2010年3月30日火曜日

岩手競馬、3年連続黒字達成へ 総売り上げ6.1%減

 岩手競馬は29日、2009年度の全日程を終了した。開幕からの累計発売額は207億2300万円(前年度比6・1%減)で、計画値を0・4%上回った。開催経費の削減や基金の取り崩しなどで3年連続の黒字達成を果たしたが、基金がほぼ底をつく来季は、さらに厳しい経営を強いられそうだ。

 県競馬組合によると、20~29日に行った特別開催(6日間)が計画値を上回り、累計発売額は計画比9100万円プラス。他県のレースを販売する広域受託発売は計84億6600万円(計画比3%プラス)。30、31の両日も同受託発売を行うが、3度のコスト削減により09年度の黒字は確実な見通しだ。

 一方、盛岡、水沢両競馬場への入場者数は計35万7345人(前年度比6・1%減)で、売り上げ、入場者数ともに年々減少している。

 競馬組合は10年度計画で、インターネット発売や他主催者との連携強化により今季を上回る209億円の売り上げを見込むが、厳しい経済情勢の中、計画通り売り上げを確保できるかは不透明だ。(岩手日報)

夢の女性騎手へ旅立ち、熊本市の15歳小山さん


 熊本市の小山紗知伽さん(15)が4月6日、騎手を養成する地方競馬教養センター(栃木)へ入所する。今期の合格者13人のうち、女性は小山さん含め2人。「馬に乗って自由自在に駆け回りたい」。夢を胸に、厳しい道を歩み出す。

 子どものころから動物好きで、将来は獣医師になりたかった小山さん。中でも「目がかわいい」馬が好きで、ずっと参加している藤崎八旛宮例大祭でも、馬を操る「口取りがしたい」が口癖だった。

 昨秋、進路を考えるうちに「馬とかかわる仕事を」と騎手を志した。祖母の紹介で荒尾競馬場の調教師・幣旗吉昭さん(57)を訪ね、同競馬場の岩永千明騎手(27)が出場した「レディースジョッキーズシリーズ」も見学。「走り抜ける女性騎手の姿が、たまらなくかっこよかった」と、思いを強くした。

 それからは幣旗さんの元に通い、厩舎[きゅうしゃ]の仕事も体験。「力仕事もすすんでやるし、馬から落とされても怖がらない。騎手になりたいという気持ちが強く、芯のある子だなと感じた」と、幣旗さんもエールを送る。

 教養センターでは2年間、男女の別なくプロ騎手になるためのすべてを学ぶ。途中で断念する人も多いというハードな道のりだが、「夢をかなえるために、やるしかない」。小山さんは真っすぐな瞳で言い切った。(くまにちコム)
【写真】「一生馬とかかわっていたい」と話す小山紗知伽さん=荒尾市の荒尾競馬場

2010年3月29日月曜日

競馬配分金にご満悦 埼玉・上田清司知事

 浦和競馬場(さいたま市南区)を主催する県浦和競馬組合の平成22年度一般会計予算で、構成団体である県とさいたま市への配分金計1億5千万円が計上された。実現すれば6年度以来、16年ぶりの配分。管理者の上田清司知事も「22年度は設備投資や悪天候など経営リスクへの基金を積み立てるが、翌年度はさらに多くの配分が可能になる」とホクホク顔だ。
 バブル崩壊後、不況やギャンブル離れで低迷にあえぐ地方競馬のご多分に漏れず、浦和競馬場も赤字が続き、13年度には累積赤字が25億円に膨らんだ。そこで、経費削減やインターネットなどによる場外馬券販売に注力。この効果で、年間約5億円の利益を計上できるようになり、21年度末に累積赤字を解消できることが確実になった。
 「新たなファン層を開拓することが今後の課題」と語る上田知事。若い世代を競馬場に引きつける清潔感ある施設づくりがそのカギになる。(産経ニュース)

交付金の99%超が天下り法人へ 中央競馬会の畜産振興

 畜産振興のため「日本中央競馬会(JRA)」が2008年度に公益法人などに交付した44億6435万円の99%以上が、所管の農林水産省OBが役員を務める法人に渡っていたことが29日、分かった。競輪の収益から機械工業振興の補助金を受けた法人にも所管の経済産業省OBが多く再就職しており、馬券や車券の売り上げが天下り法人を支える構図が明らかになった。

 JRAによると、売り上げの75%が当たり券の配当となり、国庫納付金や経費を支払った後の余剰金で畜産振興事業を実施している。交付金の対象となる畜産振興事業はJRAが公募で選び、08年度に交付金を受け取ったのは19法人。各法人への取材などによると、うち18法人に農水省OBの役員がいた。

