2009年12月30日水曜日

高知競馬 “球児特別”今年も サイン色紙プレゼント

 今年国内最後のレースがある31日の高知競馬(高知市長浜宮田)で、第4、第6の2レースを高知市出身のプロ野球・阪神の藤川球児投手が個人協賛することになった。第4レースを「頑張れ高知競馬特別」、第6レースを高知ファイティングドッグス(FD)の独立リーグ日本一を祝い「おめでとうFD特別」と名付けて、盛り上げる。第5レース(午後3時10分発走)には、最多出走記録を更新中のダイナブロス号が300戦目に臨む予定で、〈熱い大みそか〉になりそうだ。

 同競馬では、個人なら1万円で好きなレース名が付けられる「個人協賛レース」を実施中。藤川投手は2005年から毎年、協賛している。今回は2レースを協賛するほか、背番号「22」にちなんで、直筆のサイン色紙を入場者の先着220人の中から、抽選で22人にプレゼントする。藤川投手は県競馬組合を通して「今年のペナントは優勝を逃したが、来年こそはV奪還する。頑張れ高知競馬」とコメントしている。

 また、第5レース後にダイナブロス号の記念セレモニーが行われ、第9レースで同競馬のグランプリレース「県知事賞」がある。(読売新聞)

福山競馬の名シーンがDVD


 福山市は、福山競馬場の開設60年を記念したDVDを制作した。全国交流レースにも参戦した福山競馬所属の名馬のレース映像などを収録している。非売品だが、市内の図書館で視聴できる。

 ローゼンホーマやアサリュウセンプー、スイグンなど29頭を「福山アラブ名馬列伝」として紹介。9月のアラブ系馬最後の単独レースや2005年に導入されたサラブレッドの重賞レースも盛り込んでいる。開設期ごろの観客席などを撮影した写真も収めた。

 DVDは約45分間で200枚制作。市内の8図書館で視聴できる。市競馬事務局は「過去の名馬の力強い走りっぷりを堪能してほしい」と話している。(中国新聞)

【写真説明】アラブ系馬のレース映像が収録してあるDVD

「ハート王子」集客作戦乗り出す…広島・福山市競馬


 広島県福山市営競馬場が、額に白いハート模様がある3歳の牡(ぼ)馬・ハマノバレンタイン=写真=に「ハート王子」の愛称を付け、集客作戦に乗り出している。
 11月末から女性やカップルに写真入りカードを配っているほか、来年のバレンタインデーまでの出走日に4度来場してスタンプを集めた人には使用済みの蹄鉄(ていてつ)をプレゼントする。次回の出走は1月2日の予定だ。
 ハマノバレンタインは今年2月に中央競馬でデビュー後、不振だったが、9月、福山に移ってから8戦2勝と調子は上向き。累積赤字20億円の福山競馬を救う切り札として、ファンの心をつかめるか。(読売新聞)

崖っぷちホッカイドウ競馬 札幌開催撤退でも厳しい存続「条件」 後編


売り上げが今年度並みに終われば、赤字1億円で廃止の公算。

 さまざまな経営改善策を講じ、今年度の赤字目標3億円を達成する見込みのホッカイドウ競馬。単年度赤字ゼロが存続の条件となる来年度は、全日程を門別開催(全ナイトレース)に集約し、生き残りを賭ける。

 中編で述べたように、今年度の発売総額は前年比1億5300万円(1.4%)増の115億円4500万円。来年度は、札幌開催の休止と札幌競馬場場外発売の中止で計2億円の経費削減を見込めるものの、売り上げが今年度と同様ならば、単純計算で1億円の赤字が生じ、廃止を余儀なくされる。

 赤字1億円を解消するために必要となる来年度の売り上げは、どの程度増やさなければならないのかーー。

 競馬事業は発売額の75%が払い戻しに充てられ、残り25%が主催者の収入となる。そのため、1億円を穴埋めするためには、4億円の売り上げを要する。

 しかし、発売額の25%が収入となるのは主催者直営の馬券売り場での発売のみ。インターネットや電話、南関東競馬の馬券売り場などで発売する場合は、主催者協力金としてマージンを支払うため、収入は25%のうち10~15%にとどまる。

 今年度の発売内訳は、道内発売43億6700万円、道外発売19億6700万円、インターネット・電話発売52億1200万円。道外発売とインターネット・電話発売は71億7900万円で、発売総額の約62%を占める。

