2009年5月30日土曜日

ボートピア建設計画:笠松競馬に影響も

 岐南町の施設運営会社、イレブンナインが29日、同町上印食の店舗駐車場に競艇場外舟券売場(ボートピア)を建設する計画について、地元自治会に資料を回覧した。競艇場外舟券売場は国土交通省の許可で建設できるが、許可には地元の首長、議会や地元自治会の同意が必要。このため、イレブン社は来月5日には、まず地元自治会の住民約100戸に対し説明会を開くという。
地元住民によると、イレブン社は、昨年から地権者などを中心に話を進めていたという。計画によると、舟券販売場は、2階もしくは3階建ての延べ4500平方メートルの建物で、約1万4000平方メートルの駐車場も隣接させる。1日1900人の来場者と、年間100億円の売り上げを見込んでいる。売り上げの1%は、環境整備費として岐南町に交付するという。
 地元の上印食南自治会の中里耕治会長は「舟券売り場が治安に与える影響は未知数だ。説明会後に住民とじっくり話し合いたい」と話している。岐南町は「町には、まだ話が来ていないので分からない」としている。
 舟券売り場の建設予定地は、笠松町の笠松競馬場、岐阜市の岐阜競輪場にいずれも約2・5キロの距離にあるため、苦しい経営が続く県内の他の公営事業の経営に影響を与える可能性もある。
 イレブン社の業務を支援している岐阜市の建設会社、デミスは「競馬や競輪とはファン層が違うので、集客などにお互いに影響を与えることはない」と説明している。これに対し、笠松町の広江正明町長は「笠松競馬に影響がないとは言い切れず、危惧(きぐ)している。岐南町は笠松競馬を運営する県地方競馬組合の構成団体。実際に建設するには、競馬関係者への説明が必要だ」と語った。(毎日新聞)

2009年5月29日金曜日

荒尾競馬:9月提言へ向け、検討会初会合

累積赤字13億円を抱えて経営難に陥っている荒尾市の荒尾競馬組合(管理者、前畑淳治荒尾市長)は28日、「第1回荒尾競馬あり方検討会」(会長、荒井克彦熊本学園大教授、7人)を開いた。
 同競馬は、三井三池の炭鉱閉山による地域経済の悪化やレジャーの多様化などの影響を受け、98年に赤字に転落して以降、赤字決算が続いている。08年度決算は累積赤字が13億6900万円に上る見込み。
 この現状を打開するため市と競馬組合が、有識者と市民など第三者を交えた「あり方検討会」を設置、初会合を開いた。競馬関係者のヒアリングなど月1回のペースで意見交換し、9月に活性化策や経費節減などについて提言書をまとめることにしている。(毎日新聞)

2009年5月28日木曜日

発売額計画下回る39億円 岩手競馬 ネットは好調

 岩手県競馬組合は27日、今季の発売状況を県競馬組合議会に報告した。開幕から今月25日まで24日間開催した売り上げは39億200万円で、計画を1億2800万円(3.2%)下回った。
 盛岡(盛岡市)、水沢(奥州市)両競馬場などの自場発売が、計画より2億8100万円(9.6%)少ない26億4000万円にとどまった。入場者数も約31万7000人と、前年同期より約2万5000人減った。
 他の地方競馬で馬券を売ってもらう広域委託発売は引き続き好調で、発売額は8億1700万円と計画を3700万円(4.7%)上回った。インターネット発売は計画比1億1600万円(35.3%)増の4億4500万円だった。
 宮一夫県競馬組合事務局長は「厳しい経済状況の中、自場発売の落ち込みを広域委託、インターネットでカバーし、それなりに堅調な状況にある」と分析。ホッカイドウ競馬との交流競走などを通じ、売り上げの拡大を図る方針を説明した。
 県競馬組合管理者の達増拓也知事は閉会後、「岩手の経済・雇用の危機からすれば、売り上げはそれほど落ち込んでいない。底は形成されつつある」と強調し、現時点で新たなコスト削減は行わない見通しを示した。
 県競馬組合はこのほか、2008年度の黒字見込み額が最終的に4800万円となることも明らかにした。(河北新報)

