2008年10月31日金曜日

連合との懇談会開催

-今後の日本経済の見通し、雇用・働き方等で意見を交換
 日本経団連は20日、東京・大手町の経団連会館で日本労働組合総連合会(連合、高木剛会長)との懇談会を開催した。日本経団連からは御手洗冨士夫会長をはじめ、三村明夫副会長、渡文明副会長、大橋洋治副会長、岩沙弘道副会長、清水正孝副会長、鈴木正一郎評議員会副議長、三浦惺評議員会副議長、指田禎一労使関係委員会共同委員長、市野紀生労使関係委員会共同委員長らが、連合からは高木会長をはじめ、会長代行、11名の副会長や事務局長ら、あわせて35名が参加した。今回の会合では、(1)景気の動向と今後の日本経済の見通し(2)雇用・働き方等について(3)少子化対策、税・社会保障について――をテーマに自由な意見交換を行った。
会合の冒頭、御手洗会長は、「アメリカに端を発した金融危機で世界経済が減速傾向を強める中、日本経済も停滞の色を濃くしている」との認識を示すとともに、懇談のテーマである少子化対策、税・社会保障について触れ、「日本の将来にかかわる大変重要なテーマであり、理想的なあるべき姿、望ましい制度について率直な意見交換をしたい」と述べ、同会合が労使双方の相互理解の場となり、有意義な意見交換となることへの期待を表明した。
続いてあいさつした連合の高木会長は、「国際金融問題だけでなく、各国の実体経済の悪化も踏まえた国際協調が今求められているのではないか」と述べた上で、労働組合の国際組織とグローバル企業が社会的責任に関する条項を締結するグローバル枠組み協定(GFA)などに取り組む必要があるとの見解を示した。
■ 景気の動向と今後の日本経済の見通し
両会長のあいさつの後、まず「景気の動向と今後の日本経済の見通し」について意見交換を行った。
連合からは、(1)物価高により実質所得が低下すれば、個人消費はさらに落ち込み、日本経済はますます悪くなる可能性がある(2)配分構造の是正に視点を当てながら、内需の拡大に向け政労使が最大限の努力をする状況にある(3)中小企業の資金繰りについては信用保証枠、信用保証額の増額を用意する必要がある(4)投機ファンドの透明性ならびに制御機能を確保すべきである(5)中小企業の労働条件を引き上げていくことが求められており、そのためには公正取引が基本である――などの意見が出された。
一方、日本経団連からは、(1)金融危機が発生して以降、状況は一変している(2)実体経済の減速懸念が著しく高まっており、わが国政府、金融当局に対しても、各国政府当局との緊密な連携の下、適切に対処するよう求めたい(3)世界経済全体が悪い中で、日本経済をどのように回復させていけばよいのか極めて難しい命題であり、このような時期においては、労使が痛みを分かち合いながら、日本経済の体質強化を図っていくことが必要である(4)中小企業の資金繰り支援の拡充や、低所得者への減税など、緊急かつ思い切った対策の実行を求めていかねばならない――などの発言があった。
■ 雇用・働き方等
「雇用・働き方等」については、連合から、(1)雇用労働の改善は社会の安定につながり、生産性向上、消費の拡大に寄与すると確信している(2)管理職増産の時代は終わったという認識を労使が共有化し、管理監督者の範囲について具体的な改善を進めることが重要である――などの意見のほか、ワーク・ライフ・バランスをさらに推進するため数値目標を活用すべきとの意見が出された。
これに対して日本経団連からは、(1)各企業では既にワーク・ライフ・バランスの推進に向けたさまざまな取り組みを始めており、それぞれの業種・業態などに応じた多くの好事例、先進事例が出てきている。今後、こうした事例を企業間で情報共有し合い、より積極的に推進していきたい(2)新卒一括採用のデメリットを補完するために、将来を背負って立つ若年者に対して、学校教育の段階から職業観を醸成し、意欲や希望、能力、適性に応じて、適切な職に導いていく努力が、引き続き重要である(3)全員参加型社会の実現をめざして、パートタイム労働者が働きがいを感じながら勤めることができるよう、雇用管理改善の取り組みをさらに進めていきたい――などの発言があった。
■ 少子化対策、税・社会保障
「少子化対策、税・社会保障」については、連合から、(1)子育て環境の整備で最も恩恵を受けるのは企業であり、企業が財政面でも積極的な役割を担うべきである(2)中低所得者に対する減税が必要であるとともに、単年度ではなく恒久的な税制とすることが重要である――などの意見が出された。
一方、日本経団連からは、(1)超高齢化社会が目前に迫る中、世代間扶養のシステムから国民全体で支える公費負担中心へと軸足を移していくなど、将来を見据えた改革に着手しなければならない(2)社会保障制度の将来像を示し、税制・財政と一体となった改革の中で、消費税によって増大する社会保障費用を賄うことへ理解を得ていくことが不可欠である(3)将来の社会の担い手を育成するというわが国の重要課題に向け、必要となる安定財源を確保し、少子化対策への公費投入を拡充すべきである――などの意見があった。
会合の最後、総括のあいさつの中で高木会長は、「日本の経済・社会の状況を改善するために、日本経団連と連合で何か一緒に取り組めることはないか」と述べ、今後も継続して議論を深めたいとの考えを示した。これに対し御手洗会長は、「方法論では違いがあるかもしれないが、日本の経済を立て直さなければならないということに対する認識は全く共通である」と述べ、定期会合のほかに、高木会長から提案のあった見直しの取り組みのあり方について、事務局ベースで議論を行うこととしたいとの見解を示した。(日本経団連タイムス)