 道の競馬事業室は「道内発売でも全19場外発売所のうち、5つの民活ミニ場外では賃料などを差し引くと収入は10~15%にとどまる。主催者や発売形式によってそれぞれマージンが異なる。現在、来年度の計画を作成中のため、売り上げに占める収入がどの程度になるか、算出していない」と説明する。

 ただ、三輪茂北海道軽種馬振興公社理事長(日高町長)は、今月15日に開かれた「北海道地方競馬運営委員会」で「道内、道外、ネットなどの割合をならすと実質17%程度」と収益構造を説明した。

 ホッカイドウ競馬が得る収入を売り上げの17%に設定した場合、来年度は5億8800万円の売り上げを増やさなければ、1億円の収益は生まれない。よって、来年度の売り上げは約121億3000万円必要となる。

 道は正念場となる来年度に向け、「全国の人に馬券を買ってもらえるようにしたい」(道競馬事業室)として、収入の柱となる道外発売やインターネット発売を伸ばしていく考え。南関東競馬以外の発売やスポーツ紙に掲載する競走情報の増加、インターネット会員募集の広告などの発売拡大策を講じる。

 また、門別競馬場や場外発売所でのファンサービスの強化や、旅行会社と提携した観戦ツアーなどを実施することで道内発売を確保するほか、魅力あるレースづくりのため、JRAの条件交流競走や地方競馬の牝馬シリーズへの参加、ハンデキャップ競走の拡充などを図る。

 景気が低迷する中、競馬場入場者数や客単価は全国的に減少傾向にある。景気の低迷によって道内発売が今年度よりも落ち込むことが予想される来年度は、どれだけ門別のナイトレースをPRできるかが、存続のカギとなる。(北海道365)
<写真>今年度から全レースがナイターに移行した門別競馬場(写真提供:北海道軽種馬振興公社)

2009年12月29日火曜日

3月1日から自己申告制「定期馬房貸し付け方法」

 JRAは28日、調教師への定期馬房貸し付け方法を10年3月1日から変更すると発表した。
 メリットシステムによる成績下位厩舎からの馬房削減を見合わせ、各調教師の自己申告によって馬房の加増、返還を行う。加増申告を行った調教師がメリット査定上位10位以内となった場合、加増される。加増は2馬房ずつで、上限は従来通り28馬房。下限は10馬房で、馬房削減となった調教師が査定での条件順位を満たした場合の馬房復活も継続される。(スポニチ)

2009年12月28日月曜日

福山競馬存続求め連合会発足 関係8団体が連携


競馬事業の存続を求めて発足した「福山競馬関係団体連合会」の初会合

 福山市が1月に市営競馬(同市千代田町)の存廃を考える検討委員会を設置する方針を示したことを受け、県調騎会、県馬主会、県厩(きゅう)務員会など8団体は27日、「福山競馬関係団体連合会」を設立。署名など存続に向けた活動を本格化することを申し合わせた。

 県馬主会館(同所)での初会合には、各団体の代表ら約20人が出席し、会長に渡辺貞夫県調騎会長を選出。「経営的には悪いが、何もしなければ何も始まらない。みんなの声を伝えていこう」と、競馬場周辺で市に存続を訴える署名活動をしたり、のぼりを掲げて競馬事業の必要性をアピールすることを確認。積極的なファンサービスなど振興策も提案された。

 競馬関係者は約1000人ともされ、仮に廃止となれば雇用面の影響は大きく、市も相応の生活支援策が求められる。渡辺会長は「競馬に関係する団体が連携することで、行政や市民に継続をアピールしたい」と話している。(山陽新聞)

福山競馬の存続求め連合会結成

 経営不振が続く福山市営競馬をめぐり、存廃を含めた運営方法のあり方を議論する同市の検討委員会が年明けに設置されるのを前に、県調騎会や県馬主会、県きゅう務員会など競馬従事者でつくる8団体が27日、競馬事業の存続を求める「福山競馬関係団体連合会」を結成した。市内であった初会合で、市民らを対象に存続に向けた署名運動やPR活動などに取り組む方針を確認した。

 初会合には、各団体の代表ら約20人が出席。連合会会長に選ばれた県調騎会の渡辺貞夫会長は「存続に向けて8団体が一致団結し、取り組んでいきたい」とあいさつ。県馬主会の八木徹会長も「競馬を何とかしようという現場の一生懸命な姿勢を市民に見せていきたい」と訴えた。

