2012年2月29日水曜日

競馬組合の清算で17億円全額を負担

荒尾市は、荒尾競馬組合の廃止清算に伴う負担金約17億7600万円を今年度一般会計補正予算案に計上した。競馬組合は県と市による一部事務組合だが、清算費は市が全額賄う。組合の解散を認める議案などと共に3月5日開会の定例市議会に提案する。議決されれば、組合は同31日で解散する。

 負担金のうち17億円が、組合が借り入れた事業資金で▽市11億円▽JAたまな4億円▽地方競馬全国協会2億円--の内訳。負担金の財源は主に第三セクター等改革推進債13億6000万円で、他に清算で生じる剰余金3億円と財政調整基金からの約1億1600万円を充てる。

 組合の解散を認める同様の議案は、県議会でも3月2日までに議決される見込み。これを受けて市議会は、5日に提案される34議案のうち、組合解散関連の4議案に限って同日中に議決する。(毎日新聞)

2012年2月28日火曜日

6頭落馬で競走中止…増田ら救急搬送

27日の川崎競馬初日1Rで6頭が落馬、競走中止する事故が起こった。午前11時30分発走の4歳未格付馬による1400メートル戦(1頭が競走除外で10頭立て)。2番手集団の内にいたブラッディマリーが3角で骨折、最初に落馬。後続の5頭がこれを避け切れずに次々と落馬した。ブラッディマリーの増田、ミリオンセーバーの佐藤太、ブルジョワの吉原が救急搬送された。

 増田は臀部(でんぶ)打撲内出血と貧血で数日間の入院加療。佐藤は右肩甲骨と左足関節外果の骨折。吉原は右上腕などの挫傷、右腸骨不全骨折の疑いと、それぞれ診断された。28日の騎手変更は当日発表される。また、クロノスの本橋は左肋骨不全骨折、コルナスの川島は右膝関節打撲と捻挫で、その後のレースは乗り代わり。メリイステップの高橋利は異常なし。

 事故により川崎競馬は2R以降、約30分遅れで行われた。地方競馬では80年2月5日に園田で8頭、91年5月1日には宇都宮で7頭の落馬事故が起きている。中央競馬では10年1月11日の中山で史上最悪の9頭の落馬事故があった。(毎日新聞)

安藤光彰騎手が笠松でラストラン 29日、思い出の地で引退


 日本中央競馬会(JRA)のアンカツこと安藤勝己騎手(51)の兄で、アンミツの愛称で親しまれるJRA現役最年長の安藤光彰騎手(53)が、29日の笠松競馬場(笠松町)でのレースを最後に引退する。笠松でのラストランの後、引退セレモニーが開かれる。
 光彰さんは1976(昭和51)年に笠松でデビュー。地方競馬で2821勝を挙げた。笠松では最多勝には届かなかったが、約30年にわたって勝ち数上位を保ち続けた。
 2007年に48歳でJRAの騎手免許を取り、笠松からJRAに移籍。03年に地方から初めて移籍した勝己さんに続いた。JRAの戦績は通算68勝。移籍後は56勝を挙げたが、年間134戦ある重賞レースでの勝利はなかった。
 光彰さんは「体力の衰えは感じたわけではない。しかし、騎乗依頼も減って、今が潮時だと思った」と話す。引退後はJRAで調教助手を務める。
 ラストランは29日の第8、9レース。光彰さんは「代理人が笠松の調教師に頼んで最後の舞台を作ってくれた。笠松には数え切れない思い出がある。ここで終われるなんて、おれらしいな」。ファンには「落馬しないように見守って」と冗談めかした。
 笠松競馬場の引退セレモニーでは、光彰さんへのインタビューや花束贈呈を行うほか、レースに使ったゴーグルやくら、ステッキを無償提供しチャリティーオークションを実施。売り上げを東日本大震災の被災地に寄付する。(中日新聞)
【写真】集まったファンと交流する安藤光彰騎手(左)=2007年5月16日、笠松町の笠松競馬場で

大崎の場外馬券場閉鎖


 大崎町野方の場外馬券売り場「ニューウェーブ大崎」が3月末で閉鎖する。発券・払い戻し業務を契約していた荒尾競馬(熊本県荒尾市)が昨年12月に事業廃止したことに伴い、4月以降は新たな発券・払い戻し機を購入しなければ営業が継続できなくなり、売り上げが低迷する中で新たな投資は難しいと判断した。