 18法人は「中央畜産会」「畜産技術協会」などで、交付金の合計は44億3945万円。天下りがいなかったのはダチョウ生産に取り組む事業協同組合だけで、交付金は2490万円だった。

 18法人はその後の合併により17法人となったが、今年3月現在で、非常勤を含め農水省OBの役員が延べ61人。複数の法人役員を兼職するOBもおり、実数では49人が役員として天下っていた。(47NEWS)

2010年3月26日金曜日

2010年度から競走番組の呼称を統一

 地方競馬全国協会(NAR)は25日、来年度(2010年度)より競走番組の呼称等の統一を行うと発表した。

 これまで競馬場によって「普通競走」、「一般競走」と異なる呼称が使われてきたいわゆる“平場”競走は「普通競走」に統一される。競走種別としては「重賞」、「準重賞」、「特別」、「普通」の4種類に区分される。

 また、今後「一般競走」とは、年齢によって区分される競走のうち『3歳(4歳)以上の古馬による競走』を指すことに統一される。これにより2010年4月からは「2歳」、「3歳」、「一般(3歳以上)」が年齢の表記として使用されることになる。なお、その他に1月~3月の南関東地区では「4歳」が実施されている。

 さらに、3歳(4歳)以上で実施される「一般競走」が全国どこでもA・B・Cの3つの大区分となる。ただし、このA・B・Cの区分は、全国同じ基準で格付けされるものではなく、それぞれ競馬場によって異なることに変わりはない。また、3つの大区分以下の区分(A1・A2・A3…など)についても競馬場によって取扱いは異なる。

 この理由は、地方競馬は競走馬の在籍状況がそれぞれ地区によって異なり、限られた在籍状況のなかで魅力あるレースを提供するため、それぞれ独自のルールにより競走番組が組まれているからとしている。どの地区においても大区分の基準については、上位からA:約10%、B:約20%、C:約70%に近づけることを目指すとされている。

 今回の呼称の統一に加え、地方競馬の平地競走における、牡馬・セン馬に対する牝馬の負担重量の減量(アローワンス)についての見直しも行われる。牝馬の斤量は地区により取扱いが異なっていたが、2010年4月からは、ハンデ戦や別定戦など負担重量を別途定める競走を除き、3歳以上なら全国どの競馬場でも牝馬は2kg減に統一される。2歳戦を含め、負担重量の取扱いは下記の通り。

【2歳(~9月)】
同斤量(北海道・南関東)、牝馬1kg減(その他の地区)

【2歳(10月~)】
牝馬1kg減

【3歳以上】
牝馬2kg減

※負担重量の切替日については、開催単位が優先される。
※移行期間の2010年6月までに限り、南関東地区3歳戦は牝馬1kg減の取扱いを継続する。(Net-keiba,com)

2010年3月21日日曜日

最終開催、味で盛り上げ 水沢競馬場で米粉めん振る舞う


 岩手競馬の本年度最終開催を盛り上げようと、水沢競馬場調騎会婦人部は20日、奥州市の水沢競馬場で、地元産の米粉を使っためん料理を来場者に振る舞った。

 うどん風の米粉めんは300人分を用意。来場者は独特のもちもちとした食感を楽しみながら、体を温めていた。

 婦人部長の新田弥生さん(54)は「競馬ファンへの感謝と愛情を込めて料理した。新しいシーズンも楽しめるイベントを企画するので、ぜひ競馬場に来てほしい」と呼び掛けていた。

 最終開催は22日までと27~29日の6日間。21日は通常500円の水沢競馬場名物ホルモン(もつ煮)が250円で買える半額券、27日は地元産牛乳のプレゼントなどが予定されている。
 岩手競馬は4月3日から、水沢競馬場で新シーズンを迎える。(河北新報)
【写真】米粉のめん料理を振る舞う婦人部員

2010年3月19日金曜日

道営競馬 20頭合格 日高で能力検


 今年の道営ホッカイドウ競馬でデビューを予定している若馬の能力検査が18日、日高管内日高町の門別競馬場で始まった。

 全国の公営競馬場では最も早い検査。道営の新たなスターを目指し、初日は2歳馬21頭が参加した。レース方式で行われ、800メートルを58秒以内で走れるか、ゲートをきちんと出られるかなどをチェック。直前で出走を取り消した1頭を除く20頭が合格した。検査は今後も随時行われる。