2008年10月30日木曜日

連合8年ぶり「ベア」復活 業績悪化で賃上げ苦戦は必至

 平成21年春闘をめぐり、労働組合側の連合は29日、定期昇給の維持と物価上昇分に応じたベースアップ(ベア)を求めていく春闘方針を決めた。連合は平成13年春闘以降、「ベア」という言葉を封印し、「賃金改善」という表現を使ってきたが、8年ぶりに復活させた。値上げラッシュなどで物価が上昇し家計を圧迫しており、賃金水準の底上げを目指し強い姿勢で交渉に臨む必要があると判断したためだ。ただ、金融危機による景気後退で企業業績が急速に悪化しており、経営側の財布のひもがきつく締まるのは確実で、例年以上に厳しい交渉となりそうだ。
 連合の團野久茂副事務局長は29日の会見で、景気悪化に歯止めをかけるためにも、「消費拡大につながる賃上げが不可欠」と指摘。その上で、来春闘の基本方針として、「
定期昇給と物価上昇に見合うベアの獲得を目指す」と強調した。
 ベアを実現するため、連合としては初めて、業種や企業規模ごとに賃金水準を集計した「
連合指標」を策定。指標と自社の賃金水準を比較することで、各労組が、春闘での目標を設定しやすくした。
 さらに、各労組が目標設定や交渉について情報交換などを行うための「
共闘連絡会議」を新設し、連携の強化も図る。
平成20年春闘は、3年連続の賃上げを実現したが、要求段階から前年並みの要求にとどまる労組が多く、連合の高木剛会長は「全体的な意思統一の仕方について議論をしたい」と総括していた。連絡会議の設置は、労組側の足並みをそろえ、交渉力を高めるのが狙いだ。
 連合は30日の中央討論集会で具体的な議論を始め、12月2日に春闘の闘争方針を正式決定する。
 ただ、企業の業績は平成21年3月期決算の予想の下方修正が相次ぐなど、急速に悪化しており、経営側が賃上げ抑制に動くのは確実。
日本経団連は、春闘基本方針となる「経営労働委員会報告」を12月に策定する方針。すでに議論に着手しており、「賃上げは余力のある企業が個別に判断する」という従来の方針を踏襲する見通しだ。
 経営側からは「足元の経営環境を考えれば、賃上げは厳しいところが多くなる」との声が早くも上がっている。
 「ベア」復活を掲げた連合だが、その思惑とは裏腹に、多くの企業が賃上げを見送る「
ベアゼロ」に逆戻りしかねない。 (産経ニュース)