 建物を所有し、業務を代行してきた楠田養鰻(楠田茂男社長、大崎町)によると、社員・パートの11人は解雇する。施設の新たな利用法などは未定という。

 同施設は2007年4月にオープン。大型ディスプレーを備え、全国に10か所ある地方競馬の馬券を発券してきた。近年は地方競馬の人気低迷でレース開催が減少。インターネットでの馬券購入が浸透したこともあり、利用者が減少していた。

 楠田千鶴マネジャーは「新たな企業に施設を活用してもらえないかと考えている。3月26日から29日のリレーナイターが最後の営業になるので、一人でも多くの人に足を運んでもらいたい」と話している。(読売新聞)
【写真】3月末で閉鎖する「ニューウェーブ大崎」

岡崎騎手3000勝 福山競馬初


 福山市の福山競馬で最年長ジョッキーの岡崎準騎手(51)が26日、第10レースで地方競馬通算3千勝を達成した。福山競馬では初、全国でも歴代20人目の快挙となる。

 この日の第4レースで勝って王手をかけ、その後の2レースに負けて臨んだ第10レース。最終コーナーで3頭が並走する混戦を振り切った。レース後にウイニングランでファンや騎手たちと喜びを分かち合った。

 「ゴールの50メートル手前で勝ちを確信できた。きょう中に決められ、安心した」と岡崎騎手。「これからも1勝を積み重ね、福山競馬を盛り上げたい」と気持ちを新たにしていた。(中国新聞)

【写真説明】3000勝を達成してガッツポーズする岡崎騎手(中)

競馬組合の清算に三セク債起債へ 荒尾市が方針

荒尾市は27日、荒尾競馬組合の清算に伴う負担金17億7594万円の財源として、第三セクター等改革推進債(三セク債)13億6千万円を起債する方針を明らかにした。3月5日開会の市議会に、組合負担金を盛り込んだ2011年度一般会計補正予算、組合解散など関連4議案を提出する。

 競馬組合は市と県による一部事務組合。解散に伴い、累積赤字額と運転資金として市とJAたまな、地方競馬全国協会から借り入れている計約17億円、システムリースの債務約7500万円を清算する必要がある。市は10年償還の三セク債と清算剰余金で費用を捻出したい考え。県は財政負担しない。

 組合は3月31日で解散し、組合の財産については土地・建物、債権・債務ともに市が引き継ぐ。

 12年度一般会計当初予算案には、歳出として三セク債償還金1億5806万円、競馬20+ 件場の土地借り上げ料など約4000万円を計上。歳入は、賃貸契約で場外馬券を発売する日本中央競馬会と日本レーシングサービスからの土地・施設使用料など約6500万円を見込む。(熊本日日新聞)

2012年2月24日金曜日

競馬法改正案を閣議決定 地方支援、払戻率を柔軟に設定

政府は24日、売上金の減少が続く地方競馬を支援するための競馬法改正案を閣議決定した。売上金に占める当たり馬券の払戻金の割合(払戻率)について、競馬を主催する事業者が一定の範囲で柔軟に設定できるようにするのが柱。払戻率を下げて事業者の取り分を増やしたり、逆に引き上げて入場者の増加を図ったりできるようになる。

 経営難の地方競馬では払戻率を引き下げる可能性が高そうだ。現在の払戻率は競馬法で算出方法が定められ、約75%となっている。改正案では払戻率の下限を70%とし、上限は80%を目安に今後農相が決定する。

 現行の地方競馬支援策の継続も盛り込んだ。地方競馬全国協会が交付金の一部を事業者に還付する措置は2012年度までだったが、17年度まで延長する。12年までだった日本中央競馬会による地方競馬への資金支援も17年までとした。(スポニチ)

2012年2月23日木曜日

地方競馬を救え…払戻率を裁量制に、経営柔軟化


 政府は、苦境に陥っている地方競馬を支援するため、競馬法改正案を開会中の通常国会に提出する方針だ。

 売上金に対する払戻金の割合を一定の範囲で主催者の裁量で決められるようにするほか、馬産地振興のために競走馬の海外輸出なども後押しする。

 競馬法では、「当たり馬券」に配当する払戻率を約75%と定めている。地方競馬の主催者側にとって売上高の約25%が取り分となり、馬主への賞金、従業員への給与など運営経費を工面している。改正案では、経営の自由度を高め、創意工夫を促すため、払戻率を70%に引き下げたり、80%に引き上げたりすることができるように認める方向だ。

