2010年7月28日水曜日

荒尾競馬 出走手当減額方針

 深刻な赤字に悩む荒尾市の荒尾競馬組合(管理者・前畑淳治市長)は、第7回開催の8月21日から出走ごとに馬主に支払う「出走手当」を、1頭あたり1万5千円引き下げることを県馬主会(末藤惇会長、約180人)に提示した。馬主会は「受け入れられない」と反発。近く総会を開いて対応を協議するという。
  同組合によると、出走手当は勝敗に関係なく2~3歳馬は6万円、3歳の古馬登録馬と4歳以上馬には5万円が支払われている。同競馬には約350頭が在籍。各馬平均で月2回程度出走しており、「手当」の年間総額は約3億円に上るという。
  同組合では、今年度も約1億円の赤字が見込まれるとして出走手当の減額に踏み切った。減額が決まれば、年度末までに約5800万円の削減が見込まれるという。
  荒尾競馬は1928年、県と荒尾市の一部事務組合として設立。売り上げ好調時には一般会計に繰り入れるほどだったが、98年度から赤字に転落し、累積赤字は2008年度決算で13億5700万円に上る。
  昨年10月には学識者らでつくる荒尾競馬あり方検討会が、「事業の存続は単年度収支の均衡が至上命題。09年度から11年度の期限までに(存廃を)判断することが妥当」とする提言書を市長に提出している。前畑市長は「事業存続のためにあらゆる努力をしている。協力をお願いしたい」と話している。(朝日新聞)

「牧場で働こうフェアin東京競馬場」に約600名

 牧場就業促進事務局では「強い馬づくりは、優秀な人づくり」を基本理念に、今日28日(水)に東京競馬場で業界として初めての試みとして「牧場で働こうin東京競馬場」を開催した。
 会場となった東京競馬場では、乗馬体験、厩舎見学などが行われたほか、社台ファーム代表吉田照哉氏、ビックレッドファームマネージャー蛯名聡氏、下河辺牧場マネージャー下河辺行雄氏、ハッピーネモファーム代表取締役根本明彦氏などの講演も行われ、16の牧場が、通常の企業説明会同様、牧場ごとに就職相談ブースを設け面接なども行った。

 会場には約600人が来場した。

 主催した牧場就業促進事務局を代表して事務局長の玉村泰宏さんは「このたび、競馬産業として初めて行いました牧場就職フェアに、多くの若者に参加していただき、心より感謝申し上げます。これまで強い馬づくりは、優秀な人づくりから!を合言葉に、牧場の方々と事務局とで共同し取り組んできた成果が現れたものと思います。この就職フェアをきっかけに、ひとりでも多くの若者が、馬をつくり育てる仕事に関心をもち、職業選択肢のひとつとして検討いただければ幸いです。今後も、世界に通用する強い馬づくりの素晴らしさを、若い世代に伝えるため、更に努力したいと思います」とコメントしている。(ラジオNIKKEI)

2010年7月27日火曜日

岩手競馬 今年も経費削減 4年連続に関係者「もう限界」


 岩手競馬の売り上げの減少に歯止めが掛からない。予想を超える収入の落ち込みで、岩手県競馬組合は7月上旬、本年度3億1000万円の赤字になる見通しを表明した。存続条件である「収支均衡」のためとはいえ、コスト削減は今年で4年連続となり、関係者からは「もう限界」との声が漏れ始めている。(盛岡総局・遠藤正秀)

<危機感あらわに>
 「経費節減だけでは限界だ。魅力がなくなれば、収入も減り続ける。いい馬を確保するため、もっと思い切った賞金を出すレースが必要だ」。今月6日に行われた県競馬組合の運営協議会。経費節減の方針を受け、委員の1人は危機感をあらわにした。
 組合は、かつて看板レースだった「ダービーグランプリ」を今年11月に復活させることを決めていた。地方競馬としては破格の1着800万円の賞金を設定。借金などできる状況ではないが、収支のやりくりで何とか開催にこぎつけるめどが立った。
 ダービーグランプリの復活だけでは不足とみる委員の発言に、岩手競馬の危機的状況が浮かび上がった。協議会後に、ある委員は「こつこつと増収策を考えていくしか道は残されていない」とため息交じりに語った。