 出席者らは、存続を訴えるのぼりの競馬場周辺への設置や、市営競馬の魅力を高める活性化策などを議論。今後も会合を重ね、連携して存続策に取り組むとしている。

 市営競馬は昨秋からの不況などで収支が急激に悪化し、今年度上半期は約3800万円の赤字を計上。「単年度黒字の確保」を存続の条件としている市は検討委の議論や雇用への影響なども考慮し、事業の今後を判断する方針を示している。(毎日新聞)

2009年12月27日日曜日

栗東トレセン調教用 ゼッケン再利用 県内の2授産施設 「バッグ」ブランド化

 滋賀県内の2つの授産施設が連携し、栗東市の日本中央競馬会(JRA)栗東トレーニング・センターの競走馬のゼッケンをリサイクルしたバッグの独自ブランドを立ち上げた。ブランド化で付加価値を高め、障害者の収入アップを図る。

 ■障害者の収入アップ期待

 作業所は、トレセンに近い草津市山寺町の身体障害者授産施設「若竹作業所」と、守山市水保町の聴覚障害者授産施設「びわこみみの里」。バッグは2006年、若竹作業所が、廃棄されていた調教用ゼッケンを無償で譲り受けて作り始めた。場外馬券場などで販売したところ、競馬ファンらに好評で話題になった。

 これまでは縫製作業を一般企業に任せていたが、障害者がすべての作業に当たれるようにデザインなどを見直し、びわこみみの里で縫製や包装を行うようにした。若竹作業所でゼッケンに付いた泥や汗の汚れを落とした後、同里で製品化する。

 これを機に英語で「優駿」を意味する「steed」という名前も付けブランド化した。製品は「パドック」や「ジョッキー」などユニークな名前を付けたショルダーバッグやトートバッグなど5種類があり、どの製品にも馬の顔をイメージしたブランドマークを刻印している。

 バッグ製作の橋渡しを務める県社会就労事業振興センター(草津市)の城貴志さん(32)は「一般ブランドとも勝負できるよう品質を高め、より多くの障害者の収入アップにつなげたい」と期待する。(京都新聞)

<写真>競走馬の調教用ゼッケンをリサイクルして作られたバッグのブランド「steed」(草津市・県社会就労事業振興センター)

 インターネット販売が中心で、アドレスはhttp://steed.jp/

地方出身で初、内田騎手が中央競馬年間最多勝

 今年の中央競馬は27日で全日程を終え、地方競馬出身騎手の内田博幸(39)(美浦、嶋田潤厩舎(きゅうしゃ))が146勝を挙げ、年間最多勝騎手となった。


 地方出身騎手が、中央で年間最多勝を獲得したのは史上初めて。

 中央ではトップジョッキーの武豊(40)(栗東、フリー)が、前年までの7年連続を含めて過去20年で18回最多勝を獲得し、長く王座を保っていた。

 しかし今年は、夏頃から内田が武をリードし、最後は6勝差で逃げ切った。1989年に東京・大井競馬の騎手としてデビューした内田は、長く地方の第一人者として活躍。

 2004年から4年連続で地方競馬の年間最多勝騎手となったほか、06年には年間524勝の日本記録も樹立。昨年中央に移籍した。(読売新聞)

2009年12月23日水曜日

馬主登録拒否は「違法」 JRAに取り消し命令 札幌地裁

 暴力団関係者との交際を理由に馬主登録の申請を拒否したのは不当だとして、日高管内新ひだか町の会社社長が、日本中央競馬会(JRA)に処分取り消しを求めた訴訟の判決が22日、札幌地裁であった。杉浦徳宏裁判長は「JRAの裁量権乱用で違法」とし、処分取り消しを命じた。

 判決によると、JRAは2007年、暴力団関係者との交際があり、競馬の公正を害する恐れがあるとして、会社社長の登録申請を拒否したが、杉浦裁判長は、交際は顔見知り程度の接触と認定。「反社会的勢力と接触があっても、その関係や程度を考慮するべきで、一律に公正を害する恐れがあると判断するのは妥当性を欠く」と判断した。

 JRA広報部は「主張が認められず残念。判決内容を見て対応したい」とコメントしている。(北海道新聞)