 地方競馬には現在、全国で16か所の競馬場がある。いずれも県や市などの地方自治体が出資する組合が運営している。かつては多くの地方競馬が自治体の財政を潤し、高知競馬(高知市)の「ハルウララ」や、笠松競馬(岐阜県笠松町)出身で中央競馬で活躍した「オグリキャップ」などは有名になった。(読売新聞)

2012年2月21日火曜日

使用済み人工芝を使った全天候型馬場表層材


大成ロテックは、日本中央競馬会(JRA)が発注した「栗東トレーニング・センター400m追い馬場路盤改造工事」(滋賀県栗東市)で、JRAと共同開発した全天候型馬場表層材「Jトラック」を実馬場に初めて採用した。人工芝を混ぜたことで、透水性やクッション性を確保し、年間を通じて安定した馬場状態を維持できる。(BPNET)
【写真】Jトラックの施工状況(写真:大成ロテック)

2012年2月20日月曜日

追う 佐賀競馬 募る危機感

熊本県の荒尾競馬が昨年末で廃止され、九州でただ一つの地方競馬になった佐賀競馬(鳥栖市)。レジャーの多様化や景気低迷で売り上げが落ち込み、赤字も膨らむ。こちらも「存続の危機」にあると言えそうだ。
 九州唯一の地方競馬になった1月、佐賀競馬の売り上げは前年同月より9・6%増えた。佐賀競馬場の窓口や県内などにある専用馬券発売所での売り上げは落ちたが、それ以外の場外発売所が伸びた。
 売り上げの傾向から見ると、荒尾のファンが大挙して佐賀を訪れるようになったとは想像しがたい。
 佐賀競馬は県と鳥栖市でつくる県競馬組合が運営する。組合の渕上忠博管理課長は「荒尾廃止の影響は長期的に見ないとわからない」と話している。
 これまで協力関係にあった佐賀と荒尾。レース開催日が重ならないよう佐賀が土日、荒尾が平日にし、互いに馬券を委託販売してきた。荒尾で販売された佐賀競馬の馬券は2010年度は約12億7千万円。佐賀の売り上げ全体の1割を超えている。
 荒尾競馬場ではレースが開かれなくなったが、佐賀競馬などの馬券販売は12年度から専門の会社が引き継ぐことになった。この会社との契約期間は1年。佐賀競馬側は継続を強く働きかけていく考えだ。
 荒尾の廃止で、競走馬が増えるという好ましい変化も出ている。佐賀、荒尾とも競走馬が少ないのが悩みの種で、これを補うために互いの馬を派遣しあう交流レースをしていた。
 廃止に伴って荒尾から約100頭が移籍して佐賀が抱える競走馬は約560頭に増えた。1レースの出走馬を増やすだけでなく、「先行逃げ切り」「長距離に強い」など、さまざまなタイプの馬を組み合わせることもでき、レースの見どころが増えた。
 とはいえ、娯楽の多様化や長引く景気低迷、ファンの高齢化など佐賀競馬を取り巻く厳しい環境は、大きく変わりそうにない。
 佐賀競馬の売り上げは1991年度の359億円をピークに減る傾向が続く。2010年度は104億円になり、ピークの3分の1以下だ。今年度は12日までで、前年同期比2%増。大幅な伸びは見込めない。
 何とか競馬場を訪れる人を増やそうと、有名な馬や騎手を抱える中央競馬との交流レースやファン参加のイベントを開いてきた。
 一方、賞金や出走手当を見直し、人件費削減も進めてきたが、98年度以降は赤字基調が続く。10年度末の累積赤字は約2億5千万円に達している。
 県競馬組合は、翌年度分の収入を組み入れて赤字を補填(ほ・てん)するなど苦しいやり繰りが続く。組合の監査委員は10年度の決算審査意見書で「佐賀競馬そのものの存続にもかかわる状況に直面している」と厳しい指摘をしている。
 競馬を所管する農林水産省は、厳しい地方競馬の経営改善につなげるため競馬法改正案をまとめた。予想が当たった人が受け取る払戻金の割合は馬券の売り上げの約75%だが、これを事業者が一定の範囲で決められるようにする。
 払戻率を下げれば手元に残るお金が増える。経営にはプラスになりそうだが、客離れが起きかねない。逆に上げると人気は出そうだが、さらに経営が苦しくなる恐れもあり、事業者は難しい判断を迫られる。
 改正案は今国会にも提出される見込みだが、県競馬組合は「法改正もすんでいない段階なので、まだ対応は検討していない」と慎重だ。
 この記事の取材を始めた後にまとまった競馬法改正案。一部事業者の強い要請があったと聞く。インターネットで馬券を買うファンは、払戻率を下げた地方競馬には見向きもしなくなるだろう。ネット販売が比重を高めている中、払戻率の設定を誤ると致命傷になりかねないと思うのだが。(朝日新聞)