<地道な努力を>
 現場も気をもむ。「先が全く見通せない状況。せめて子どもが社会人になるまでは存続してほしい」と語るのは、岩手競馬の厩舎(きゅうしゃ)で働く40代の男性厩務員。
 男性は2人の10代の子どもを持つ。基本給は月18万円。4年前と比べて2万5000円下がり、面倒を見る馬がレースで手にする賞金や出走による手当などを合わせても、手取りは月25万円に満たない。
 一方で、仕事は厳しさを増すばかりだ。厩舎の従業員はこの4年で100人減り、半分となった。馬の数はほとんど変わらない分、仕事は増えた。
 「馬が好きだし、いいレースをしたいという思いで必死で働いている。経営状況が好転するのを待つばかりだ」と遠くを見つめた。
 暗いトンネルに入った岩手競馬の活路。関係者は「だからこそ、普段からレースの醍醐味(だいごみ)を伝える地道な努力が必要だ」と力説する。
 14日夜には水沢競馬場のクラブハウスを開放し、パブリックビューイングを開催した。「ジャパンダートダービー」(東京・大井競馬場)に出走した岩手競馬所属のロックハンドスターを応援するため、平日にもかかわらず約80人のファンが集まり、声援を送った。残念ながら9位に終わったが、売り上げは好調だった。
 会を発案した地元競馬専門誌「テシオ」の松尾康司編集長は「魅力あるレースには、必ずファンが集まる。経営状況に萎縮(いしゅく)することなく、いいレースをすることが重要だ」と手応えをつかんだ。
 盛岡競馬場を含めた2場開催から1場開催への転換や、2008年に模索した運営の民間委託を封印した岩手競馬。限られた予算の中で、増収に向けた活路を見いだす暗中模索が続いている。

[岩手競馬の売り上げ]盛岡競馬場建設費など約330億円の累積債務を抱え、岩手県などから融資を受ける条件として、赤字を出さないための「単年度収支の均衡」を求められている。売り上げは1991年の689億円をピークに減少の一途で、本年度は200億円を割り込む見通し。存続のために2007年から4年間で計8回、17億円以上を削減したことになり、今季は2億4700万円を削る。(河北新報)
【写真】水沢競馬場で開かれたパブリックビューイング。有効な増収策が求められている。

出走手当減額 荒尾競馬が提示、馬主側は反発

 荒尾競馬組合(管理者・前畑淳治荒尾市長)は、出走馬の馬主に払う「出走手当」を8月21日から1頭当たり1万5000円引き下げることを県馬主会(末藤惇会長、約180人)に提示した。赤字脱却のための最終的な経費削減策としているが、馬主側は「受け入れられない」と反発している。

 競馬組合によると、前畑市長が17日、馬主会に示した。出走1回の手当について、3、4歳馬は現行6万円から4万5000円に、5歳以上馬は同5万円を3万5000円にする。これにより、今年度約5800万円の削減効果が見込まれるという。

 荒尾競馬は1998年度以降、赤字続きで、累積赤字は2009年度で14億円に上った。昨年10月、荒尾競馬のあり方を考える検討会が単年度収支の黒字化を求め、「状況によっては11年度の結果を待たず存続断念を視野に入れるべき」と提言。だが、今年度も赤字が確実な見通しで、出走手当の減額に踏み切った。(読売新聞)