2009年12月22日火曜日

最多出走300戦あと1、13歳ダイナブロス…高知競馬

 最多出走記録の更新を続けている高知競馬(高知市)のダイナブロス(牡(おす)13歳)が、31日にも300戦を達成する。人間でいえば還暦前後で、全国の地方競馬を流れてここまで来たが、今年も1勝を挙げて通算成績は13勝に。運営する高知県競馬組合は「無事是(これ)名馬を地で行く」と大記録にあやかり、元日の来場者先着200人に、ダイナブロスのたてがみを「長寿と健康のお守り」として配る。

 ダイナブロスは1998年に新潟競馬でのデビュー後、岩手競馬などに参戦。2003年、所属先だった山形県・上山競馬が廃止となったものの、高知競馬の田中守調教師(41)に引き取られた。中央競馬の名馬・テイエムオペラオーや、負けても走り続けて高知競馬を有名にしたハルウララとは同い年になる。

 「天性の頑丈さが取りえ。見た目は5、6歳」(田中調教師)というダイナブロス。目立ったけがはなく、夏場にも大崩れしない。08年11月、地方競馬全国協会に記録が残る1969年以降で最多の267戦を達成。現在も2位の記録(268戦)を引き離す。出走回数の多い地方競馬でも、100戦までが一般的という。

 高知競馬も、県の「赤字即廃止」という方針を受け、ナイター開催など経営努力で何とか収支の均衡を保つ。

 いつも騎乗する森井美香騎手(25)は「気性はおだやかだが、精神力と負けん気の強さが元気の秘訣(ひけつ)。300戦目は勝たせてあげたい」と話す。
(読売新聞)

2009年12月21日月曜日

福山競馬 赤字脱却疾走できるか


 1949年9月に開設された福山市営競馬場(福山市千代田町)は今年、60周年を迎えた。戦後復興期から現在に至るまで、多くのファンに親しまれてきたが、約20億円の累積赤字を抱えるなど、経営を取り巻く環境は厳しい。今年は先行きに不透明感が増した1年となった。
 1月2~4日、1年で最も馬券が売れる正月競馬が行われたが、景気悪化の影響などで、売り上げは前年同期比のおよそ1割減となり、厳しいスタートとなった。2008年度の収支は、基金の取り崩しなどで677万円の黒字をなんとか確保したが、09年度上半期(4~9月)は3834万円の赤字となった。9月には、国内で唯一続いていたアラブ馬の単独レースが、ファンらに惜しまれながら幕を閉じた。
 厳しい状況を打開しようと、県馬主会は2月、専門家やファンを交えたシンポジウム「福山競馬再生会議」を初めて開催。福山市の景勝地、鞆の浦にゆかりのある幕末の志士・坂本龍馬が生まれた高知市の高知競馬との交流レース「海援隊シリーズ」が5月に開催されるなど、関係者一丸となって活性化に力を入れてきたが、光明はまだ見えない。
 市は12月、事業の存廃も含めて議論する、外部の有識者や専門家による「福山市営競馬検討委員会」を10年1月以降に設置する方針を示した。正念場を迎えている福山市営競馬場。来年以降も、疾走を続けることは出来るのだろうか。(読売新聞)

ジョッキー優勝金を積み立てて贈り物 水沢で騎手部会


 岩手競馬騎手部会は20日、盛岡市の児童養護施設「和光学園」の子どもたちを水沢競馬場(奥州市)に招き、クリスマスプレゼントを贈呈した。
 騎手部会の小林俊彦会長が「レースも見て、競馬場を楽しんでください」とあいさつ。サンタクロース姿や勝負服の騎手10人が、21人の子どもたち一人一人に野球道具やおもちゃなどを贈った。
 盛岡市青山小4年宇田詩織さん(9)が「騎手の皆さんも体に気を付けて活躍してください」と述べ、お礼にクリスマスカードを手渡した。
 子どもたちは引き続き、サラブレッドの乗馬を体験したり、レースを観戦したりして競馬場の雰囲気を楽しんだ。
 岩手競馬では毎年、年間1400レースで優勝した騎手が1レース100円ずつを積み立て、岩手県内の児童養護施設にクリスマスプレゼントを贈っている。(河北新報)
写真=騎手(中央)からプレゼントを渡され、大喜びする子どもたち