2012年2月17日金曜日

【川崎】初の試み!ポニーレースで川崎&金沢PR

東京競馬場でG1フェブラリーSが行われる19日、川崎競馬場ではポニーレースなどのイベントが行われる。12月3日からJRAの場外発売を行っている同競馬場。昼休みを利用して地方競馬をPRしようという初の試みだ。

 石川県金沢を本拠に各地でポニーを使ったイベントを行っている「金沢ちびうま団」が全面協力。6頭立てポニーレースには南関期間限定騎乗中の吉原寛人、米倉知(ともに金沢)が参戦。川崎の佐藤博紀騎手は、ポニー騎乗経験豊富な小学1年の長男・翔馬君と“初対決”する。誘導馬には今野忠成騎手会長、ほかにも川崎ジョッキーズがさまざまな役割で登場してイベントを盛り上げる。午前11時ごろからは300人に「勝ポニー投票券」を無料配布し、レース後に持参者へのプレゼントも。

 川崎は今年のJBC競走開催地。くしくも先週には翌13年の金沢開催が発表された。「JBCもあるし、金沢をしっかりアピールして、今年から何とか勢いをつけていきたいと思っているんです」と吉原。レース後は川崎所属騎手とともにファンとの交流にも参加予定。19日の「ウインズ川崎」では従来の場外とは違った雰囲気が楽しめるはずだ。(スポニチ)

2012年2月15日水曜日

園田競馬、9月にナイター開催へ 新たなファン掘り起こしに

兵庫県競馬組合は14日、県庁で定例議会を開き、運営する園田競馬場(尼崎市)にナイター競馬を導入するため、照明設備の設置工事費など8億9千万円を盛り込んだ関連予算案を賛成多数で可決した。工事は4月に着工し、9月から関西初のナイターで生き残りをかける。

 定例議会では、一部議員が「ナイターの前提となる住民の理解が不十分」と反対を表明。これに対して、金澤和夫組合管理者(県副知事)は「反対住民も相当数いる」との認識を示す一方、「今後も引き続き住民と話し合いを続け、可能な限り不安を取り除く対応策を示して理解を得ていきたい」と述べた。

 園田競馬場は景気低迷やファンの高齢化などで売り上げが低迷。平成22年度は姫路競馬場(姫路市)と合わせ約5億5千万円の赤字を計上し、存廃の危機に直面している。

 このため、組合は週3日の開催日のうち週末の金曜にナイターを計画。仕事帰りの会社員や若者ら新たなファン層を取り込み、年間5億~7億円程度の黒字を見込んでいる。

 一方、競馬場周辺の一部住民が住環境や治安の悪化を懸念して反対。このため、組合は警備員の巡回やファン送迎バスの増便などの治安対策を強化し、住民に理解を求めている。(産経ニュース)

県競馬組合:来年度予算516億円可決

県競馬組合議会定例会が14日、県庁で開かれ、総額516億6324万円の12年度当初予算を可決した。来シーズンは4月7日に水沢競馬場で開幕し、今年度より21日多い125日の開催を予定している。

 発売計画額は今年度比23億5600万円増の170億400万円。主な取り組みは、重賞競走や復興記念レースなど魅力あるレースを充実させるほか、インターネットや携帯電話から馬券を購入できる日本中央競馬会(JRA)の会員向けの発売や情報発信を強化する。東日本大震災で全壊した釜石場外馬券所を13年度までに新設・再開するため、運営事業者を公募する。

 また騎乗手当をこれまでの1レース当たり1000円から3500円に引き上げ、代わりに一律5000円の日当を廃止。賞典費も増額した。組合職員18人の期末手当は3~5割削減し、当期利益2000万円を確保し、収支均衡を保つ。(毎日新聞)