笠松競馬場近くにボートピア? 岐阜・岐南町で誘致論議

 名馬オグリキャップを生んだ地方競馬の笠松競馬場(岐阜県笠松町)近くの同県岐南町で、競艇場外発売場(ボートピア)の誘致が本格化している。賛成派が「経営不振の競馬事業に代わる町の起爆剤に」と期待する一方、「またギャンブルか」と生活環境への影響を心配する声も多く、町民の議論を呼びそうだ。
 誘致を進める準備会社「イレブンナイン」によると、誘致話は昨年秋ごろに持ち上がり、町商工会や地元自治会が「ボートピア岐南」計画を作成した。町を貫く国道22号バイパス沿いの畑など4500平方メートルに建設を予定し、笠松競馬場とは2・5キロしか離れていない。
 全国でボートピア設立を手掛けてきたという同社の尾形洋悦顧問は「岐南町は競馬場があり公営競技へのアレルギーが少ない。地元の理解を得たい」と意欲を示す。(NEWS47)

2009年5月27日水曜日

外れ馬券も手作りクッキーと交換 門別競馬場


ホッカイドウ競馬が開催されている門別競馬場(日高管内日高町)そばの洋菓子店「パティスリー パサパ」が、手作りクッキーを外れ馬券と交換するサービスを始めた。
 一日一人一枚限定。クッキーはてい鉄形と、馬の横顔をかたどった二種類を、プレゼント専用に用意した。
 二十七日は同店と競馬場内で先着三百人の引き換えに応じる。オーナーの長谷川薫さんは「わが町の競馬場のために、少しでも力になりたい。負けた憂さはクッキーで晴らして」と競馬ファンに呼びかける。(北海道新聞)

2009年5月23日土曜日

唯一のアラブ、元気です 金沢競馬、10歳のグリーンジャンボ


 金沢競馬で唯一のアラブ系競走馬「グリーンジャンボ」(十歳・牡)が今年も元気な走りを見せ、ファンを喜ばせている。グリーンジャンボの奥十一調教師(61)によると、競走馬の十歳は人間の六十代に相当するが、グリーンジャンボは四月のC級・リゲル特別を制し、今シーズン初勝利となる通算百二戦で十五勝目を挙げ、「アラブ健在」を印象付けている。
 金沢競馬では、多い時で全レースの半数ほどがアラブ系のレースだったというが、スピードに優れるサラブレッド系(サラ系)に主流が移り、徐々にアラブ系の競走馬が減少した。

 二〇〇三(平成十五)年、金沢競馬に移ってきたグリーンジャンボは〇四年、金沢競馬最後のアラブ限定レース北國アラブチャンピオンで優勝。ほかのアラブ系競走馬が引退したり、ほかの競馬場に移ったりする中、唯一残ったのがグリーンジャンボだった。

 〇七年には、高齢化による衰えで徐々に勝てなくなったグリーンジャンボを引退させようとする声も上がったが、奥調教師は「この馬は競馬場にいるのが一番幸せ」と当時のオーナーに掛け合い、新オーナー探しを始めた。間もなく新オーナーが見つかり、グリーンジャンボは金沢競馬で走り続けた。

 奥調教師は「離れがたい魅力のある馬。少しでも長く走らせてやりたい」と語り、暑さに弱いというグリーンジャンボの体調を気遣いながら次のレースへ準備を整えている。

 クラスを昨年までのB級からC級に落としたものの、グリーンジャンボはファンの声援を背に、今年も栄光のゴールを目指す。(富山新聞)
<写真>10歳のシーズンを迎えたグリーンジャンボと奥調教師=金沢競馬場

2009年5月22日金曜日

川崎競馬場内大型ビジョンの名称決定

 神奈川県川崎競馬組合は、川崎競馬場内で6月15日(月)から運用を開始する大型ビジョンの名称が『川崎ドリームビジョン』に決定したと発表した。
 “様々な人たちの夢をかなえる競馬を映し出す”との意味から命名された新ビジョンは、従来の「キングビジョン」を左右に拡張し、幅72メートル、高さ16メートル(1152平方メートル)と世界最大の大型映像装置としてリニューアル。ライブの迫力に加え、ビジョンの臨場感で、スパーキングナイターの川崎競馬場を盛り上げる。(Netkeiba.com)