崖っぷちホッカイドウ競馬 札幌開催撤退でも厳しい存続「条件」 中編


「札幌撤退」は経費削減の"最後の拠り所"。存続の方策は門別での売上増のみ。

 前編で報じたように、239億円の累積赤字を抱えるホッカイドウ競馬は、来年度の単年度収支をゼロにしなければ、廃止を余儀なくされる。

 ホッカイドウ競馬は、1992年度から単年度赤字に転落した。バブル崩壊による長引く不況やレジャーの多様化などを要因に、売り上げ減少に歯止めが掛からず、94~01年度までは10~20億円台の単年度赤字が続いた。97年度に門別トレーニングセンターを改装して門別競馬場を開設、98年度から門別開催をスタートさせ、同時に売り上げが低迷していた帯広と岩見沢での開催を撤退した。

 累積赤字が100億円を超えた99年度にホッカイドウ競馬の存廃議論が浮上し、道は組織改編やミニ場外馬券場の設置などのコスト削減・発売拡大策を進めてきた。02年度以降は赤字額を縮減させているものの、依然として赤字体質は脱却できず、今年度も含め18年連続で赤字決算となる見込みだ。

 道は昨年度で旭川開催を終え、今年度からは開催業務を社団法人「北海道軽種馬振興公社」に委託、経費削減と効率化を図った。さらに発売拡大策として、初期投資や運営経費の負担が少ない民間活用型ミニ場外を道内4カ所に新設した。

 経営改善策により、今年度の発売額は札幌・門別開催(計81日間)で、前年比1億5300万円(1.4%)増の115億円4500万円となった。目標額に約2億5000万円(97.9%)足りなかったが、不足分はオフ期間も場外発売所で発売する南関東やばんえい競馬の主催者協力金で賄い、今年度の収支目標(赤字3億円)を達成する見通しだ。

 今年度のホッカイドウ競馬は、4~5月に実施された札幌開催(6日間)で、出走馬が集まらずレース数が減少、発売額は計画比11.5%減の7億2100万円にとどまった。

 道競馬事業室は「札幌開催に出走馬が集まらなかったのは、主戦を旭川から門別にシフトしたため。例年はオフ期間に門別競馬場をトレセンとして使用しているが、昨年度は門別集約に向けた競馬場の改修工事があり、使用が制限されたため、調教が遅れて札幌開催に間に合わない馬がいた。さらに、これまでは馬産地の門別から札幌、旭川、門別と馬を輸送しながら転戦するのが主流だったが、旭川開催がなくなったことで、門別に照準を合わせて調整する馬が増えた」と説明する。

 昨年度の札幌開催(8日間)は1日平均11レースが実施され、1レース平均10頭(計880頭)が出走した。対する今年度は、6日間で1日平均9.2レース、1レース平均9頭(計495頭)と落ち込んだ。1レース当たりの売り上げは前年並みだったものの、計画していた66レースのうち出走馬不足で11レースが組めず、その分の売り上げを失った。

 さらなるコスト削減を余儀なくされるホッカイドウ競馬は、来年度、札幌開催から撤退することが確定的だ。今年度限りでの札幌競馬場場外発売の中止も決めており、計2億円の経費削減を見込んでいる。

 ただ、経費を2億円を削減できたとしても、来年度の売り上げが今年度並みに終われば、単純計算で1億円の赤字が生じる。今後も大幅に経費を削減できる要素は残っておらず、ホッカイドウ競馬の存続に残された道は、来年度の売り上げアップしかない。以下、後編に続く。(北海道365)
<写真>写真・来年度のホッカイドウ競馬開催中止が濃厚となった札幌競馬場

2009年12月18日金曜日

日高町・門別競馬に白馬が来年デビューへ、活躍期待


 競走馬としては極めて珍しい白馬(サラブレット)が来年のホッカイドウ競馬にデビューすることになり、このほど日高町の門別競馬場で純白の姿が披露された。関係者らは新しいアイドルホース誕生への期待を膨らませている。
 白馬は埼玉県のヤナギスポーツ所有の「フラッシュリリーの2008」。日高町の山本通則さんが生産した白毛の1歳牝馬。これまで国内で競走馬として登録された白毛は22頭しかおらず、父馬の「ハクホウクン」は中央と地方両競馬を通じて日本で初めて白毛競走馬で勝利を挙げた。
 先月24日から同競馬場の米川伸也厩舎(きゅうしゃ)に入厩。現在は来年3月中旬からのデビュー前の能力検査に向けて調教が進められている。米川調教師(57)は「度胸もある。どんどん馬体も良くなってきている。調教中の事故が無く、無事に来年デビューしてほしい」と期待を込めて話している。(室蘭民報)
【写真=来年のホッカイドウ競馬で活躍が期待される白毛の競走馬】