尼崎・園田競馬、ナイター関連予算可決 9月導入へ

兵庫県競馬組合議会は14日、定例会を開き、組合が園田競馬場(尼崎市)で9月からの実施を目指しているナイター競馬開催を含む、2012年度一般会計予算案など2議案を可決し、閉会した。
 ナイター競馬の関連予算額は、照明設備の設置工事費や警備員の増員などの周辺対策費計約8億9千万円。周辺では、治安面の悪化を懸念する一部住民がナイターに反対しているが、定例会では賛成7、反対1の賛成多数で可決された。
 金沢和夫組合管理者は「ナイター実施に向け足がかりができたが、工事に着手できるめどが付いただけ。今後も、一人でも多くの住民の理解を得られるよう努力を続けていく」と述べた。(神戸新聞)

福山競馬、1億円の黒字予想

福山市は14日、福山競馬の本年度の黒字額は約1億円となる見通しを示した。市議会競馬事業特別委員会で報告した。

 市によると、昨年10~12月の第3四半期は約700万円の赤字だったものの、第1~3四半期(4~12月)の9カ月間では5700万円の黒字。第4四半期(1~3月)も全国発売する重賞レースなどで順調な売り上げが予想できるとして、通期の最終的な黒字の見込み額を算出した。

 第3四半期は、10月8日から12月25日までの24日間開いた。売り上げは18億1800万円で前年同期比2・4%減。1日の平均入場者数は1539人で、前年同期と比べて14・3%減り、赤字を計上した。

 市は、累積赤字約20億円を抱える福山競馬の継続は実質単年度収支の黒字を条件とし、新年度は既に継続を決めている。(中国新聞)

2012年2月14日火曜日

売り上げ見通し170億円 12年度の岩手競馬

県競馬組合(管理者・達増知事)は、2012年度の岩手競馬の売り上げ見通しを11年度実績より約23億円、16%増の170億円とする方針を固めた。震災の影響で縮小した前年度より開催日数が21日増えることや、10月から始まる日本中央競馬会(JRA)を通じたインターネット販売の増加などを見込んだ。14日の競馬組合議会に収支計画を盛り込んだ12年度一般会計当初予算案を提案する。

 12年度は4月7日に開幕し、年間125日(前年度実績104日)、1360レース(同1138レース)を開催する予定。売り上げは前年度の146億4800万円から23億5600万円増の170億円を見込んでいる。

 内訳は盛岡、水沢両競馬場での自場発売が86億円、広域委託販売が46億円、インターネット販売が36億円となる見通し。特に10月からJRAの電話・インターネット投票サービス「PAT」で岩手競馬の発売が開始されることから、ネット販売は前年度より55%増の見込み。これに合わせて重賞レースの拡充なども計画している。

 ただ、釜石場外馬券場が被災し閉鎖していることなどから、売り上げ合計は震災前に計画した11年度当初(179億円)より5%ほど低くなる見通しだ。(岩手日報)

2012年2月13日月曜日

301戦、「長寿が名馬」 高知競馬で国内最多出走記録


 高知競馬(高知市長浜宮田)所属の競走馬セニョールベスト(オス、13歳)が11日、301戦目のレースに出走し、国内最多出走の新記録をうち立てた。「鉄の馬」として記録更新への新たなスタートで、宗石大調教師(61)は「元気そのもので、まだ勝てる力がある。健康を見守りながら1戦ずつ記録を積み重ねていきたい」と中高年の馬の新たな活躍を期待している。

 午後6時40分、第7レースで3枠3番から3番人気で出走。32勝目はならなかったが、11頭立ての8着に入った。

 浦和競馬で2001年7月にデビュー。名古屋競馬などをへて03年から高知競馬で走る。2月3日に300戦出走を果たし、同競馬のダイナブロスが09年12月31日に達成した記録に並んでいた。(朝日新聞)
【写真】このレースでセニョールベストは最多出走のの新記録をつくった=高知競馬場

2012年2月11日土曜日

カバキチに続け 地方競馬、50代騎手初の3千勝へ


「中年の星」はカバキチだけじゃない――。モナクカバキチ(オス13歳)の地方競馬最多勝記録の更新が注目される広島県福山市営競馬で、もう一つの大記録が生まれようとしている。

 岡崎準騎手、51歳。地方競馬通算3千勝にあと3勝と迫る。達成すれば歴代最高齢で、50代初の快挙だ。12、13両日のレースに出走予定で、早ければ来週にも金字塔を打ちたてる。