新教育の森:ほっかいどう 挑む職業高校/2 静内農業

 ◇サラブレッド繁殖~育成 「産地おこしに協力」
 サラブレッドの主産地として知られる日高管内新ひだか町にある静内農業高校(尾形春夫校長、生徒数222人)では、全国の高校で唯一、サラブレッドの繁殖から育成までを学ぶことができる。乗馬セラピーにも取り組み、地元の障害児と交流しながら、競走馬だけでない馬の魅力を引き出す学習にも力を入れている。

健康管理

 「喜桜桜(きらら)、もう飲まないの。まだ残っているよ」。厩舎(きゅうしゃ)の奥で生産科学科3年の女子生徒が4月17日に生まれた子馬に哺乳(ほにゅう)瓶で授乳する。そばには母馬のミシェロガールもいるが、喜桜桜はもう十分なのか哺乳瓶とじゃれ合うだけ。
 専門科目「馬利用学」の授業の一こま。この日、3年生は馬の体の手入れやひづめの掃除のほか、馬術大会に出た馬の筋肉に張りがある個所に湿布薬を塗り、温水をかけてケアする。その後、馬場に出て、生徒が乗馬しながら軽い運動をする。2時間の授業があっという間に過ぎた。
 同校で育成する馬はサラブレッド9頭とポニー3頭の計12頭。生徒らが1日3回餌を与え、健康管理や運動させながら育てる。毎春、1頭が誕生し、2歳になると競走馬として出荷する。同校生まれのユメロマンが05年2月、中央競馬に出走し、デビュー戦を勝った。他に4頭が地方競馬に出場している。
 千葉県松戸市の実家を離れ、入学した森田智子さん(17)は「サマーセール(馬の競り)で、昨春生まれた子馬にいい買い手が付くよう馬体づくりに力を入れています」と話す。兄と一緒に小学生から乗馬を始め、この高校を希望したという。

セラピーに力

 同校が今、力を入れているのが乗馬セラピー。生産科学科の2、3年生で作る馬研究班が地元の「道立平取養護学校静内ペテカリの園分校」の生徒と交流し、年2回の乗馬体験で心を癒やしてもらっている。今年も6月から交流が始まり、今は落馬などのトラブルがないよう準備を進める。
 乗馬セラピーの取り組みは、今年2月に函館で開かれた農業高校の「全道実績発表大会」で最優秀賞に選ばれ、10月の全国大会に出場することが決まった。研究班長の3年、菅原彩花さん(17)は「乗馬のとき、馬の心臓の鼓動や体温、振動を感じると、分校の生徒も実に楽しそうです。馬は人間の気持ちがよく分かるので、生徒も感情豊かになる気がします」と話す。

観光・文化活動も

 同校には生産科学科のほか、食品科学科もある。同科は食育の一環として、地元の小学生を対象に牛乳の生産から加工・販売までを体験する「しずないミルク学校」を毎年開催している。校内の販売施設「あぐり工房桜樹」では、学校近くの桜の名所、二十間道路の満開の花をイメージしたアイスクリームを販売している。
 尾形校長は「競走馬の繁殖、育成だけでなく、乗馬セラピーや観光との連携、さらに人間生活と結びついた馬文化の紹介にも活動を広げ、馬産地の地域おこしに協力していきたい」と話している。(毎日新聞)

愛称は 「夜(よ)さ恋(こい)ナイター」

 7月から始まる高知競馬(高知市長浜宮田)のナイターレースの愛称が「夜(よ)さ恋(こい)ナイター」に決まり、県競馬組合が21日発表した。
 今月1~20日に募集し、468件の応募があった。名古屋市の会社員中山善富さん(43)が「高知らしい愛称で、女性も気軽に立ち寄れそうな親しみやすい表現」として命名。組合の審査で、「よさこいの意味は『夜にいらっしゃい』と言われている。高知を連想できる言葉で、デートコースや観光コースにという高知競馬の思いを『恋』の字に託したい」として選ばれた。
 7月10日に最初のレースを開催する予定で、現在は照明設備の工事が進んでいる。同組合は「これを機に、若い人たちもどんどん来てもらえるようにしたい」としている。(読売新聞)