2008年10月28日火曜日

09年度の運営を協議 競馬議会調査特別委

 県競馬組合議会の調査特別委員会(新居田弘文委員長)は27日、盛岡市新庄の盛岡競馬場で開かれた。日本ユニシス(東京)への民間委託拡大が困難となる中、交渉経過や来年度の事業運営について協議した。
 委員と県競馬組合職員ら約20人が出席。県競馬組合は日本ユニシスと6月から9回にわたって協議してきたが、売り上げ拡大や業務効率化策など具体的な協議に入れなかったことを説明した。
 今月上旬に日本ユニシスと競馬組合、県、盛岡市、奥州市の5者による守秘義務契約の締結に、いったんは大筋で合意したことも明らかにしたが、組合の大友宏司経営管理部長は「組合側が求めていた収支見通しが日本ユニシスから示されず守秘義務契約締結を断念した」と経緯を報告した。
 随意契約が大半を占める現在の業務委託状況も示され、委員からは「委託料にメスを入れないと収支均衡は厳しい」「現行方式では、いずれ行き詰まる。来年度の民間委託拡大はどうするのか」などの意見が出た。
 組合の千葉英寛副管理者は「民間委託拡大は安定経営の大切な選択肢。引き続き検討していく」と述べた。
 4月開幕から26日までの発売額は、156億4400万円(前年比8・7%減)。下方修正後の計画比は1億9100万円、1・2%プラス。(岩手日報)

高知競馬・禁止薬物問題:元厩務員ら処分、2年間関与停止に

 ◇競走馬からカフェイン
 高知競馬で今年1月に開催されたレースに出走した競走馬2頭から禁止薬物のカフェインが検出された問題で、県競馬組合は27日、元厩務員(きゅうむいん)の男性(65)に対し、競馬への関与を2年停止する処分を下した。また、「馬の管理に怠慢、放任が認められた」などとして2頭の調教師の男性(37)を戒告と賞典停止60日の処分とした。
 同組合によると、元厩務員は1月1~2日に2頭の競走馬に競馬法で禁止薬物に指定されているカフェインを含むビタミン剤を飼い葉に混ぜて食べさせた。男性は3月に競馬法違反(禁止薬物の使用)容疑で高知地検に書類送検され、8月に高知地裁から罰金20万円の略式命令を受けている。(毎日新聞)

2008年10月25日土曜日

笠松競馬場・土地明け渡し訴訟:和解協議は事実上決裂--説明会

◇「敗訴すれば門前払いも」
 県地方競馬組合は23日夜、笠松町中央公民館で、用地の明け渡しを命じる判決を岐阜地裁が出し、現在は名古屋高裁で控訴審が行われている地方競馬「笠松競馬」(笠松町)の現状について、説明会を開いた。
 高裁での和解協議は事実上決裂している。参加した約200人の地主や馬主に対して、端元博保弁護士らが、控訴審では、「使用目的がない土地を明け渡すのは権利乱用だ」とする主張と、借地人を保護する借地法の適用を求めていると説明した。
 12月に予定されている次回の和解協議で和解できない場合は、来年以降に判決が出る見通し。一審に続いて敗訴した場合、最高裁に上告しても門前払いとなる可能性があるという見解も示した。
 参加者からは「明け渡されても困る」「納得できないので、きちんと事のいきさつを説明してほしい」などの声が上がった。広江正明・笠松町長は「笠松競馬を存続しようと気持ちでやっている。力添えいただきたい」と話した。(毎日新聞)

2008年10月23日木曜日

「賃上げが最大の景気対策」 来春闘へ連合が基本方針

 連合(高木剛会長)は23日、来春闘に向けた基本方針をまとめた。賃金カーブの維持を前提に、生活必需品の値上げが相次ぐなか、「物価上昇に見合うベア」の獲得を前面に打ち出し、労働者の生活の維持、確保を目指す。
 高木会長は会見で、「景気が下降局面にあるが、賃金を上げることが最大の景気対策だ」とし、来春闘では、(1)賃金カーブの維持(2)物価上昇による賃金の目減り分を取り返す、などの方針を示した。
 物価上昇分の確保については、例えば30万円の給与の人の場合、物価上昇約2%分、約6千円の要求になるとした上で、「近年そういう額の要求はしたことがない組合も多いが、目減り分の回復を目指すのは常識中の常識だ。そうでないと、高い組合費を払っている組合員は許してくれない」と強調した。
 非正社員の待遇改善、長時間労働の是正なども昨年に引き続き求めていく。30日の中央討論集会で基本方針を討議し、12月2日の中央委員会で闘争方針を決定する。(朝日新聞)