 1977年、故郷の益田市営競馬(2002年廃止)で17歳でデビュー。96年、福山市営競馬に移った。通算で1万6340回騎乗し、6日までに2997勝を挙げた。(朝日新聞)
【写真】全体に白星をあしらった「勝負服」を着て、レースに臨む岡崎準騎手=福山市千代田町1丁目の福山市営競馬

人員減らし福山競馬継続

福山市は2012年度、福山競馬の従業員とアルバイトを現行より約40人減らすなど大幅な経費削減に踏み切る。馬券の売り上げが大幅に減る見込みの中、歳出を抑えて事業を継続する。

 11年度の従業員とアルバイトは計約180人。12年度は約140人まで減らす。駐車場5カ所のうち、民間から借りている2カ所を廃止する。

 12年度の競馬事業特別会計予算案の規模は、前年の4.3%減の85億600万円とした。市は、馬券の売り上げは11年度に比べ4億600万円のマイナスになると予測。日本中央競馬会(JRA)のインターネット会員への馬券販売を始めるが、収入は約1億2千万円の見込みで、売り上げ減少額の約3割しか賄えないという。

 福山競馬は実質単年度収支の黒字確保が、事業継続の条件になっている。杉原郁充・市競馬事務局長は「ネット販売や他の競馬場との連携を通じてファンを拡大する」と話している。(中国新聞)

札幌競馬場、秋に40年ぶり大改修 家族連れスペースやセリ場

日本中央競馬会(JRA)は今年、札幌競馬場(札幌市)のスタンドを改修する。同競馬場の取り壊しを伴う大規模改修は約40年ぶりで、改修費は105億円。建て替えにより、新たな顧客の獲得を目指す。家族連れが楽しめるスペースを拡大するほか、アジア人富裕層などを想定しセリ場を刷新する。10月に工事に着手し、2014年夏の完成を目指す。

 現行のスタンドは1971年に完成したもので、老朽化していた。JRAは全国で10の競馬場を順次、改修しており、大規模改修は札幌競馬場でひとまず終了する。

 新スタンドでは、現在は6人がけの椅子を、女性や高齢者でも出入りしやすいよう2人がけにする。通路幅も広げ、すれ違いやすくする。ただスタンド全体の規模は縮小し、延べ床面積は現行の4万4000平方メートルから3万平方メートル程度にする。座席数も約2割減らす。14年には来場者数を11年と比べ1割増の20万人にする目標だ。

 同競馬場の最大の特徴である観客席の最前列の芝生スペースも拡大する。レジャーシートを敷いて飲食しながらゆったり観戦できるようにし、家族連れを取り込む。どの程度広げるかは今後調整するが、1割前後増やす見通し。

 芝生スペース南側は起伏のある丘にし、シラカバの木を植える。夏のレースには、秋に開催されるG1レースに参加する有力馬が参戦し、道外からも多くのファンが来場する。こうした道外客が北海道らしい雰囲気を楽しめるようにする。

 馬産地としての魅力も最大限発揮し、スタンドの外に2~3頭の馬を放すゾーンを設ける。引退した名馬を放すことを検討しており、人気スポットとなりそう。現在は地下にあるパドックと競技場間の馬の通り道も地上に配置し、観客席から見ることができるようにする。

 2011年のレース開催中の来場客は18万人。ピークは1976年の62万人で、長期低迷が続く。11年の来場者の内訳は男性が大半を占め、女性は2割に満たない。家族連れは1割程度。木口明信場長は「家族連れや女性客などこれまで競馬場を訪れたことのない人が来てもらえるようにしたい」と話す。

 同競馬場では日高軽種馬農業協同組合(浦河町)が、道内で唯一、2歳馬のセリ市を実施している。現在はコース横の屋外で開催しているが、屋内にセリ場を新設する。

 最近、道内各地のセリ市では、中国人を中心にアジアの富裕層が高額落札するケースが目立っている。同競馬場でも今後アジア人のセリ参加者が増えると予想しており、環境を整備する。

 アジア人のセリの参加者が増えれば、レース開催時の来場者も増えるといった相乗効果も見込める。セリで一度来てもらい、レースシーズンにもう一度来場してもらう算段だ。そのため改修後は、現在、日本語だけの場内の案内板に、英語、中国語、韓国語を併記する。

 道内では10年に函館競馬場(函館市)がリニューアルオープンし、集客力のある施設に生まれ変わった。札幌競馬場も観光資源が少ないとされる札幌駅の北側エリアで、新たな観光スポットとなる可能性がある。(日本経済新聞)