2009年5月21日木曜日

盛り上げたい 調教師の後藤正義さん、6年ぶり新人デビュー


 笠松町の笠松競馬場で4月、新人調教師の後藤正義さん(29)が独立し、デビューを果たした。同競馬場では27人の調教師がいるがほとんどが40歳以上。新人調教師の誕生は6年ぶり。後藤さんは「若い自分が頑張ることで、笠松を盛り上げたい」と意気込んでいる。
 後藤さんの家系は5代にわたり、笠松競馬場で騎手や調教師を輩出する「競馬一家」で、父保さん(57)も騎手を経て25年のキャリアを持つベテラン調教師。後藤さんは幼いころから馬がそばにいる生活を送った。
 県内の高校を卒業後、鉄工所に就職したが、「味気ない」と感じ、3年で辞めた。「仕事が生きがい」と語る父にあこがれ、22歳から保さんの下できゅう務員として働いた。
 05年4月には里帰りしたオグリキャップの世話をした。同年、笠松競馬は経営状態が悪化し、県は赤字決算になれば廃止する方針を打ち出していた。里帰りの日、1万人近くの観客がスタンドからはみ出し、割れんばかりの拍手で一頭の馬を迎えた。「自分も強い馬を育てれば、笠松は生まれ変わるはず」と確信したという。
 1年かけて勉強し、28歳になって受験資格を持った08年10月に受験。馬に関する専門知識はもちろん、一般教養、経営学、馬術の実技も必要な難関だったが、一発合格。7頭の馬を抱えて開業した。
 午前3時に起き、食べたエサの量や筋肉の張りを見て馬の健康状態を確認し、馬場を走らせてトレーニングをする。馬の能力を引き出す難しさを痛感する日々だ。「馬の気持ちを考え、馬とともにレースに臨む調教師でありたい」と話す。
 現在、16レースを戦ってアグネスイカロス号が3勝。「若い自分が率先して笠松競馬を元気づけ、1360勝の戦績を持つ父に、いつの日か追いつきたい」と意気込んでいる。

   ◇    ◇

 同競馬場は、一部地主が県競馬組合に土地の明け渡しを求めた訴訟の控訴審で、土地の賃料をめぐって和解協議が続く。双方が一度合意した1坪1200円でも年間約3700万円の負担増となり、10年度以降は借金返済などが加わって年間約2億円の支出増が見込まれ、経営状態は苦しくなると予想されている。(毎日新聞)
<写真>「一番の実力馬」というアグネスイカロス号と後藤さん=笠松町円城寺で

馬疾走 光線が演出 道営競馬 門別で初の夜開催


 ホッカイドウ競馬門別開催が二十日、日高管内日高町の門別競馬場で開幕した。照明塔が整備されて初のナイトレースとなったが、大勢の観客が訪れ、照明を浴びて豪快に走るサラブレッドに熱い声援を送った。
 午後二時に開門してまもなく、八百人収容の新スタンドは満員の状態。初日とあって、軽種馬牧場の関係者のほか、親子連れ、カップルの姿が目立った。
 二十日の日高町の最高気温は二〇・一度と、七月上旬並み。武豊騎手が騎乗するレースもあり、レース前に屋外で馬を見定めるパドック周辺に人だかりができた。
 同日の入場人員は千六百九十八人で、発売額は計画を約六百万円上回る約一億三千百万円と大入りとなった。(北海道新聞)
<写真>光線を受けて競走馬が疾走したホッカイドウ競馬門別開催。後方の新スタンドで大勢のファンが声援を送った