2010年7月22日木曜日

出走手当減額 荒尾競馬が提示、馬主側は反発

 荒尾競馬組合(管理者・前畑淳治荒尾市長)は、出走馬の馬主に払う「出走手当」を8月21日から1頭当たり1万5000円引き下げることを県馬主会(末藤惇会長、約180人)に提示した。赤字脱却のための最終的な経費削減策としているが、馬主側は「受け入れられない」と反発している。

 競馬組合によると、前畑市長が17日、馬主会に示した。出走1回の手当について、3、4歳馬は現行6万円から4万5000円に、5歳以上馬は同5万円を3万5000円にする。これにより、今年度約5800万円の削減効果が見込まれるという。

 荒尾競馬は1998年度以降、赤字続きで、累積赤字は2009年度で14億円に上った。昨年10月、荒尾競馬のあり方を考える検討会が単年度収支の黒字化を求め、「状況によっては11年度の結果を待たず存続断念を視野に入れるべき」と提言。だが、今年度も赤字が確実な見通しで、出走手当の減額に踏み切った。(読売新聞)

2010年7月15日木曜日

知事 「赤字継続なら道営競馬廃止」

■知事、方針踏襲を表明
 高橋はるみ知事は14日の記者会見で、存続の岐路に立つ道営ホッカイドウ競馬について、「(道競馬改革)ビジョンに違(たが)うことはあってはならない」と述べ、2010年度に収支均衡が達成できなければ廃止すると明記した方針を踏襲する考えを示した。
 高橋知事は会見で「競馬事業が赤字のまま継続すれば、馬産地以外の道民の税金も投入しなければならない」と述べ、存続ありきで議論する意思はないと明言。「今年度は収支を合わせるべく、最大限努力していく」とも語った。
 また、高橋知事は参院選の民主党大敗について、「街頭演説で(消費増税に関する踏み込んだ)発言がぽこぽこ出てきた。こんなにも重要な問題で首相がぶれている、と国民が思ったのではないか」と述べた。(朝日新聞)

知事 「赤字継続なら道営競馬廃止」

■知事、方針踏襲を表明
 高橋はるみ知事は14日の記者会見で、存続の岐路に立つ道営ホッカイドウ競馬について、「(道競馬改革)ビジョンに違(たが)うことはあってはならない」と述べ、2010年度に収支均衡が達成できなければ廃止すると明記した方針を踏襲する考えを示した。
 高橋知事は会見で「競馬事業が赤字のまま継続すれば、馬産地以外の道民の税金も投入しなければならない」と述べ、存続ありきで議論する意思はないと明言。「今年度は収支を合わせるべく、最大限努力していく」とも語った。
 また、高橋知事は参院選の民主党大敗について、「街頭演説で(消費増税に関する踏み込んだ)発言がぽこぽこ出てきた。こんなにも重要な問題で首相がぶれている、と国民が思ったのではないか」と述べた。(朝日新聞)

2010年7月9日金曜日

高校生生産ヒュウガ夢はダービー


 小さな高校の大きな夢が再び動きだした。静内農業高(北海道新ひだか町)生産のゴーゴーヒュウガ(牡2、栗東・須貝尚、父スズカマンボ)が、10日(土)の函館芝1800メートルでデビューする。日本で唯一サラブレッドの生産育成を授業に取り入れている高校で、過去6頭を競馬場に送り込んだ。5年ぶりに誕生した牡馬に託す夢は、もちろん最高峰のダービーだ。

 胸の高鳴りが、日増しに大きくなってくる。授業にサラブレッドの育成を取り入れる静内農業高生産のゴーゴーヒュウガのデビューを、高校生が心待ちにしている。99年からサラブレッドの生産を始めて9頭目。5年ぶりの牡馬とあって期待が高まる。同校馬術部の草なぎ孝洋繁殖部長(生産科学科3年=「なぎ」は弓へんに前の旧字体その下は刀)は「体が弱くて苦労した馬。デビューできてうれしい。今は期待と不安の半々です」と初々しく話した。