2008年10月20日月曜日

秋空の下、44頭駆ける 南相馬で草競馬


 スピード感あふれるレースが展開された秋季競馬大会 相馬野馬追の振興を図る草競馬「秋季競馬大会」が19日、福島県南相馬市原町区の雲雀ケ原祭場地で開かれ、土煙を上げて力走するサラブレッドに大きな声援が送られた。 大会には中ノ郷(原町区)などから44頭が出走した。カラフルな勝負服に身を包んだ騎手たちが手綱を取り、秋のさわやかな馬場を駆け抜けた。 今大会では初の試みとして、対象レースの一着馬を当てる「お楽しみ券」が発行された。詰め掛けた約3000人の観客は、お目当ての馬に大きな声援を送り、競馬気分を味わった。 レースは中ノ郷のジェイストーム(西康志さん騎乗)が優勝を飾った。 (河北新報)

2008年10月19日日曜日

国の還付金2億円廃止 岩手競馬

 日本ユニシス(東京)への民間委託拡大が困難になった岩手競馬は来シーズン、今季よりも厳しい経営が待ち受ける。国の制度改正により公営企業金融公庫からの還付金(2008年度・約2億円)がなくなるためだ。来年度も現行方式での運営が確実な状況となっている中、県競馬組合は「来年度の収支計画は相当厳しく見積もらないといけない」と危機感を募らせ、一層の業務効率化を図る考えだ。
 県競馬組合によると、08年度は公営企業金融公庫から公営競技納付金として1億9900万円が還付された。この還付金を開催経費に充てるなどして存続条件の「収支均衡」を図っている。
 しかし、今年4月の地方財政法施行令の改正により、09年度から還付金がなくなる。このため、来年度の運営は本年度に比べ、マイナス2億円からのスタートとなる。
 開会中の県議会9月定例会の一般質問では、佐々木博氏(民主・県民会議)が「本年度よりもさらに厳しい状況と認識して計画をつくるべきだ」、工藤大輔氏(同)も「2億円の不足分をどう確保するのか」と、来季の運営を懸念する声が相次いだ。
 厳しい状況を打開しようと、県競馬組合が「切り札」に考えていた民間委託拡大は、交渉先の日本ユニシスとの協議が事実上、打ち切りとなり、組合管理者の達増知事は今月末に、来年度の運営を「現行方式」とする方針を示すとみられる。
 しかし、売り上げの減少に応じてコストを削減し、収支均衡を保つ現行方式は、競馬関係者から「限界が近い」との声も聞かれる。
 達増知事は「競馬関係者や取引先企業と共通の認識に立ち、収入拡大に向けた方策とともに、経費の見直しや業務の効率化をさらに徹底する」と話す。(岩手日報)

2008年10月17日金曜日

民間委託拡大白紙へ 岩手競馬がユニシスと協議断念

 岩手競馬の民間委託拡大で、県競馬組合管理者の達増知事は16日、交渉先の日本ユニシス(東京)が示した提案について「今回の提案では判断が難しい」と述べ、事実上、同社との協議を打ち切る意向を示した。日本ユニシスは同日、盛岡市内で記者会見し、組合側に回答した提案内容を説明したが、委託判断の基本となる収支見通しは示さなかった。組合側は同社の提案と現行方式を比較した上で最終判断する方針だが、ユニシスの提案は判断材料に乏しく、来年度も現行方式での運営が確実な情勢だ。
 日本ユニシスの矢島洋一産業機構研究所長、山下良一法務部長ら3人が盛岡市内丸の県公会堂で会見し、14日に県競馬組合に示した事業計画案について説明した。
 主な内容は、出走手当を地方競馬では全国最低クラスの一律5万円に引き下げる一方、1着賞金を南関東に次ぐ水準まで引き上げ、最低1着賞金は現行の14万円から35万円に増額。現在、5着までが対象の賞金を4着までとし、賞金比率を現行より高い方式に引き上げる―など。
 競走関係は▽年間の開催日数を現行の131日から88日に減らす▽1日最低9レースとし日曜、月曜に開催▽現行5クラスの格付け区分を3クラスに変更する―とした。
 しかし、組合側が求めていた収支見通しについては示さなかった。その理由について矢島所長は「今の段階では、過去の数字を基に売り上げを算出するのは意味がない」とし、「現在、組合と随意契約している業者との交渉もしていないので、収支見通しは示せない」と説明した。
 ユニシス側の提案について、組合副管理者の谷藤裕明盛岡市長は「具体的な収支見通しが示されず残念だ。発売額や馬資源の確保などに懸念される点もある」、奥州市の岩井憲男副市長は「収支見通しなど具体のデータがないのであれば、厳しい局面にきたと見ざるを得ない」と否定的な見解を示した。
 達増知事は「今まで求め続けて出てきたのが今回の提案。組合としては、この提案で契約交渉に入るか判断するしかない」と、これ以上、ユニシス側に具体案を求めることはしない考えを示し、今回の提案についても「レース数を減らして、(大幅に)1レース当たりの売り上げを高めることが可能かは疑問だ」と述べた。
 県競馬組合は、今回の提案を厩舎(きゅうしゃ)関係者らに提示し、意見を聞いた上で正副管理者会議を開き、来年度の運営方式について月内に最終判断する。