 今年は4月28日から11月18日まで80日間の開催予定で、札幌競馬場開催は休止、全日程が門別競馬場でのナイターレースとなる。新年度に収支均衡を達成できなければ廃止される。同競馬を運営する北海道軽種馬振興公社は「昨年札幌開催だったゴールデンウイーク中の集客がカギ」と話している。(北海道新聞)
【写真】デビューを目指し、ゲートを勢いよく飛び出す若馬たち

2010年3月17日水曜日

岩手競馬 見えぬゴール体力勝負 コスト削減限界


 岩手競馬の再生3年目のシーズンが年度末で終わる。赤字になったら廃止する条件の中、発売額に応じてコストを削る手法で、3年連続の黒字は確保できた。ただ、肝心の売り上げは減少に歯止めがかからず、関係者は今も不安と背中合わせの日々を送る。再生から発展へ。ゴールはまだ見えてこない。

<いつまで持つか>
 「毎朝続けていた厩務(きゅうむ)員の賄いをやめた。みんなを焼き肉に誘うこともなくなった」。奥州市の菅原ふみえさん(55)は、この3年間を寂しげに振り返る。厩舎のおかみさんとして22年間を過ごしたが、今が一番大変と感じている。
 夫の右吉さん(55)は水沢競馬場の調教師。厩舎はこの3年で8人いた厩務員が5人に、給料は20万円から17万円に減った。出走手当などが削られ、馬主が払う馬の預託料も賞金の減額に伴い満額は支払われていない。
 経営は厳しさを増すばかり。ふみえさんは「収入なりの生活をすればいい」と気丈に言うが、右吉さんは「今のままではいつ廃止になっても不思議ではない」と漏らす。
 2007年3月、岩手競馬は盛岡競馬場建設の借入金など約330億円の累積債務を抱え、岩手県などの融資をめぐって存廃に揺れた。新しい再建計画の下、単年度収支均衡が存続条件となり、コスト削減の実施も決まった。
 関係者で負担を分かち合う手法は、経営を確実なものにしたように見えた。だが、コスト削減は3年で計7回に上り、「いつまで持ちこたえられるか」との声も出始めた。

<最悪のシナリオ>
 「再生元年」の07年度と09年度の発売額などの実績は表の通り。県競馬組合と業務の一部を担う県競馬振興公社のスリム化などが進む一方で、騎手や馬などが減った。1990年代には680億円超の売り上げを記録し、今も南関東、兵庫に次ぐ規模を誇る地方競馬の雄も、レジャーの多様化や不景気に苦しむ。
 このままでは最悪のシナリオが待つ。コスト削減で賞金が減り、馬が集まらなくなると、レースの魅力は低下する。ファンは離れ、売り上げが落ち、また賞金が減らされる…。馬も人も去った後には巨額の債務と無用の施設しか残らない。
 県競馬組合の宮一夫副管理者は「売り上げの回復を待つか、今より経費が少ない運営方法を探すしかない」と言う。投資のための借金ができない中、組織は薄暮競馬の実施など改革に努めた。

<危機感にじむ県>
 一方、県職員が幹部に名を連ねる県競馬組合には「お役所仕事」との批判の声も上がる。事務方トップの副管理者は3年で次々変わり、現在は3人目だ。
 08年度に模索した民間委託拡大は頓挫した後、手を上げる企業はない。競馬場を盛岡か水沢のどちらか一つにする1場体制への移行も、残す競馬場の厩舎整備への投資や廃止競馬場の解体費が負担となるほか、何よりも事業の縮小を招きかねない。
 県競馬組合管理者の達増拓也知事は2月、「経営改善などのための新たな投資が必要」として、財源確保の方策を検討する考えを示した。存続条件見直しの議論に発展しかねない発言は、知事の危機感の表れでもある。
 11日、水沢競馬場の場外馬券売り場。前日の雪が残る中、300人のファンが各地の競走をモニターで楽しんだ。「目の前を駆ける馬の姿が楽しみ。それが見られるのは県内で岩手競馬だけだ」。北上市の男性(66)は競馬存続を強く願った。
 本年度は20~22日と27~29日の特別開催でレースを終える。ファンの声援を支えに岩手競馬は4月3日、新たなシーズンを迎える。(河北新報)

