2009年5月20日水曜日

馬券場設置困難に 駅前ビル管理会社民事再生法で保全命令 木更津

 木更津市のJR木更津駅西口の商業ビル「アクア木更津」の管理運営を、市から委託されている「日本総合企画(NSK)」(東京都小平市)が十九日、東京地裁に民事再生法適用を申請、保全命令を受けていることが分かった。同社の負債総額は約百五十億円。

 NSKはアクアビルで地方競馬の場外馬券場の開設を計画。地元自治会や市の了承を得て、監督官庁の農林水産省に承認申請し今年三月、同省から設置許可を得ていた。NSKの民事再生法の適用申請で、場外馬券場の開設は極めて困難になったといえる。

 NSKは一九八二年十月に設立され、南関東を中心にビルの賃貸管理、サブリース事業などを展開。二〇〇七年三月期は年商約六十一億八千百万円を計上したが、急速な景気後退もあり、〇九年三月期は約五億八千六百万円の赤字に転落。不動産など固定資産の資産価値の下落から債務超過に陥り、資金繰りが悪化していた。

 アクア木更津には六十二店舗が出店。管理運営会社の民事再生法申請により多大な影響が予想され、ビルを所有する市の水越勇雄市長は「NSKは営業を続けるとしており、今後は代理人と相談したい」とのコメントを出した。 (東京新聞)