「さがけいば」と「荒尾競馬」をそれぞれ運営する佐賀県競馬組合(佐賀県鳥栖市)と荒尾競馬組合(熊本県荒尾市)がタッグを組み、10月末から交流レースを始めた。展開を読みにくくするなど工夫し、レース名に方言を入れる趣向も。厳しい経営を脱すべく、地方競馬の魅力アップを図っている。
交流レースは「九州スーパースプリントシリーズ」と銘打ち、年度末までに佐賀競馬場で13回、荒尾競馬場で12回開催される。出走馬10頭のうち地元馬は7頭で、3頭が遠征してくる。
ネックだった馬の輸送費は、地方競馬全国協会が援助することになった。佐賀県競馬組合は「両競馬場はファンを共有している。新しい組み合わせのレースで、展開の分からない面白いものになる」と集客を願う。
「佐賀やーらしか(かわいい)スプリント」「荒尾とつけむにゃ(とんでもない)スプリント」…。レース名には両地域の方言を入れ、地方競馬らしさを醸し出す。
馬ごとの能力差を抑え、予想が付きにくくなるように距離は佐賀が900メートル、荒尾が950メートルと短めに設定。10月30日の「佐賀がばいスプリント」では8番人気の馬が優勝した。
景気低迷などにより、地方競馬の経営は厳しさを増す一方だ。累計赤字は佐賀で6800万円、荒尾は14億円に上る。両組合は「ここで何とか収益アップを」と、交流レースが起爆剤となることを期待している。(時事ドットコム)