2013年JBC競走は金沢競馬で開催

地方競馬全国協会は10日、2013年の第13回JBC競走の開催を、11月4日に金沢競馬場で実施すると発表した。同競馬場での開催は初めて。JBCクラシックは2100メートルで、JBCスプリントは1400メートル、JBCレディスクラシックは1500メートルで行われることになる。(デイリースポーツ)

ホッカイドウ競馬今季目標額119億円

北海道知事の諮問機関である北海道地方競馬運営委員会の平成23年度第2回会合が9日、札幌市内のホテルで開催された。

 「ホッカイドウ競馬」は昨年度、発売総額約115億7000万円で、計画比102.7%、前年比102.5%と健闘。この日は、北海道側から24年度の日程と発売目標が提示された。日程は4月25日から11月15日の80日間で、前年同様門別競馬場で全日程をナイターで開催したい方針。発売目標は前年度実績3.5%増の119億8000万円との考えが示された。

 昨年大きな伸びを見せたインターネット販売「楽天競馬」には今年、前年度実績(15億1000万円)プラス3億6000万円の18億7000万円の売り上げを見込んでいることも明らかにされた。今年10月からはJRA投票システムを活用した発売も初導入予定。

 さらに約6億円をかけ今年3月に門別競馬場に完成する屋内坂路を活用した強い馬作りによる番組の充実や、新たなファン層の拡大を目指し札幌近郊の市民や大学の競馬サークルを対象にした「ホッカイドウ競馬塾」も初開催する予定だ。

 参加した委員側からは、本道プロスポーツチームの日本ハムやコンサドーレ札幌とのコラボイベントによる、ファン拡大なども提案された。(報知新聞)

“アラ還馬”301戦目


 高知競馬(高知市)所属のセニョールベスト(牡(おす)、13歳)が11日夜、国内最多出走記録となる301戦目のレースに出場する。人間なら還暦にあたり、引退してもおかしくない年齢だが、若い馬に負けない走りでファンをわかす。宗石大調教師(61)も「鉄の馬」と驚く丈夫さで、〈前“馬”未踏〉の道を走り抜く。

 セニョールベストが高知競馬に来たのは2003年。浦和(埼玉県)で01年にデビューして以来、船橋(千葉県)、名古屋を走ってきたが、計24戦で4勝しか挙げていなかった。

 負けても走り続け、人気を集めたハルウララを担当した宗石調教師が世話をするようになった08年以降、年間30レース以上をこなし、10年は46レースとほぼ毎週出走。今月3日には、同競馬のダイナブロス(引退)が09年12月に樹立した最多記録300戦に並んだ。

 高知での勝ち星は27。エンジンのかかりが遅いので追走に苦労するといい、昨年5月14日を最後に連敗が続いている。それでも、スピードはあり、レース途中でペースを落としてスタミナを温存するのは苦手なので、「砂をかぶらない外枠で先行できれば勝てる」と分析する。

 同じ“アラ還(アラウンド還暦)”の宗石調教師。自身も騎手時代には26年間で1万レースを走っており、「セニョールベストはとにかく足が丈夫。こっちが元気をもらっていて、感謝の気持ちでいっぱい」と相棒をたたえる。

 記録更新がかかった1戦は午後6時40分にスタート。「若い馬にも負けない走りでファンを喜ばせたい」と誓う。(読売新聞)
【写真】国内最多出走記録更新に臨むセニョールベストと宗石調教師(高知市の高知競馬場きゅう舎で)

釜石に新たな場外発売所県競馬組合来年4月までに

県競馬組合は10日、盛岡市内で運営協議会を開き、東日本大震災で被災した釜石場外発売所に代わり、2013年4月までに釜石市内に新たな場外発売所を設けることを明らかにした。

 釜石場外発売所の10年度の発売額は、岩手競馬以外の馬券を販売する「他場発売」も含め計約11億円に上り、県内の発売所として重要な位置を占めていた。県競馬組合は11年度中に、新たな場外発売所を整備・運営する民間業者を公募する予定。空き店舗など既存施設での開設を想定している。(読売新聞)

2012年2月8日水曜日

JRA競馬学校で騎手5人が卒業式 千葉・白井


千葉県白井市にある日本中央競馬会(JRA)競馬学校で7日、騎手課程28期生の卒業式があった。父母や公募で招待された競馬ファンらを含めて約150人に激励され、5人の騎手の卵が巣立った。