ファンしんみり 旭川競馬60年の歴史に幕

 日本最北の競馬場・旭川。16日は特別な日だった。1948年にスタートし75年新設の現競馬場まで、60年間におよぶ旭川での競馬の歴史に幕が下りたのだ。道営競馬存続へ向けた経営改善策の一環で旭川開催は今年度限り。午後1時40分の開門前から行列ができた。関係者は「こんなのは見たことがないね」と言う。開門後25分で500人が入場した。94年から実施のナイター(大井に次ぐ国内2番目)。ラストレース・エーデルワイス賞後、ファンが馬場の砂を踏みしめる。場内で別れを惜しんだ観客は4000人を超え今季最多となった。
 「2人でよく来た。最後なので写真をたくさん撮ろうと思って…」と旭川市の68歳と61歳の夫婦。同市内の男性ファン(29)は「競馬は馬を見ながらやるのが一番。やっぱり寂しいです」。東京から駆けつけた女性ファン(23)は「年に1度来るのを楽しみにしていました。競馬を続けるためでしょう?仕方ないですね…」と話した。地元であれ、遠方であれ、競馬にかかわる人にとって競馬場がなくなるのは悲しいことだ。しかし、この日の場内に悲壮な雰囲気は感じられなかった。来年度から門別ナイターを主体(札幌でも開催)に行われる馬産地競馬。前進あるのみだ。(スポニチ)

2008年10月15日水曜日

岩手競馬禁止薬物 調教師ら処分

 岩手競馬の競走馬から禁止薬物の気管支拡張剤が検出された問題で、岩手県競馬組合は14日、治療薬として馬に薬物を投与したとして、水沢競馬場(奥州市)の佐々木修一厩舎(きゅうしゃ)の管理調教師と担当厩務員をともに戒告とし、開催日数で調教師を50日間、厩務員を30日間の賞金支給停止とする処分を発表した。担当獣医師も指定獣医師の承認を30日間取り消す。 厩舎は今年4月、気管支拡張剤が1月に禁止薬物に指定されたのを知らずに、飼料に混ぜて与えた。厩務員が競馬法違反容疑で書類送検され、9月に起訴猶予処分になった。県競馬組合は「禁止薬物を与えた責任は重大。薬物に関する研修や立ち入り検査を徹底し、再発を防止したい」と話している。(河北新報)

2008年10月9日木曜日

組合提示額を地主側が拒否 笠松競馬場訴訟

 笠松競馬場(羽島郡笠松町)の一部地主が運営先の県地方競馬組合に土地の明け渡しなどを求めた控訴審の和解協議が8日、名古屋高裁(西島幸夫裁判長)で開かれた。組合側は1坪当たり年間1200円の賃料を提示したが、地主側の合意が得られず、和解協議は事実上決裂した。次回の12月5日の和解協議で両者が合意しなければ再び弁論に移行する。
 組合側の提示案は▽Aランクは1坪当たり年間1200円▽Bランクは固定資産税相当額の1.2倍▽期間は2008(平成20)―12年度とし、13年度以降の単価は12年度に協議する―など。
 組合によると、この提示額で試算した場合、年間3700万円の負担増。08年度から実質単年度収支は赤字に転落し、基金などで補てんしても2014年度限りで底を突く見通し。
 組合幹部は「5年以上の存続を視野に経営の許す範囲内で最大限誠意を持って提示した額。これ以上は絶対に出せず、あとは相手の理解を仰ぐしかない」と話した。
 一方、地主側は当初から一審の和解案の年額1300円を最低ラインと定めており、代理人は「一審の和解案以上のものが出てくると期待していたので失望した」などと受け入れを拒否。次回の和解協議が決裂すれば、その場で弁論が終結する見通し。
 また地主の1人が9月16日に訴えの取り下げ書を名高裁に提出、同20日付で受理されており、地主側は83人となった。(岐阜新聞)