2008年度版サラブレッド生産原価

 このほど届いた「JBBA NEWS」3月号に、「2008年度実績・軽種馬の生産費」と題するデータが記載されている。
 これはかなり以前より、中央競馬会の委託を受けて中央畜産会(東京都千代田区、小里貞利会長)が実施している調査で、全国より35牧場、計83頭分の生産費用について平均18.5か月間にわたる期間について項目ごとに計算し、平均値を割り出したものである。
 35牧場のうち、北海道は31牧場、うち日高は27牧場となっている。もちろん、どこの牧場がモデルになっているかは明らかにされていない。
 ただし、日高の27牧場のうち、いくつかは私も知っている牧場である。かなり乱暴に共通項を挙げるとすれば、「経営内容が比較的良く、且つ、データの提供に協力的な牧場」と言えるだろう。サンプルとして十分に“使える数値”を提供してもらわなければそもそも意味がないわけで、その意味でも、どの牧場に協力を仰ぐかはかなり重要な課題でもある。
 さて、この2008年度版の調査結果によれば、サラブレッド1頭当たりの生産費用は全国平均で約631万円であった。北海道では640万5862円、そして日高では637万828円となっている。
 これは前年の調査時よりも率にして5.6%(37万5855円)の減少となっているものの、依然として高い水準で推移していることが分かる。
 生産費用のうち、もっとも大きな割合になっているのが、他ならぬ種付け料である。全国平均で206万9360円、北海道では213万5805円、日高では214万6948円で、生産原価に占める割合は三分の一を超える。
 次に割合の高いのは、労働費で、全国平均136万9279円。北海道でも日高でも大きな差はなく、いずれも130万円台である。
 その他では、繁殖牝馬償却費(54万6423円)、飼料費(37万4062円)、建物費(償却費と修繕費を合わせて24万3135円)、管理用具費(償却費と修繕費を合わせて33万560円)、獣医師料医薬品費14万9433円、といったところが大きな項目として挙げられる。
 これらの項目のうち、変動の大きなものは、やはり種付け料であろう。無料で配合できる種牡馬から、ディープインパクトの900万円まで相当に幅が広いため、種付け料にどれだけ投資するかによって生産原価は大幅に変わってくる。
 ただし、平均的な配合をイメージすると、種付け料200万円~250万円クラスといえば、今年の種付け料では、アルカセット、ステイゴールド、ロージズインメイ、メイショウサムソン、チチカステナンゴ、タニノギムレット、デュランダル、ダンスインザダークあたりが該当するだろうか。1頭当たり200万円として5頭いれば1000万円である。この出費は生産者にとって決して小さなものではなく、とりわけ生産馬の販売価格が伸び悩む昨今ではなおのこと大きな負担となって台所を直撃している。
 631万円を投じてサラブレッド1頭を生産しても、それだけの価格で販売できなければマーケットブリーダーは成り立たない。現実問題として、日高の市場における落札馬の平均価格はこの生産原価に届かない場合が多いため、不足する分はどの項目かを削る必要が出てくる。
 その最たるものは、労働費である。
 飼料費、獣医師医薬品費、繁殖牝馬償却費、建物費、管理用具費などを削減する前に、自分の労賃を計算せずに生産活動を行うことになり勝ちなのだ。約137万円の労働費のうち、家族労働費は107万円。ここがしばしば「ただ働き」になってしまうのである。
 こうして、項目ごとに検証して行くと、やはり種付け料の割合が突出している。オーナーブリーダーが自らの服色で競馬に供するのならばまだしも、マーケットブリーダーが販売を目的としてサラブレッドを生産する場合において、配合種牡馬はかなり重要だから、ほとんど不可避的に「それなりのレベルの種牡馬」を選定せざるを得ない。理論的には、ただ同然で入手した繁殖牝馬に同程度の種牡馬を配合すれば、原価はかなり抑制できる計算だが、それでは実際に販売する時、著しく不利であることは言うまでもない。
 ともあれ、依然として生産者が厳しい牧場経営を強いられていることを実証するデータではある。(Net-keiba.com)

