2010年11月27日土曜日

経営検討会議が初会合 岩手競馬

 学識経験者らで組織する「岩手競馬経営の将来方向検討会議」の初会合が26日、盛岡市の盛岡競馬場で開かれた。現状説明に続く意見交換では、多くの委員が新たなファンを開拓していくことの重要性を指摘。これらを踏まえ、次回の会議から具体的な方策について検討していく。
 同日は大学や企業関係者ら委員11人のうち9人が出席。県から達増拓也知事、奥州市から小沢昌記市長らが顔をそろえた。会議の冒頭、達増知事は岩手競馬について、地域に根差した産業であり、雇用の場の提供や本県固有の馬事文化の継承と振興に寄与していることを強調。「地域の資源としての価値も含め幅広い意見、提言を寄せてほしい」と語った。会議の座長に藤井克己岩手大学長を選んだ。
 この後、岩手競馬を取り巻く現状や課題を踏まえ出席者が意見交換。このうち藤井座長や佐々木岳氏(水沢青年会議所理事長)は、レジャーの多様化によるファンの競馬離れや高齢化などを取り上げ「競馬に何を求めるかを含め、次世代のリサーチを行うべき」(佐々木氏)と指摘した。加藤久智氏(IBC岩手放送ラジオ放送部専任部長)は「スターホースも出てきた。これからは常に全国を意識した取り組みが重要」と提言。雨宮敬徳氏(地方競馬全国協会理事)は「長い歴史と伝統からも分かる通り、岩手競馬は『地方競馬の中の地方競馬』。岩手がぐらつくと地方競馬全体がぐらつく」と述べ、存続に向けエールを送った。
 同会議は、中長期的な視点の下で岩手競馬の事業運営の方向を検討するため、県競馬組合を構成する県と奥州、盛岡両市が共同で設置した。12月に開催する次回は課題など論点を整理し、3回目以降は発売額や入場者数の確保をはじめ、低コスト化の構築など将来にわたる経営の安定化に向けた方策について具体的な検討に入る。(岩手日日新聞)