2009年12月17日木曜日

公費投入に批判 帯広競馬場複合施設化説明会


オンブズマンの会 「行政はギャンブルでない」

 帯広競馬場の複合施設化で、帯広市は16、17の両日、市商店街振興組合連合会(夷石行夫理事長)の関係者、とかち市民オンブズマンの会(長谷川亮会長)と相次いで会合を開き、事業計画を説明した。中心街関係者は事業計画に一定の理解を示す一方、オンブズマン側からは公費投入や行政執行のあり方について批判が噴出した。(中津川甫、大谷健人)

中心街関係者は好意的意見

 市振連関係者への説明会は16日午後6時半から市内の坂本ビルで開かれ、約20人が参加した。出席者からは街なかのにぎわい創出に向けて、計画を好意的に受け止める意見が多かった。

 市側は「とかちむら」をコンセプトにした民間会社の事業提案をスライドや模型を使って説明。産直市場、レストラン、物産館などで十勝の魅力を発信し観光名所にする考えを伝えた。商店街側は「(商店街と競馬場の)両方にメリットがでるよう協力したい」などと応じていた。

 オンブズマンとの懇談会は17日午前10時、市役所で開かれ、オンブズマン側から10人が出席した。市商工観光部は民間会社への補助として、現時点で想定される2億円程度のほかに金利(2.5%)負担も発生すると説明。特別会計で支出している競馬場賃料1億5000万円のうち、複合施設の借地料は一般会計で負担する考えを説明したが、想定額は明言しなかった。

 オンブズマン側からは「あれだけの土地なら最低でも(借地料は年間)1000万円は要求される。競馬の負担を減らすためなら話が全然違う」「(競馬に対し)一般会計から持ち出さないとした市長の方針は撤回するのか」などの懸念が噴出した。総事業費や補助額についても「税金を使う事業でありながら、まちづくり懇談会では説明が一切なかった。行政はギャンブルではない」と述べ、説明不十分の場合は市民訴訟も示唆した。(ばんえい十勝劇場ブログ)
<写真>帯広競馬場の複合施設化で意見交換する市担当者とオンブズマンの会のメンバー

2009年12月16日水曜日

崖っぷちホッカイドウ競馬 札幌開催撤退でも厳しい存続「条件」 前編


すでに経費削減は限界、売り上げ増を達成できなければ、来年度で廃止。
 かつては札幌、旭川、帯広、岩見沢の道内4市を転戦、"ジプシー競馬"と揶揄されることもあったホッカイドウ競馬。
 道がそのホッカイドウ競馬の存廃を決める来年度からは、"ジプシー競馬"が解消され、日高管内日高町の「門別競馬場」で集中開催させることが確定的だ。
 道は昨年3月、08年度以降の3年間で赤字体質を脱却するため「北海道競馬改革ビジョン」を策定した。改革ビジョンには、08年度の赤字額を5億5000万円、09年度は3億円に縮減、10年度にゼロとする数値目標を掲げ、10年度に収支均衡化が図れなかった場合は競馬事業を廃止すると明記した。
 道は施設使用料や輸送費などの経費を削減するため、旭川開催を昨年度で終了させた。今年度は札幌(6日間)と門別(全ナイトレース76日間)の2カ所で開催することで、さらに数億円の経費を削減した。また、今年度限りで札幌競馬場の場外発売を終え、来年度からはJRA(日本中央競馬会)に支払っていた賃料や人件費、清掃費など約1億円を削減する。
 今月15日には、ホッカイドウ競馬のあり方を考える「北海道地方競馬運営委員会」(委員長・佐藤郁夫札幌大学教授)が開かれ、札幌開催を「現状の深刻さを考えた場合、来年度の休止はやむを得ない」と結論付けた。
 ホッカイドウ競馬は1948年、帯広開催を皮切りにスタート。道営競馬として、戦後復興期とともに発展し、53年度には札幌開催が始まった。その後、旭川・岩見沢開催も組み込まれ、ピークの91年度に454億円を売り上げた。初年度から91年度までは、一般会計に総額290億円を繰り入れ、道財政に貢献した。ところが、92年度以降はバブル崩壊による長引く不況やレジャーの多様化などを要因に単年度赤字に転落、08年度の累積赤字は239億円に達した。
 累積赤字が100億円を超えた99年度に存廃議論が浮上、前述したように来年度に存続の是非が決まる。以下、中編に続く。(北海道365)
<写真>門別競馬場のナイトレース(写真提供:北海道軽種馬振興公社)