2009年5月20日水曜日

草競馬“迷勝負”に大歓声

 三重県いなべ市大安町石榑東の両ケ池公園で10日、恒例のいなべ草競馬が行われた。
 競馬の一線から引退した近県の競走馬などが集まり、砂の馬場を駆け抜けた。観客はコース間近で、迫力満点のレースを楽しんだ。
 本格的な競馬の合間には、子どもたちのポニーレースも行われた。大人顔負けの騎乗ぶりをみせる騎手や、振り落とされてポニーを追いかける騎手も。“迷勝負”に、会場は大いに沸いた。(中日新聞)
<写真>大人顔負けのレースを繰り広げる子どもたち=いなべ市大安町石榑東で

馬券場設置困難に 駅前ビル管理会社民事再生法で保全命令 木更津

 木更津市のJR木更津駅西口の商業ビル「アクア木更津」の管理運営を、市から委託されている「日本総合企画(NSK)」(東京都小平市)が十九日、東京地裁に民事再生法適用を申請、保全命令を受けていることが分かった。同社の負債総額は約百五十億円。

 NSKはアクアビルで地方競馬の場外馬券場の開設を計画。地元自治会や市の了承を得て、監督官庁の農林水産省に承認申請し今年三月、同省から設置許可を得ていた。NSKの民事再生法の適用申請で、場外馬券場の開設は極めて困難になったといえる。

 NSKは一九八二年十月に設立され、南関東を中心にビルの賃貸管理、サブリース事業などを展開。二〇〇七年三月期は年商約六十一億八千百万円を計上したが、急速な景気後退もあり、〇九年三月期は約五億八千六百万円の赤字に転落。不動産など固定資産の資産価値の下落から債務超過に陥り、資金繰りが悪化していた。

 アクア木更津には六十二店舗が出店。管理運営会社の民事再生法申請により多大な影響が予想され、ビルを所有する市の水越勇雄市長は「NSKは営業を続けるとしており、今後は代理人と相談したい」とのコメントを出した。 (東京新聞)

2009年5月17日日曜日

巻き返しへ話題発信 岩手競馬・盛岡開幕

 岩手競馬は16日、盛岡競馬場に舞台を移し、盛岡競馬が幕を開けた。2009年度の岩手競馬は累計発売額が当初計画を2.3%下回る低調な滑り出し。県競馬組合(管理者・達増知事)は、高速道自動料金収受システム(ETC)の休日特別割引もあって大型連休の客足が伸びなかった-と分析するが、景気低迷や競馬離れなどの要素が絡む。近年は開幕ダッシュに失敗してコスト削減を繰り返してきただけに、日本初の「騎手ハンデ戦」など話題を振りまく盛岡競馬で巻き返しを図る。

 水沢競馬場で行われた4月4日の開幕から5月11日まで(18日間)の発売額は、29億7300万円(前年比2.2%減)。当初計画に7100円届かず、入場者数も前年より8.2%少ない24万人にとどまった。4月は当初計画を2.1%上回る「黒字スタート」を切ったが、連休中の売り上げ不振が響いた。

 競馬組合の藤尾善一副管理者は「大型連休は好天が続き、ETC効果で競馬場に来る人が少なかった」と分析。一方で、4~5月の発売額が当初計画を約3億円下回り、4億3000~8000万円のコストを削減した07、08年度に比べると「今季は堅調に推移しており、リカバリーできる数字だ」とみる。

 組合は盛岡競馬を機にてこ入れを図る。CM起用するタレント、ルー大柴さんを盛岡競馬場に招いたほか、騎手の実績に応じて負担重量に差をつける日本初の騎手ハンデ戦を18日から始めるなど、話題づくりに懸命だ。

 増収策の柱は県外客の拡大。今季は発売額の約30%を占める広域委託、インターネット販売に力を入れる。全国スポーツ紙への馬柱(データ表)掲載や北海道競馬との交流競走、ネット企業との共同キャンペーンなどで県外客にPRし、増収を目指す。

 藤尾副管理者は「広域委託とインターネットが鍵を握る。魅力あるレースを行うとともに、今まで以上に他主催者やネット事業者と連携し発売額を確保したい」と巻き返しを誓う。(岩手日報)

