2013年10月1日火曜日

福山競馬場閉鎖から半年 関係者4割求職続く

閉鎖されてから半年が経過し、
閑散とする福山競馬場の厩舎跡(福山市千代田町で)
 福山競馬場(福山市千代田町)が3月末に幕を下ろしてから、半年が経過した。新天地で奮闘する騎手らの一方、関係者109人の4割が今も求職活動中だ。約15ヘクタールに及ぶ跡地の利用法も、市民の関心を集める。競馬場閉鎖から6か月の現状を追った。 (大森篤志)
 閉鎖前は早朝から、競走馬が行き交い活気にあふれていた同競馬場。馬や厩務(きゅうむ)員らは去り、解体が目前に迫った厩舎一帯は静かだ。
 佐賀競馬場(佐賀県鳥栖市)に移籍した渡辺博文騎手(47)は、この半年に310回騎乗し、26勝を挙げた(30日現在)。福山の元騎手仲間が毎月応援に来るという。しかし毎日午前3時に起き、調教やトレーニングに忙しく、「目の前のレースに集中していて、福山がなくなった寂しさはない」と言い切る。
 市によると、昨年12月以降、8月15日までに延べ700人から再就職や転居の相談があった。在籍していた109人で再就職希望者は100人。このうち59人が他の競馬場などに仕事を見つけた。市競馬対策室は「今後もハローワークと連携して支援したい」とする。
 馬約300頭の搬出は5月に終わり、場内の宿舎に住んでいた関係者は7月末までに全員が転居。駐車場3か所も地権者に返還した。市は厩舎の解体費用3億1800万円を今年度9月補正予算に計上。来年3月末までに解体し、来年度以降は鉄筋コンクリート製の競馬事務局や観戦スタンドの撤去に取りかかる。
 後処理が進む中、今も廃止に納得できない関係者もいる。元調教師の60代男性は「存続のために、市は現場の人間ともっと対話すべきだった」と不信感を拭えない。男性は市内の公園管理の職を見つけ4月から働いている。仕事には慣れたが、「もう少し好きな馬と働きたかった」と漏らした。
 一方、跡地については、市中心部に今後、この規模の空き地が出る可能性はほとんどないため、動向に注目が集まる。
 9月定例会見で、羽田皓市長は「スポーツ施設や公園も選択肢の一つ。多くの市民が利用できる場にしたい」との考えを示した。
 市は民間企業と協力し、来年3月までに策定する基本構想へ市民の意見を反映させるため、8月末に市民代表ら約20人の懇話会を設置。10月中旬までに市民3000人にアンケートも実施する。

 市議会にも跡地利用を検討する特別委が設けられており、市は「幅広い意見を聞いて、多くの人が納得できる基本構想をまとめたい」としている。(読売新聞)