2009年12月15日火曜日

札幌開催休止へ 地方競馬運営委がホッカイドウ競馬存続に向け「苦渋の決断」


道は競馬場使用料や馬の移送費などの削減効果を約1億円と試算。


 毎年4月から5月にかけて札幌競馬場で実施される「ホッカイドウ競馬(道営競馬)」の札幌開催が、来年度から休止される見通しとなった。

 巨額の累積赤字を抱える道営競馬は、来年度の単年度収支を赤字ゼロに改善しなければ、廃止を余儀なくされる。

 道営競馬の存廃議論は累積赤字が100億円を超えた1999年度に浮上。道は組織改編やミニ場外馬券場の設置などを進めてきたが、00~06年度も10~20億円台の単年度赤字が続き、08年度の累積赤字は約239億円に達している。

 道は今年度から主戦だった旭川開催を終了、門別開催(全ナイトレース76日間)にシフトするなど、さまざまな経費削減策を講じた。今年度の発売総額は前年比1.35%増の115億円4500万円。目標額の97.88%と健闘したが、赤字は3億円になる見込みだ。道はさらなるコスト削減のため、来年度の開催計画に札幌開催からの撤退を盛り込むことを検討している。

 道は15日、知事の付属機関で専門家らが道営競馬のあり方を考える「北海道地方競馬運営委員会」(委員長・佐藤郁夫札幌大学教授)を開き、来年度の札幌開催についての意見を聴取した。

 運営委員会で道は、発売総額の6割を道外発売やネット発売が占め、道内発売や競馬場での発売が年々減少している説明。札幌開催を中止した場合、札幌競馬場の使用料や馬の移送費など約1億円が削減できるとした。

 委員からは、「初めから中止ありきの報告ではないか」「来年度のみの中止にすべき」などの意見が出たが、最終的に「現状の深刻さを考えた場合、苦渋の決断として来年度の札幌開催の休止はやむを得ない」(佐藤委員長)と結論付けた。

 この結論により、来年度は全日程が門別競馬場のナイトレースで開催される見通しとなった。(北海道365)

写真・15日に開かれた第3回北海道地方競馬運営委員会の模様

2009年12月9日水曜日

年明けにも福山競馬検討委


 福山市は8日の市議会総務委員会で、福山競馬の存廃を考える「福山市営競馬検討委員会」を年明けにも設置する方針を明らかにした。委員会は市条例に基づいて設ける市長の諮問機関とし、検討委がまとめる答申を受けて、羽田皓市長が存廃を判断する。

 市財政局によると、委員は15人以内。経営状態を分析したり、契約関係の整理や金銭問題も想定されるため、法律や経理に明るい弁護士、会計士らも加える方針。初会合は1月以降の見通しで、開会中の市議会定例会に検討委の設置条例案を追加提出する。

 答申時期は現時点で未定という。村上博幸財政局長は「短期間で整理できる事案ではないので、年度内の答申は無理かと考えている」と述べるにとどめた。(中国新聞)