2008年10月8日水曜日

ユニシスへ不信増幅 岩手競馬民間委託交渉

 岩手競馬の民間委託拡大をめぐり、競馬関係者らの間で、交渉先のソフトウエア大手日本ユニシス(東京)に対し不信感が募っている。
 交渉期限が迫る中、具体的な事業計画を示さないばかりか、担当者が長期出張するなど、真意を推し量れないからだ。県競馬組合との協議は今後も難航が予想され、時間切れとなる可能性も出てきた。 
 「生活にかかわる重要なことなのに一言の説明もない。パートナーとして信頼関係が築けるわけがない」。県調騎会の幹部は、来季の事業計画を明かさないユニシスに怒りを隠さない。
 これまでに示された計画は、賞典費の大幅削減などを盛り込んだ企画提案だけ。厩務員の男性(55)は「当初の計画のままでは厩舎の半分以上がつぶれる。ユニシスには来てほしくない」と話す。
 ユニシスは6月の協議開始前から、一貫して守秘義務の契約を求めている。これに対し、競馬組合は「原則公開」を主張し、協議は入り口で止まっている。
 関係者が疑問視するのは、ユニシスの窓口を務める産業機構研究所の矢島洋一所長の対応だ。矢島所長は9月中旬―下旬、競馬組合の協議の申し出を「長期出張」を理由に固辞。守秘扱いとならない範囲での協議にも一切応じず、関係者の多くは「熱意が感じられない」と感じている。
 ユニシスの姿勢について、奥州市選出の県議は「交渉過程で岩手競馬への興味を失ったのでないか。時間切れを待っているかのようだ」と分析。同市で飲食店を経営する岩手競馬ファンの男性(44)は「時間の無駄遣いだ」と協議の打ち切りを求める。 競馬組合は2日、都内で矢島所長と協議し、守秘義務契約とは別に、情報管理のあり方について構成団体の県、奥州、盛岡両市を含めた5者間で契約を結ぶ方向で調整に入った。協議進展の可能性が出てきたが、残された時間は多くない。 今月の民間委託拡大の最終判断を前に、競馬組合管理者の達増拓也知事は県議会で協議継続の意向を説明。一方で「日程的に非常に厳しい」との見方を示した。 ユニシス広報部は「担当者の対応が誤解を招いたかもしれないが、会社として民間委託の受託に取り組む姿勢に変わりはない」と話している。(河北新報)

高知競馬:第2四半期も382万円黒字、年間収支上方修正 「予断許さぬ」

 県は6日、高知競馬の今年度第2四半期(6月30日~10月5日)、382万円の黒字となる収支見込みを明らかにした。1690万円赤字と見込んでいた計画比で見ると、約2000万円の黒字となる。収支ゼロとした年間の収支見込みを約4700万円の黒字と上方修正したが、県は「景気後退の影響もあり、予断を許さない状況」と話している。
 県競馬対策課によると、入場料などの収入は約11億6400万円、賞典奨励費や従業員の賃金などの支出は約11億6000万円となる見通し。
 黒字要因は第1四半期で好調だった、全国的に少ない金曜日の薄暮レースを8月末まで延長したこと。一方で、自場分の売り上げが9億4700万円で計画比95・8%となる。
 薄暮レースは既に終了し、毎年売り上げが落ち込む秋期を迎える。物価も高騰しており、同課は「他場での販売やユニークなレースを開催することで、利益を少しずつ積み上げたい」と話している。
 高知競馬については、尾崎正直知事が昨年12月、新たな県民負担が発生しないことを条件に存続する方針を示している。(毎日新聞)

2008年10月7日火曜日

JRAが外国人向けのサービスを発表

 JRAは、外国人向けに英語、韓国語、中国語(簡体字・繁体字)版『How to bet』 及び『マークカード支援ツール』を制作し、JRAの全ての競馬場やウインズのインフォメーションに用意することを発表した。 また、海外からの外国人を対象としたJRAオフィシャルツアーを、今週11日(土)からの第4回東京競馬から、東京競馬開催中の毎週土曜日に実施することも発表された。※『How to bet』とは、勝馬投票券の購入に関する説明書であり、また『マークカード支援ツール』とは、外国人が簡単にマークカードの記入ができるように考案されたマークカードを入れておく簡易フォルダーのこと。(ラジオNIKKEI)