「大レース制する」夢乗せて 富里の若馬セリへ

 船橋市若松の船橋競馬場で18日、生後1、2年の若いサラブレッドのセリ市が開催される。上場される馬は計42頭。多くは北海道の大規模牧場の馬だが、地元千葉の牧場も、小規模ながら、手塩にかけた自慢の馬を披露する。成田空港に近い富里市御料にある山田牧場経営者の山田雅章さん(51)もその一人。今回、2頭の1歳馬をセリに出す。

 「どちらもバランスの良い体格だし、能力を秘めた血統。馬主さんの目に必ず留まれよ」。山田さんはそう言って、2頭の鼻をなでる。

 飼育する雌馬3頭に種付けし、生まれた子馬を売却して収入を得ている。生計は楽ではないし、休みもない。それでも「わが手で育てた馬が大レースを制する。そんな夢をかなえたくて、何とか踏ん張っています」。

 牧場は最初に祖父が今の八街市内に開き、1961年、父の博司さん(84)が富里に移した。元は戦後の開拓農地。子どもだった山田さんは、額に汗して草地を牧場に変え、暗いうちから馬を世話する両親の姿を覚えている。自身も馬と遊び、馬とともに育った。

 「御料」の名は日本の競走馬生産の原点になった「下総御料牧場」に由来する。かつて周辺には大小の牧場が点在し、多くの名馬を生んだ。だが、次第に生産の中心は北海道に移り、富里の牧場の役割は現役馬の休養が主になっていった。

 廃業した人も多い。生産に資金と手間をかけても、収入が安定しないからだ。船橋でのセリも、昨年は2歳馬が上場54頭で売却は30頭。1歳馬に至っては7頭上場で売却ゼロ。「うち以外で今も競走馬を生産している富里の牧場は数軒」。往時を知る山田さんは寂しさを募らせる。

 大学卒業後、証券会社に就職した。「30歳過ぎたら牧場に」と考えていたが、仕事がどんどん面白くなり、肩書も付いた。妻と子どもを養うのにも不自由はなかった。

 それでも馬づくりへの思いは断ちがたく、99年に会社を辞め、牧場に戻った。設備更新のため貯金もはたいた。ただ、最初は失敗の連続。よその牧場にも通ったりして、体調管理や飼料など基本から学び直した。

 ヤマノロイヤルという、父親から受け継いだ雌馬が自信を与えてくれた。産んだ馬たちが丈夫で、地方競馬でまずまずの成績を上げたのだ。「博司さんに感謝しろよ」。周囲の言葉が胸にしみた。18日のセリに送る2頭のうち、1頭はヤマノロイヤルの孫だ。

 証券マン時代、会社が作成した顧客向け推奨株リストを「これでは会社の利益になっても、お客の利益にはならない」と突っぱねたことがある。それで「左遷を味わった」が、その信念に変わりはない。

 「馬づくりに近道はない、と思う。やはり、夢は自分が納得した馬でかなえたいですよ」(読売新聞)

大井の「黒船」1頭のまま 産地の反発根強く、ブームにならず

◇英・米経験「バーナスコーニ」
 東京23区の一部事務組合が運営する大井競馬(東京都品川区)に国内唯一の海外競馬出身馬が所属、出走を重ねている。07年度導入の転入制度に基づく「黒船第1号」として08年4月にデビューしたが、国内馬産地の反発は根強く、追随する馬が一頭もないまま1年がたった。11戦1勝と成績は平凡ながら、孤独なパイオニアは走り続けている。

 この馬は米国ケンタッキー州生まれのサラブレッド「バーナスコーニ」(去勢したオス、5歳)。アラブ資本の競走馬生産グループ「ダーレー」の牧場が生産した。英国で07年1月にデビューし2戦1勝、米国に移って5戦1勝した。大井競馬場の施設を所有する第三セクター・東京都競馬株式会社(中央区)が買い、大井へ転入させた。

 大井競馬は91年度の1937億円をピークに売り上げ減少が続いており、打開策の一つとして、新制度導入に踏み切った。年間10頭以内との制限を設けたが、「死活問題」とみる馬産地側は、導入直前の07年2月に大井で抗議集会を開くなど猛反発した。