 実習作業は生産科の生徒、馬術部のメンバーで行う。出産こそ安産だったとはいえ、「彪牙(ひゅうが)」と名付けられた鹿毛馬は虚弱体質で育成は苦労の連続だった。08年の当歳セリを骨端炎で辞退するなど脚元が弱く、運動をするとすぐに脚に熱を持った。水で冷やしても引かず、教師と生徒で話し合い、額に乗せて熱を冷ます人間用のゲル状保冷剤を購入。生徒4人で15分間脚元を冷やし続けることが日課になった。夜間に脚をケガして病院に駆け込み、寝ずに見守り続けたこともあった。

 下痢が続くとカイバの研究にいそしんだ。悩みは尽きず、草なぎ部長は眠れない日々が続いた。1歳になるとようやく成長し、09年のセリで落札されると全員で号泣した。価格は260万円。「本当にうれしかった。生産の難しさ、命の大切さを、馬を通して教わりました」と振り返る。

 6月25日に世話をする馬術部4人と生産科学科の杉本忠宏教諭(40)が函館競馬場を訪れ、久々の再会を果たした。「昔はガリガリだったのに力強くなった。カイバを食べているし、期待を抱かせますね」と杉本教諭。別馬のようになった愛馬がたくましく映った。

 デビューする10日は生徒34人が函館競馬場に応援に駆けつける。草なぎ部長は「まずは無事に走ってほしい。いつかダービーをの夢をつないでいきたい」。汚れなき大きな夢を背負ってゴーゴーヒュウガが堂々、ターフに立つ。(日刊スポーツ)
【写真】今週デビューするゴーゴーヒュウガ

2010年7月7日水曜日

収支均衡 3億円不足~県競馬組合運営協 今季初のコスト調整決定


 2010年度の第2回県競馬組合運営協議会は6日、盛岡市の盛岡競馬場で開かれた。今年度第1期(4月3日~6月7日)における岩手競馬の売り上げは、計画達成率92・5%の約45億円。単年度の収支均衡には3億円余りの不足が生じる見通しとなったため、競争関係費など約2億5000万円を削減する今季初のコスト調整を決めた。

 同組合を構成する県や盛岡、奥州両市の関係者と馬主会の代表らによる委員7人(代理含む)が出席。事務局側の説明を踏まえ、第1期の収支実績と年間の収支見通し、今後の取り組みなどについて協議した。

 説明によると、岩手競馬発売収入で見た第1期の計画額48億6300万円に対する実績額は44億9800万円。桜の見ごろが重なった5月の大型連休期間の不振などを背景に、計画額と実績額に3億6500万円の差が生じている。

 これにより、当初計画通り単年度の収支均衡を達成するには3億1000万円程度不足する見通しとなった。このため助成金の確保や基金取り崩しなどで収入増を図るとともに、競争関係費で約3500万円、事業運営費で約2億1200万円を削減するとした。

 今季初のコスト調整について、高前田寿幸同組合副管理者は「長引く不況の影響で非常に売り上げが厳しい。今回検討したコスト調整で収支均衡を達成したい」と話している。(岩手日日新聞)
【写真】今季初のコスト調整を決めた第2回県競馬組合運営協

赤字見通しで計画変更 岩手県競馬組合が運営協議会開く

 岩手県競馬組合は6日、経営再建計画を検討する運営協議会を開き、開幕からの売り上げ低迷を受けて、本年度の当初計画の変更を決めた。現状では3億1000万円の赤字に転落すると試算。人件費をはじめとする経費削減などを進め、存続条件である単年度収支均衡を達成する。
 計画の見直しは今季初めてで、4年連続。
 競馬組合は当初、本年度の収入を224億8900万円と見込んでいた。第1期(4月3日~6月7日)の発売額は計画を7.5%下回り、現状のままでは収入が210億3600万円にとどまる見通しという。
 計画の変更では、業務委託や人件費の見直しなどで2億4700万円の経費を削減するとともに、基金の取り崩しや助成金の活用で新たに6300万円を確保する。
 売り上げの低迷は、盛岡、水沢(岩手県奥州市)両競馬場などの自場発売の落ち込みが主な原因。地域経済の低迷や天候不順などの影響を受けているという。
 競馬組合の高前田寿幸副管理者は「コスト調整は限界に来ている。経費を掛けず、売り上げを拡大する方策も考えたい」と話した。(河北新報)