【写真説明】福山競馬の存廃を考える検討委員会を年明けに設置する方針が示された市議会総務委

2009年12月8日火曜日

「LJS2009、山本茜騎手(愛知)総合優勝」

 “女性騎手の華麗なる競演”レディースジョッキーズシリーズ(LJS)2009の最終戦となる高知ラウンドが、今日高知競馬(晴れ 稍重)で行われた。
 第1ラウンド(水沢)、第2ラウンド(荒尾)を戦い抜いた女性騎手10名が、南国土佐の高知競馬場を舞台に熱戦を展開した。シリーズ第5戦のイーバンク銀行賞(1400m)は別府真衣騎手(高知)騎乗のビクトリーハーブが、山本茜騎手(愛知)騎乗のフジヤマビュティーとの接戦を首差制して、1分37秒5の時計で勝った。
 また、シリーズ6戦目のオッズパーク賞(1400m)は池本徳子騎手(福山)騎乗のパブリッシャーが1分35秒3の時計で別府真衣騎手騎乗のリーディングアローとのハナ差の接戦を制した。
 この結果、2戦をそれぞれ1着、2着とし合計35ポイントを獲得した別府真衣騎手が地元の高知ラウンドを優勝した。また、シリーズでは全6戦を1着、7着、1着、3着、2着、4着とし総合85ポイントを獲得した山本茜騎手(愛知)が、2006年に次いで2度目となる総合優勝に輝き、LJS2009女王の座に就いた。なお、総合2位は別府真衣騎手(高知)、3位は平山真希騎手(浦和)となった。(ラジオNIKKEI) 

レディースJSは愛知の山本茜騎手が2度目の優勝

 10騎手による「レディースジョッキーズシリーズ09」の最終シリーズが7日、高知競馬場で行われ第2シリーズまでトップだった山本茜騎手(26)=愛知=が2、4着とまとめ計85ポイントを獲得し、06年に次ぐ2度目の優勝を果たした。2位は高知の別府真衣騎手(22)、3位は浦和の平山真希騎手(29)。JRAから参戦した西原玲奈騎手(28)は6位、増沢由貴子騎手(31)は9位に終わった。(zakzak)

2009年12月1日火曜日

馬券売り場計画 住民総会で反対多数

 須坂市高梨町に持ち上がっている地方競馬の場外馬券売り場計画をめぐり、高梨地区で11月29日夜に賛否を問う住民総会が開かれ、反対が多数を占めた。同地区は近く、事業を計画している民間業者「KNアドバンス」(静岡市)に計画への不同意を報告する。ただ、同社は賛否の決定経過に疑問を抱いており、結果を受け入れない考えを示している。
 住民総会は非公開。全398世帯のうち94世帯が出席し、委任状188世帯分と合わせた数が過半数となって成立。質疑を経て行った各世帯1票の無記名投票で、場外馬券売り場開設に「反対」が66票、「賛成」が27票、無効1票だった。(信濃毎日新聞)

笠松競馬場訴訟で和解成立 賃貸料など合意、事業継続

 オグリキャップを輩出した笠松競馬場(岐阜県笠松町)の一部地主が岐阜県地方競馬組合に土地の明け渡しを求めた訴訟は1日、名古屋高裁(西島幸夫裁判長)で正式に和解が成立した。賃貸契約と将来の土地明け渡しの条件について、双方が合意し、競馬事業は当面存続する。

 関係者によると、和解条項には(1)組合側が土地1坪当たり1200円の賃貸料を2010年度まで支払い、11年度以降は競馬場の売り上げに連動して決める(2)将来、事業が廃止された場合には組合側が競馬場の施設を撤去、原状回復した上で土地を明け渡す―などが盛り込まれている。

 昨年5月の岐阜地裁判決は、地主側の訴えを認めて土地明け渡しを命じたが、明け渡しの仮執行の請求は棄却。組合側が控訴し、土地の賃貸契約が結ばれないまま競馬事業が継続していた。

 原告側代理人は和解成立後に「競馬廃止後にどのように土地を返してもらえるのか、地主たちは不安を抱えていた。原状回復した上での土地明け渡しの確約ができたのでよかった」と話した。(47NEWS)

佐賀競馬:08年度決算、6年ぶり黒字 発売日数増などが実る

 佐賀競馬を運営する県競馬組合の定例議会が11月25日、鳥栖市江島町の同組合で開かれ、約3550万円の黒字となった08年度決算を認定した。決算の単年度黒字は02年度以来。累積赤字は約1950万円に減った。

 08年度は8月から地方場外馬券場での発売日数を75日間増やしたり、2月の中央と地方競馬の交流レース「佐賀記念」の売り上げが過去最高の約3億3270万円になったことが黒字につながった。

 しかし長引く不況の影響を受け、09年度は10月25日までの売り上げが約54億円と、前年度の約92%に落ち込んでいる。

 同組合の江崎保夫次長は「ボーナスの大幅カットが報道されたここ数週間で売り上げが落ち込んでいる。昨年度と同じように、地方場外馬券場での発売日数を増やすなどして、売り上げを伸ばしていきたい」と話している。(毎日新聞)