 大井競馬は転入する海外馬1頭につき輸送費分の600万円を馬主に補助するが、検疫のためデビューまで半年ほどかかる。円高で海外馬の値段は下がっているものの不況もあってか、新たに導入する馬主は出ていない。大井競馬の塚田修・事業推進部長は「国内外の馬が競い合えばファンにとって面白いだろうと考えた」と語る。

 一方、国内最大の馬産地・北海道の日高軽種馬農協(浦河町)は「不景気で馬産地は厳しい状況にある。日本の競馬は日本の馬でやってほしい」(川越敏示参事)と訴えている。(毎日新聞)

2009年5月16日土曜日

不ぞろいな地主、先行き見守る競馬組合

 笠松競馬場の地主の一部が運営主体の県地方競馬組合(管理者・広江正明笠松町長)に土地の明け渡しなどを求めた訴訟で、名古屋高裁で続く和解協議が難航している。原告側が訴訟に参加していない地主も含めた「統一和解」の条件を提案したものの、その足並みがそろわないためだ。和解に応じる考えを示している被告側の競馬組合は原告側の出方を見守るしかなく、協議は膠着(こうちゃく)状態が続いている。

 原告側は2月4日の和解協議で、争点の一つになっていた土地の賃貸料について、競馬組合が提示した1坪(約3・3平方メートル)当たり年間1200円とする和解案を大筋で受け入れる意向を示した。この賃貸料の増額に対応するため、競馬組合は3月の新年度予算編成で予備費として約1億8000万円を計上した。

 ただ、原告側は賃貸料の問題以前に、和解の大前提として、場内のスタンドなど主要な土地を所有する四つの地主組合全員(約120人)が訴訟に参加することを和解の条件に挙げた。統一和解が必要な理由について、代理人の異相武憲弁護士は「笠松競馬は将来、廃止になる可能性が高い。その後の土地の境界線の確定など跡地利用を円滑に進めるためには、訴訟段階から地主が一致団結することが大切だ」と説明する。

 原告側は、訴訟に参加していない地主65人に参加を呼びかけたが、半数近くが参加の意思を示さず、統一和解に向けた打開の道は開けていない。訴訟自体に反対している地主が多いためだ。異相弁護士は「統一和解をすれば賃料も増額されるのに残念だ。このままでは和解決裂の可能性も十分にあり得る」と話す。和解協議が決裂すれば、一審判決と同様、再び土地明け渡しを命じる判決が出ることも予想される。

 これに対し、被告側の伊藤公郎弁護士は「ここに来て、なぜ原告側が統一和解にこだわるのかわからない」と首をひねる。原告側に訴訟を取り下げるよう説得を続けてきた県調騎会の加藤幸保副会長は「原告側は統一和解にこだわらず、訴訟に参加していない地主とは、和解した後に話し合いをしてもいいのでは」と話している。
 
 次回の和解協議は18日に行われる。(読売新聞)

名古屋競馬「ハナ差」黒字 08年度収支、1000万円

 巨額の累積赤字を抱え、一時は存廃が議論された名古屋競馬(名古屋市港区)の2008年度収支がまとまり、4年連続の黒字を計上する見通しとなったことが分かった。ただし、黒字幅は前年度比6分の1程度まで減少しており、いわば“ハナ差”での黒字。運営する県競馬組合は「魅力的なレースの誘致や快適な観戦環境整備を進めて集客を図りたい」と躍起だ。

 08年度の馬券売上総額は前年度比1・1%減の185億7200万円。インターネット販売が同23・5%増の36億8200万円と好調だった一方、同競馬来場者による本場売り上げは同13・9%減の50億6200万円だった。

 ネット販売では売上額からネット業者への手数料が差し引かれるため、実質的な黒字額は、前年度の6300万円から1000万円まで減少する見通し。黒字を維持したものの、収支均衡に近い状態まで落ち込んだ。累積赤字は1億6500万円減の36億9800万円となる。

 名古屋競馬は、04年度までは13年連続で赤字を計上し、一時存廃論議が浮上した。これを受け、05年度からの3年間で再建計画が実施され、同年から連続して黒字を達成。一昨年12月に神田真秋知事が08年度以降の存続を決めた。(中日新聞)