岩美に場外馬券場 「BAOO鳥取岩美」オープン


 地方競馬共同場外発売所「BAOO(バオー)鳥取岩美」が6日、岩美町大谷のJR大岩駅近くにオープンした。オープニング式典が開かれ、大勢の来場者が新たな集客施設の完成を祝った。


オープンした「BAOO鳥取岩美」でモニターを見つめる来場者=6日、岩美町大谷
 式典では、施設を運営する「日本レーシングサービス」(本社・東京都江東区)の西岡宗俊社長があいさつ。地元の榎本武利町長や施設を誘致した同町商工会の坂本秀喜会長ら関係者が、テープカットでオープンを祝った。

 施設には140席の観覧席と特別観覧席20席、62インチの大型モニターなどを設置。園田、姫路、福山など西日本を中心とした地方競馬レースのほか、中央競馬と地方競馬の交流重賞競走「ダートグレード競走」の馬券を取り扱う。年間約350日の営業を見込んでいる。

 オープン直後には、約150人の競馬ファンが詰め掛け、同日開催の園田、笠松競馬の馬券を購入する競馬ファンや見学者でにぎわった。

 同町田後の畠山常義さん(66)は「近くを通るたび、完成するのを心待ちにしていた。中央競馬は何十年も買っているが、地方競馬も楽しみ。土日以外は毎日通うかも知れない」と笑顔で話していた。10日にはオープン記念ファンサービスとして、ラジオ番組の生放送やグルメ・テント村などもお目見えする。(日本海新聞)

2010年7月5日月曜日

日本の教え胸に…朴騎手ラストレース 荒尾競馬


 日本の騎乗技術を学ぼうと荒尾競馬(荒尾市)で武者修行中だった“韓流ジョッキー”朴在鎬[パクゼホ]さん(31)が9日、ラストレースを迎える。3カ月間に51回騎乗し、3勝の成績。「レース展開と精神力の大切さを学んだ」という朴さんは、教えを胸に荒尾最後の馬場に挑む。

 朴さんは韓国釜山競馬所属。荒尾では崎谷彦司調教師(55)の厩舎[きゅうしゃ]に所属し、日々の調教やレースで腕を磨いた。手には常にメモ帳と電子辞書。「調教師や騎手の皆さんから、知らないことは何でも教えてもらった」と話す。

 崎谷さんは「とにかく数を乗ってもらった。レースのペース配分や展開をつかむ力は上がったと思う」。その上で「絶対に負けないという精神力が必要。優しい性格がレースに出てしまうので、強い気持ちで勝負にいかんと」とハッパを掛ける。

 崎谷さんも、荒尾競馬で18年間騎手生活を送った。騎手の心得やムチの使い方など、経験から言える言葉を書き留めたメモを、ハングルに訳して託した。「馬に折り合って乗る」「敵馬の動きをよく見、自分の馬の動きをよく知る」-。朴さんの教科書だ。

 朴さんは12日に帰国予定。今後は日本以上に競馬人気が高い韓国で手綱を握る。「荒尾での経験を生かしたい」と朴さん。崎谷さんは「今年中に一度、活躍を見に行くつもり。しっかり頑張ってくれよ」。笑顔で送り出すつもりだ。(くまにちコム)
【写真】調教に向かう朴在鎬騎手に声を掛ける崎谷彦司調教師=荒尾市

