岐阜県笠松町の笠松競馬の存廃問題で、経費削減のために賞金・手当の4割カットを提示していた主催者の県地方競馬組合が27日、カット率を緩和する方針を固め、馬主や調教師らを集めた会合で伝えた。具体的なカット率は近く示す。県が慎重な姿勢を示している関連基金の取り崩しも検討する。
笠松競馬は本年度、上半期の売り上げ減が響き赤字になる見通しで、組合は8日に経費削減を柱とする再建案を提示。賞金・手当を12月から4カ月間、4割削減し、1億4千万円を捻出するとしていた。
再建案は、同県恵那市の場外馬券売り場「シアター恵那」の建設費返済の積立基金など約4億5千万円を赤字補てんに充てないことが前提だった。だが、馬主らは「生活できない」と訴え、基金の取り崩しを求めていた。
会合後、組合管理者の広江正明笠松町長は「方針は理解してもらえたはず。基金をどの程度崩せるか、できる範囲で対応を考えたい」、県馬主会の安田敏雄会長は「競馬を続けていく組合側の思いを感じた。これで折り合いがつくだろう」と話した。(中日新聞)