09年度も民間委託探る 岩手競馬で知事

 県議会9月定例会は6日、本会議を再開。嵯峨壱朗(自民クラブ)、工藤大輔(民主・県民会議)、新居田弘文(同)の3氏が一般質問した。岩手競馬の民間委託拡大を断念した場合の2009年度以降の対応について、達増知事は「現状の形態で運営し、引き続き民間委託拡大の可能性を探っていく」と説明。協議が難航する交渉先の日本ユニシス(東京)とは「日程的に厳しいが、もうしばらく協議する」と述べた。
 岩手競馬の民間委託拡大で、委託するかを判断するタイムリミットが今月末に迫る中、工藤氏は「次なる展開を考えるべきではないか」とただした。
 達増知事は「抜本的な改革の有力な選択肢となり得る民間委託拡大について、仮に09年度から実施しない場合でも、その可能性を探っていく」と答弁。
 日本ユニシスとの約4カ月にわたる協議を踏まえ「これまでの検討や経験を生かしつつスピード感を持って検討しないといけない」と述べた。
 本年度の岩手競馬について、達増知事は「売り上げの減少に下げ止まりの傾向があり、このまま推移すれば本年度の収支均衡の達成は可能だ」との見通しを示した。(岩手日報)

2008年10月1日水曜日

民間委託拡大が難航 岩手競馬

 売り上げ低迷が続く岩手競馬の民間委託拡大をめぐる交渉が難航している。県競馬組合(管理者・達増拓也知事)が交渉相手に選んだIT関連会社が、具体的な事業計画の提示を拒んでいるためだ。30日の組合臨時議会で達増知事は、交渉がまとまらなければ現行方式で来年度の競馬事業を運営する考えを示した。
 「岩手競馬は毎年10%ずつ売り上げが落ちている。危機感はあるのか」「事務方で無理なら、トップが交渉するべきではないか」
 交渉の行き詰まりを説明する達増知事に、議員から厳しい質問が浴びせられた。民間企業のノウハウを取り入れるため、日本ユニシス(本社・東京都江東区)との交渉に一層努力をすべきだとの指摘だが、知事は「企画提案の中身が分からないまま、本当にすべてを任せていいのか」と反論。10月末までに交渉がまとまらなかった場合、売上高を踏まえたコスト調整で黒字を確保する今の方式(07年度に採用)で09年度も運営していく方針を示した。
 臨時議会は、議会側が組合に「積極的かつ早急に正常な交渉を進めるよう強く要請する」との異例の要請文を突きつけて閉会。議論は最後まで平行線をたどった。
     ◇
 組合が模索しているのは、馬券の発売・払い戻しやファンサービスを民間企業に委託する運営方式。売り上げ低迷の続く岩手競馬を、民間の知恵を活用して活性化する狙いで、今年5月末、日本ユニシスが交渉先に選ばれた。
 それから4カ月。組合によると8月末までに7回の協議が持たれたが、具体的な交渉は進まない。危機感を募らせた達増知事が同社の社長に手紙で交渉を求めたが、これも不調だという。
 なぜ交渉が進まないのか。
 組合は「日本ユニシス側から具体的な事業計画の提案がなく、共同作業に入れない」(千葉英寛・副管理者)と不満を募らせる。交渉先を決める委員会で、同社は民間視点の経営管理手法の導入や、インターネットを活用した事業展開が高く評価された一方、賞典費の大幅削減や、組合への収益保証の割合(0、25%)の低さなどが課題として指摘された。しかし、当初の企画提案の内容を超える具体的な計画は同社側から示されないという。
 一方の日本ユニシス側にも言い分はある。組合の説明によると、同社側は「民間のノウハウは金(と同じ)」と秘密保持契約を要求。県、盛岡市、奥州市など組合の構成団体にも計画を明かさないよう求めている。県民への説明が必要な県競馬組合にはのめない条件だ。
 県と盛岡、奥州両市から計330億円の融資を受け「収支均衡」を条件に存続が決まった岩手競馬。よりよい経営のあり方を探るために始めた民間委託拡大の検討が、交渉の入り口でもたついている。(朝日新聞)