ナイター効果、黒字維持…高知競馬 09年度 電話、ネット販売伸び

 高知県競馬対策課は、高知競馬(高知市長浜宮田)の2009年度の収支が、全国初の通年ナイターレース「夜さ恋(よこい)ナイター」を開始した影響で、2728万円の黒字見通しとなったことを明らかにした。08年度(5684万円)に続く2年連続黒字見通しで、同課は「最後の切り札としてナイター競馬を始めたが、判断は間違っていなかった。今後は経費節減だけでなく、さらに売り上げアップも目指す」としている。県議会産業経済委員会で報告した。
 高知競馬では昨年7月、通年のナイターレースをスタート。結果、高知競馬開催レースの1日当たりの売り上げのうち電話、インターネットによる販売が、ナイター開催前の約25%から今年1、2月は7割に増加。売り上げ高も7割アップの約7000万円に増え、年間売り上げ見込みも51億1400万円と前年度(38億8100万円)を大幅に上回る見通しとなった。
 ただ、電話、インターネットによる売り上げは、運営業者に11~17%の手数料を払う必要があるほか、光熱費やナイター設備の整備費など費用がかさんだこともあり、黒字幅は減少する見込み。ナイター設備の県担分の大半を基金の取り崩しでまかなったため、年度末の基金残高は440万円まで減る見通しとなった。
 同課は、「売り上げを圧迫しているインターネット販売手数料の引き下げについて、業者と相談したい」としている。(読売新聞)

2010年3月14日日曜日

高知競馬:ナイター好調、前年比売り上げ4割増 今年度2700万円黒字へ

 昨年7月から始まった高知競馬(高知市長浜)のナイター開催が好調だ。先月末までの1日当たりの平均売り上げは、開催前の前年比で4割増となったことが分かった。09年度の収支は2月中旬時点で約2730万円の黒字が見込まれ、県は「ナイターの試みが奏功した。引き続き黒字を増やしたい」と話している。
 県が12日、県議会産業経済委員会で報告した。高知競馬では経営難を打破する「切り札」としてナイター競馬「夜さ恋ナイター」を導入。他場では実施していない冬季も含めた全国唯一の通年開催で、収入アップを目指してきた。
 県によると、ナイターを開催した53日分(昨年7月24日~2月28日)で見た1日当たりの平均売り上げは5750万円で、前年度(96日分)より1710万円(42%)増となった。中でも、インターネットを含めた電話投票が3140万円を占め、前年度の4倍以上になった。
 ナイターの好調により、今年度の収支は2月14日時点で、2728万円の黒字を見込んでおり、県競馬対策課は「3月末までを考えても赤字に転じることはない」と話す。来年度は約2700万円の財源不足が見込まれるが、08年度の約5700万円の剰余金などで対応可能という。
 来年度には競馬場内に車椅子用トイレを新設するなど、幅広いファンに訪れてもらえるようサービスの充実を図る方針。ただ、騎手や調教師らへの手当が全国最低水準のため、在籍馬や厩舎(きゅうしゃ)関係者の減少が懸念されるといい、黒字をどう手当に還元するかが課題という。
 また、来年度は自場売り上げの6割を電話投票(インターネット含む)が占める見込みだが、販売会社3社への委託料(売り上げの11・5~17・05%)がネックとなるため、同課は「他の競馬場と一体となり、値下げ交渉をしてきたい」と話している。(毎日新聞)

競馬低迷、京都市財政に打撃 JRAからの「交付金」ピーク時の6割


 近年の競馬人気の低迷が、京都市財政に影響を与えている。日本中央競馬会(JRA)が売り上げの一部を競馬場所在地の自治体に寄付する「環境整備交付金」が、本年度の京都市は約7億円にとどまり、ピーク時の6割に落ち込んだ。ここ10年で最低額で、市担当者も「ギャンブルを推奨するわけにもいかないし…」と困り顔だ。

 環境整備交付金は、競馬場周辺の交通渋滞に悩む自治体の要望に沿って1972年度から始まった。全国10カ所の競馬場、約40カ所の場外馬券場(ウインズ)のある自治体に、JRAが「寄付金」として交付。自治体は競馬場、場外馬券場の周辺の道路などインフラ整備に充てている。

 しかし、競馬ブームで過去最高の売り上げとなった97年(4兆円)以降、JRAの収入が減り、2009年は2・5兆円に。自治体への交付金総額も99年度の85億円から09年度は67億円、10年度は64億円になる見込み。

 交付金は各地の競馬場、場外馬券場の入場者数などに応じて自治体に配分されるが、京都市伏見区の京都競馬場の入場者数は97年の230万人から09年は120万人に半減し、交付金も最高の98年度の10億8千万円から09年度は6億9千万円にまで減った。

 ■JRA「減額やむを得ない」

 市は毎年、当初予算に10億円の寄付を見込んで計上し、京阪淀駅前の広場や道路整備などの財源に充ててきたが、ここ数年は2億円程度が不足している。一般財源からの穴埋めを余儀なくされ、新年度予算案では寄付見込みを7億円に下げた。市は「住民への配慮もあり、競馬場周辺の必要事業は減らせない」としており、苦しい市財政に収入減が大きく響いている。