岩手競馬コスト調整へ

 岩手競馬は収支均衡の存続条件をクリアするため3億円程度のコスト削減をする方針であることがわかりました。岩手競馬は年間の売上げを5つの期間に区切って収支均衡を図っていますが開幕から先月7日までの第一期の売上げは44億9800万円と計画を7.5%下回る厳しい状況が続いています。県によりますとコスト調整が行われるということでその額は3億円程度ということです。これについて達増知事はきょうの定例会見で、「まずは年度を区切って、その期間ごとに売上げの状況をきちんとみながら、コスト調整をしていくということをしっかりやっていくということだと思っている」と述べました。コスト調整はあす開かれる県競馬組合の運営協議会で協議されます。(岩手放送)

2010年7月2日金曜日

匠の馬具 レース支える…宝塚の老舗メーカー「時田馬具」

 阪神競馬場のある兵庫県宝塚市に、歴史に残る名馬や騎手たちが愛用してきた馬具を取り扱う県内唯一の専門店「時田馬具」(時田嘉一社長)がある。華やかな世界を支える職人たちが黙々と勝負服、面子、鞍
くら
など美しい形の製品を手作業で仕上げていく。3代目となる時田嘉昭さん(38)は「究極の状態で疾走する競走馬と、騎手の安全を第一に考えたものづくりに取り組んでいる」と語る。


 戦前、西宮市にあった旧鳴尾競馬場に馬具職人だった祖父の時田嘉夫さん(故人)が開店。厩舎
きゅうしゃ
が宝塚市千種地区にあったことから阪急逆瀬川駅近くに店を移した。日本中央競馬会や地方競馬に所属する競走馬を中心に、馬具の製造販売、メンテナンスを手掛け、栗東トレーニングセンター(滋賀県)や京都、阪神、小倉などの競馬場に出張所を設ける。

 馬具は強い競走馬を育てるために欠かせない。馬具職人は厩舎を巡り、馬小屋で競走馬の状態を確認し、調教師や厩務員たちの相談を受けて仕上げる。打撲を防ぐ保護帯や、音に敏感で暴れやすい馬に使う耳や顔を覆うずきん(通称・メンコ)など、個性に合わせ調整を重ねる。製品への信頼は高く、同センター所属の競走馬の大半が使用する。

 外国人騎手で有馬記念などを制したルメール騎手(仏)も日本でのお土産に大量の腹帯や鞍を注文した。嘉昭さんは「凱旋
がいせん
門賞に出走するなど、近年はグローバル化が進んだ。製品のきめの細かさ、ものづくりへの姿勢が評価を受けている」と自信を深める。

 トップの舞台で疾走する競走馬は一握り。馬具を調整しレースに出走できる状態に仕上げることに最もやりがいを感じるという。嘉昭さんは「時代の流れに逆行するが、究極のアナログスタイルを貫いていく」と話している。(読売新聞)

2010年7月1日木曜日

福山競馬検討委が意見聴取

 約20億円の累積赤字を抱える福山市営競馬のあり方を議論する市営競馬検討委員会(14委員)は29日夜、第5回会合を市役所で開き、騎手や調教師らでつくる競馬関係団体の代表らから意見聴取した。各代表からは、収益の落ち込みに合わせた諸手当削減などの経営合理化や、売り上げ増に向けた振興策などを求める意見が出された。
 会合には、県調騎会や県きゅう務員会、県馬主会など8団体の代表らが出席。県調騎会の黒川幹生理事は「この仕事しかないという思いで、みんなやっている。今以上の痛みを伴ってでも、競馬を開催してほしい」と手当の削減を受け入れる覚悟を強調した。他の代表らも、市営競馬事務局の職員削減や、他の競馬場で売り上げ増の効果が出ているとしてナイター競馬の開催なども訴えた。
 検討委はこの日聴取した意見も踏まえ、次回(28日)の会合に答申案のたたき台となる案を出す方針だ。(朝日新聞)