的で、現時点で赤字補てんに使えるのは組合の財政調整基金の約6600万円しかない。そこで組合は、12月から4カ月間、現在1レース当たり計約104万円の賞金と出走手当を最大で4割減らすことを提案した。
2011年度も賞金・出走手当を1~3割カットし、開催日数を6日削るなどして最大3億8600万円の支出を削り、収支を均衡させる考えを示した。
出席した馬主らからは「賞金や出走手当以外から削減する方法を考えてほしい」などの反論が出た。
この日は結論は出ず、近く協議会を改めて開いて話し合う予定