 交付金をめぐっては制度導入時に自治体が地方税としての徴収を求めたが、JRAの反対で寄付金となった。京都市は「善意の寄付金ではなく税金に近い。一方的な減額は納得できない」とJRAに増額を求めているが、JRAは「こちらも経営は苦しく、減額はやむを得ない。交付金の必要性は感じており、確保できるよう努力する」と説明している。

2010年3月13日土曜日

公営ギャンブル苦境

競輪・競艇売り上げ激減 主催16市 財政への貢献低迷

平日の平和島競艇場(1日午後3時3分、大田区平和島で)
 自治体が開催する「公営ギャンブル」が、青息吐息になっている。多摩地区では、26市中16市が競輪と競艇事業を主催しているが、どこの売り上げもピーク時の半分以下。主催市の新年度当初予算案を見ても、公営ギャンブルの会計から市一般会計への繰り出し額は激減している。各市はファンを増やそうと躍起になっている。

 「ギャンブルは不況に強いと言われているが、とんでもない。今を生きるのが精いっぱいだ」

 大田区の平和島競艇場でレースを主催する府中市の担当者は、そう嘆息する。ピーク時の1990年度、年間約1857億円もあった売り上げは、2008年度には約640億円と3分の1に減少。当時、約168億円あった市一般会計への繰り出しも、新年度当初予算案では5億円だけだ。

 同市が競艇事業を始めたのは55年。固定資産税の課税対象にならない府中刑務所があることなどから、都が主催から撤退した同競艇場で開催に乗り出したという。担当者は「市財政に寄与するのが使命なのに」と現状に苦悩している。

 公営ギャンブルは戦後、地方財政の安定化を目指して制度化された。高度成長期からバブル期にかけ、多額の収益が自治体財政を潤してきた。しかし近年、どこの主催者も府中市と同じ苦境を抱えている。

 「KEIRINグランプリ」発祥の地で、全国トップクラスの入場者数を誇るという立川競輪。これまで、収益から総額約1323億円を市一般会計に繰り出し、JR立川駅前の再開発などに使われ、立川市を多摩地区の中心に押し上げる原動力になってきた。

 しかし、ピーク時(92年度)に約907億円あった売り上げは、08年度は約216億円。運営基盤安定化のため、施設改修や従業員の退職金などに使われる基金を積み増すことにしたため、89年度に約78億円あった繰り出しは、05年度からは1000万円だけになっている。

 また、都十一市競輪事業組合と都四市競艇事業組合に至っては、新年度当初予算案段階で、構成市への繰り出しがゼロだった。

 各公営ギャンブル不振の背景には、景気後退による集客減がある。

目立つ年配男性 「レジャー白書」を発行する日本生産性本部余暇創研によると、著名人を起用したテレビCMを流し、「ハイセイコー」など一般にも知られるアイドル馬を生んだ競馬と違い、競輪と競艇は一般人への浸透に失敗した。ファン層の世代交代が進まず、会場には年配の男性の姿ばかりが目立つ。どの主催者も、集客はピーク時の4割前後。同本部は「今の高齢のファン層が抜けたら、事業が沈み込んでしまう」と指摘しており、各担当者は「新規顧客の獲得」を課題に挙げている。(読売新聞)

高知競馬が黒字

 県は12日、高知競馬の2009年度の収支見通しをまとめた。昨年7月から通年のナイターレースを導入し、インターネットによる馬券購入を本格化した効果が表れ、単年度収支が2728万円の黒字になる見通しとなった。
 県競馬対策課によると、自場開催分の馬券売上額(自場売得金)は約51億1千万円となる見込み。前年度実績の約38億8千万円から31・7%増える。このうち、インターネットを含む「電話投票」は前年度実績の約7億2千万円(自場売得金の18・6%)から、3・3倍増の約24億1千万円(同47・1%)に伸びる見込みだ。
 10年度の収支は2663万円の支出超過を予想している。広告費を確保する一方、本場や場外の売り上げの落ち込みを厳しく予想した結果という。同課の担当者は「これまでの剰余金で対応できる範囲だが、まだ楽観できる状況ではない」と話している。
 地方競馬全国協会(地全協)によると、09年4月~10年2月の全国の地方競馬の電話投票の伸びは、前年同期比平均12・7%だった。これに対し、同期の高知競馬の電話投票は3・4倍の約21億9千万円となり、伸び率は全国で最高となった。(朝日新聞)