 同組合は今年、観戦スタンドの改修や馬場の砂の入れ替えなど、ハード面を充実させるほか、11月には地方競馬最大のレース「JBC競走」を開催する。

 同組合は「今年は名古屋競馬開設60周年に当たり、一層の収支好転の契機にしたい」と話している。

2009年5月15日金曜日

騎手ハンディ戦導入 盛岡競馬あす開幕


 岩手競馬のレースコースが水沢競馬場(奥州市)から盛岡競馬場(盛岡市)に移り、盛岡競馬が16日開幕する。今季のCMに登場するタレントのルー大柴さんも招き、トークイベントや来場者プレゼントでレースを盛り上げる。
 初日は午前10時15分に盛岡競馬場入場ゲートで競馬関係者がくす玉を割り、県競馬組合管理者の達増拓也知事やルーさんらが、来場者に場内での食事券(200円分)や飲み物をプレゼント。ルーさんと知事が“トゥギャザー”したトークイベントもある。

 16、17の両日、場内には産直や軽食屋台が並ぶ。17日には地域の伝統行事チャグチャグ馬コに出る馬2頭との記念撮影会を予定している。

 岩手競馬が全国で初めて導入する「騎手ハンディ戦」も盛岡競馬で始まる。騎手の技量に応じて馬に負担重量を課すレースで、記念すべき1回目は18日の第5レースを予定している。

 14日には、岩手競馬の山本政聡騎手と地元タレントのふじポンさんが河北新報社盛岡総局を訪れ、開幕をPR。山本騎手は「面白いレースをしたい」と話し、ふじポンさんは「ピクニック気分で気軽に足を運んでほしい」とアピールした。


 県競馬組合は、岩手競馬所属騎手の騎手服オリジナル携帯ストラップを抽選で5人にプレゼントする。応募ははがきで22日まで受け付ける。あて先は〒020―0803、盛岡市新庄上八木田10、岩手県競馬組合お客様事業課。競馬歴、主に利用する競馬場などのほか、「河北新報購読」と記入。連絡先は同事業課019(626)7713。(河北新報)

<写真>盛岡競馬開幕をPRする山本騎手(右)とふじポンさん=14日、盛岡市の河北新報社盛岡総局

2009年5月13日水曜日

世界最大の大型ビジョン誕生/川崎競馬場


 川崎競馬場(川崎市川崎区富士見一丁目)に、世界最大の大型ビジョンが誕生する。六月十五日から運用を開始する予定で、同競馬場はメンテナンスなど最終調整を行うと同時に、ギネスブックへの申請手続きの準備も始めている。

 ビジョンは、横七十二メートル、高さ十六メートル。総表示面積千百五十二平方メートルは、これまで世界一だった東京競馬場のビジョン(横六十六メートル、高さ十一メートル、面積七百四十四平方メートル)の約一・五倍にもなる。富士通製で、発光ダイオード(LED)が使用されている。

 現在、同競馬場では、横四十四メートル、高さ十六メートルのビジョンを使用しているが、その隣に二〇〇二年まで使用していたビジョンの土台が残っていたため、二月末、拡幅工事に踏み切った。

 新ビジョンでは、レース中に異なるアングルからハイビジョン映像を映し出せるほか、地方競馬場としては初めて他場レースの生中継が可能になるという。川崎競馬場の担当者は「巨大ビジョンならではの迫力ある映像を楽しんでもらいたい。今後はレースに役立つ情報やコマーシャルなど、コンテンツも充実させていきたい」と話している。(神奈川新聞)
<写真>世界最大となる大型ビジョン=川崎区の川崎競馬場

2009年5月11日月曜日

船橋競馬の売得金 過去最高7億3542万

5日の第10レース
 県競馬組合は、5日に船橋競馬場で行われた第10レース(第21回かしわ記念)で、売得金が過去最高の7億3542万3600円に達したと発表した。

 これまでの最高は、2005年5月5日に行われた第10レース(第17回かしわ記念)での6億3230万1200円。同組合によると、今月5日は約1万5000人が来場した。(読売新聞)