存廃問題で揺れる岐阜県笠松町の笠松競馬を運営する県地方競馬組合は8日、上位の馬へのレース賞金や、出走馬などに支払われる手当を12月から4カ月間、最大で4割削減することを柱とする再建案を、有識者を交えた運営推進協議会に提示した。
再建案は売り上げを2010年度は2通り、11年度は3通り想定し、それぞれの赤字額を試算。補てんに必要な対策を提案した。
10年度は売り上げが108億円となった場合を最悪と想定し、3億1500万円の赤字が出ると試算。12月からの4カ月間、350レースを対象に4割の賞金・手当を削減すると、1億4600万円を補てんに充てられるとする。
事務事業の見直しによる歳出削減と、新たな場外発売による売り上げ向上を組み合わせて1億1800万円を捻出(ねんしゅつ)する緊急対策も提示。不足分4900万円は財政調整基金で埋める。
11年度は、馬券発売額がさらに1割減った場合に4億6000万円の赤字が出ることを最悪と想定。年間レース数(1025レース)はそのままで、開催日を6日削減することで経費を2400万円削減するほか、賞金減を継続することなどで乗り切るとした。
また、古田肇知事は場外馬券場の「シアター恵那」(同県恵那市)を売却する意向を明らかにした。
再建案は今後、競馬場関係者との協議を経て内容を詰め、予算化した上で、11月末以降に開かれる県議や地元町議でつくる競馬組合議会で決定される。
協議会の委員からは賞金削減への懸念や歳入拡大に向けた対策を求める声が相次ぎ、古田知事は「最悪のシナリオを考えて乗り越えないといけない。やれることは全部やる」と述べ、競馬議会までに協議会を再度開き、改善策を説明する考えを示した。(中日新聞)