2010年3月11日木曜日

鹿児島に馬集い海岸でレース展開

 鹿児島県いちき串木野市の照島海岸で「第53回串木野浜競馬大会」が4月18日に開催される。

 昭和33年、当時まだ馬が輸送機関の主力をなしていたころ、地元の荷馬車組合が花見の余興に始めたという同市でも有数のビッグイベント。日本三大砂丘の一つ吹上浜砂丘の照島海岸に、毎年100頭近くの馬が集まり、サラブレッド・農耕馬・ポニーなど部門別にレースを展開。ユーモラスな走りや華麗な走りが春の浜辺を沸き立たせる。今年は中央競馬場でGⅢレースを走っていた引退馬も参戦する。

 ほかにも、ポニーの試乗会や串木野名産のさつまあげや焼酎のほか、さまざまな地元の特産品が並ぶ地元物産展、串木野菓子組合が浜競馬大会のために開発した「ばふーん饅頭」の販売などが行われる。

 問い合わせは、いちき串木野市商工観光課(電話0996-32-3111)へ。(内外総合通信社)

2010年3月10日水曜日

福山競馬 また基金取り崩し

 福山市は、福山競馬について、2009年度当初予算で基金から取り崩した1億6千万円を施設整備費として全額活用することで、単年度収支の均衡を図る方針を固めた。基金の取り崩しは2年連続になる。

 市によると、施設整備費は、維持・修繕費が1億2千万円、出走手当など馬資源対策費が4千万円。これらを08年度末現在で7億1869万円ある「施設整備等基金」を取り崩し、充当する。

 09年度の福山競馬の収支は第3四半期(昨年4~12月)までで3187万円の赤字。第4四半期の売り上げは前年同期比7%増とやや上向き、競馬場関係者への賞典奨励費を圧縮したことなどから、市競馬事務局は「何とか黒字を確保できる見通し」と説明する。(中国新聞)

パクじぃに祝福の嵐 笠松・現役最高齢の誘導馬


◆ファンら12日協賛レース
 「パクじぃ」の愛称で親しまれている笠松競馬場(笠松町)所属の国内現役最高齢の誘導馬「ハクリュウボーイ」の誕生日を控えた12日、ファンらがハクリュウボーイの名前を付けた協賛レースや、ニンジンのプレゼントで長年の働きをねぎらう。
 24日に27歳の誕生日を迎えるハクリュウボーイは、同競馬場で競走馬として活躍した後、20年間、誘導馬として働いている。人間で言えば80歳を越える年齢で、競馬場を盛り上げたとして、2月に地方競馬全国協会の理事長感謝状を受けた。
 今回、誕生日と理事長感謝状への祝いの気持ちを込めて、ファンと企業から7レースの協賛があった。協賛金は個人で1万円、企業で5万円から。協賛レースには個人や企業がレースに名前を付けることができ、「パクじぃ表彰おめでとう記念」「笠松の癒(いや)し隊パクじぃ杯」などの名前が付けられる。1頭の馬に7つの協賛が付くことは極めてまれで、パクじぃの人気ぶりを示した。
 三重県桑名市の主婦岡田洋子さん(39)はファン数人と、携帯電話のストラップや写真付きの絵はがきなどパクじぃグッズを手作りし、競馬関係者の家族でつくる応援団体「愛馬会」が運営する場内の売店で販売。その売り上げを、協賛金などを4レース分の協賛に当てた。岡田さんは「高齢でも注目されにくい誘導馬として頑張るパクじぃを多くの人に知ってもらいたい」と話している。
 12日は、パクじぃが観客の出迎えと見送りをするほか、第3レース後の正午すぎごろには、ファンからパクじぃにニンジンが贈られる。当日はパクじぃの写真撮影などもできるという。
 飼育員の塚本幸典さん(53)は「多くの協賛はパクじぃが愛されている証拠。多くのファンの力で理事長感謝状もいただけた。ファンに恩返しできれば」と話している。(中日新聞)
【写真】ハクリュウボーイと理事長感謝状を持つ飼育員の塚本さん=笠松町の笠松競馬場で

2010年3月9日火曜日

福山市営競馬 黒字確保の見通し

 経営不振が続く福山市営競馬の今年度の収支について、同市の羽田皓(あきら)市長は8日、1~3月の第4四半期の馬券の売上額が回復傾向にあり、これまで積み立ててきた施設整備等基金からの繰り入れなどで黒字を確保できるとの見通しを示した。同日の定例市議会の代表質疑で答弁した。
 市によると、今年1~2月の1日当たりの馬券の売上額は、前年同期比7%増の1億957万円とやや回復。振興策として取り組んできた他の競馬場での市営競馬の馬券の売上額が伸びたことが主な要因という。
 答弁で羽田市長は「基金からの繰り入れが前提だが、現時点では収支は均衡すると考えている」と述べた。(毎日新聞)

2010年3月2日火曜日

「福山競馬廃止」発言に抗議

 福山商工会議所の林克士会頭が福山競馬の廃止もやむを得ないと会見で表明したことを受け、福山競馬関係団体連絡会議(渡辺貞夫会長、8団体)は1日までに林会頭に抗議文を出す方針を決めた。

 福山競馬存廃については現在、市の市営競馬検討委員会が2月から議論を重ねているが結論を出すには至っていない。検討委員には福山商議所の専務理事もいる。

 連絡会議は(1)関係者間の協議を軽視している(2)意見は検討委に集約すべきだ―との理由で「地元経済界のトップとしては軽率な発言。見過ごすわけにはいかない」と反発。準備が整いしだい抗議文を提出するという。

 林会頭は2月26日の定例記者会見で「(競馬場関係者の)雇用には配慮が必要だが、問題を先延ばしするべきではない」などと発言。廃止後の跡地利用にも言及している。(中国新聞)

笠松競馬、2億円赤字へ 訴訟和解で賃料支払い

 笠松競馬(笠松町)の2009年度の収支が約2億円の赤字見通しであることが分かった。一部地主による土地明け渡し訴訟で昨年12月、賃料を上げることで和解。未払い分も合わせて計1億4500万円を支払ったため、08年度の黒字(約1億6000万円)から赤字に転じた。
 同競馬を運営する県地方競馬組合が1日、10年度一般会計当初予算の発表会見で明らかにした。赤字に転じるのは04年度以来、5年ぶりとなる。
 馬券売り上げは09年度当初は116億円と見込んでいたが、実績では120億円に届く見通し。ただ、08年度の122億円と比べて売り上げは落ちている。
 県はこれまで税金での赤字補てんに否定的な姿勢で、10年度から分割納付が始まる予定だった地方競馬全国協会への交付金の償還が3年間延長されて年3200万円の負担が先延ばしになるとはいえ、組合は厳しい経営を強いられそうだ。
 組合は10年度一般会計当初予算に前年度比2・4%増の128億8400万円を計上。
 活性化のため、同競馬所属のG1優勝馬「ラブミーチャン」の広報強化や、若い2歳馬の確保のため、一部レースの賞金を上げる。他の競馬場の場外発売の日数を増やして、全体の収入増を目指す。また、経費削減のため、遊休地の活用や返却にも取り組む。(中日新聞)

松競馬:新年度、プラス予算の128億円--ラブミーチャン効果

 笠松競馬を運営する県地方競馬組合は1日、総額128億8428万円(前年度比2・4%増)の10年度当初予算案を可決した。前年度当初は不況を見込んでマイナス予算としたが、オグリキャップの再来ともいわれるラブミーチャン(3歳牝馬)効果もあってプラス予算となった。

 競馬事業収入のうち勝馬投票券発売額は、前年度比1億円減の119億円を見込む。歳出では、土地明け渡し訴訟が和解したことで、地主への借地料支払いに前年度比1700万円増の9733万円を計上。地方競馬全国協会への納付金は9363万円を計上。10年度から納付予定だった未払いの納付金3億2000万円は3年間の償還延長となった。

 10年度の開催日数は前年度と同じ21開催101日。JRAの開催日と重なって赤字が見込まれる日曜開催を4日から1日に減らす。笠松でのレース後、他の競馬場のリレーナイターの馬券を発売する日を前年度より21日多い85日にして増収を図るほか、ラブミーチャンの広報強化で新規ファン層の拡大を図る。(毎日新聞)

大井競馬の小林牧場に坂路施設が完成


 千葉県印西市の大井競馬小林牧場(分厩舎)に坂路調教コースがこのほど完成し、3月1日(月)より試験運用が開始された。
 坂路調教コースは全長1050メートル、うち坂路部分は400メートル(勾配3.0%)で、馬場敷材には排水性に優れ、馬の脚部に負担を与えにくいと言われている新素材「ニューポリトラック(電線被覆材、ポリエステル不織布、ポリウレタン繊維、硅砂等をワックスで混合したもの)」が使用されている。なお、同施設は地方競馬全体のレベルアップに資する目的から、他の地方競馬場所属馬が利用することも可能とのこと。(地方競馬全国協会)
【写真】小林牧場全景(左下が坂路コース)