 28期生には全国から114人が応募し、7人が合格。慣れない寮生活や早朝からの訓練、体重管理に苦しみながら4人が残り、留年した1人とともに戸村忠彦校長から卒業証書を受け取った。

 答辞で原田和真さん(18)が「JRAの看板を背負える騎手に」と笑顔で話せば、菱田裕二さん(19)も「世界のG1で活躍できる騎手を目指したい」と声を弾ませた。3期生の武豊・日本騎手クラブ会長も駆けつけて励ました。(朝日新聞)
【写真】武豊さん(左から3人目)と一緒にガッツポーズをする競馬学校の卒業生ら

2012年2月4日土曜日

馬券の払戻規制を緩和=地方競馬活性化で法改正-農水省

農林水産省は4日、経営状態が厳しい地方競馬の活性化を目的に、馬券の売り上げに占める的中者への払戻金の割合規制を緩和する方針を明らかにした。地方競馬を主催する運営者が一定の範囲内で払戻金の還元割合を設定できるようにし、収益改善に向けて払戻金の割合を低めに設定したり、集客効果を狙って高めに設定したりできるようにする。同省は競馬法の一部改正案を今通常国会に提出する。 
 地方競馬は、景気低迷やレジャーの多様化などを背景にファンが減少。2010年度の馬券の売り上げは3332億円と、ピークの1991年度(9862億円)に比べ3分の1の水準に落ち込んだ。91年度に25を数えた運営団体も、11年末で荒尾競馬(熊本県)が廃止になるなど減り続け、現在は15団体になった。
 払戻金の割合は競馬法で算出方式が定められ、現在は約75%。今回の法改正では、上限と下限を定め、この間であれば還元割合を運営者の裁量で決められる仕組みにする。また改正法案には、地方競馬運営者への支援事業の延長も盛り込む。(時事ドットコム)

佐賀競馬で再挑戦、白石出身の岩永千明騎手


 昨年12月に廃止となった荒尾競馬(熊本県荒尾市)に所属していた岩永千明騎手(29)=佐賀県白石町出身=が、佐賀競馬で新たな騎手人生を踏み出した。「違う環境での新たな挑戦。一つでも勝ち鞍を増やしたい」と意気込んでいる。
 
 岩永騎手は佐賀農高のころ、町内と長崎県佐世保市の乗馬クラブに通い始めた。「人馬一体となって風を切って走るのが楽しくて」。JRAの小倉競馬場で女性騎手のレースを見て、その迫力や走る姿に感銘を受け、騎手の道を選んだ。
 
 19歳の時に地方競馬教養センター(栃木県)に入学し、21歳で荒尾競馬デビュー。8年間で200勝を達成し、2010年にはレディースジョッキーズシリーズで女性騎手日本一になった。ただ、大きな試練も。07年にはレース中に落馬し、脳挫傷と椎骨を圧迫骨折する大けがを負った。そして荒尾競馬の廃止。「最後のレースは涙が止まらなかった。ほかの騎手は辞めたり、九州を出たりしていたので、何らかの形で“荒尾”を残したいという思いがあった」。同じ九州、故郷・佐賀への転籍を決めた。
 
 佐賀競馬では1月15日のデビュー初日に204勝目を飾った。「荒尾の時から応援してもらっている人も見に来ていて。『おめでとう』と拍手をもらいすごくうれしかった」と話す。
 
 荒尾競馬から移籍した騎手は岩永騎手だけ、佐賀競馬で唯一の女性騎手となる。「珍しいじゃなく、技術を伴って注目される騎手になりたい」ときっぱりと語る。(佐賀新聞)

2012年2月3日金曜日

園田競馬:組合、ナイターへ予算案提出方針 「話し合いは継続」

尼崎市の園田競馬場で計画中のナイター営業について、県競馬組合は2日、地元自治会の代表者でつくる「周辺改善委員会」で、14日の県競馬組合議会にナイター開催に向けた予算案を提出する方針を明らかにした。ナイター営業には今も周辺12地区のうち、3地区が治安の悪化などを懸念し反対しているが、副知事の金沢和夫・組合管理者は、住宅地の警備強化などを説明。予算案が可決されれば、9月実施に向け工事を進めるという。

 県競馬組合は昨秋、地域の合意が得られていないとして、予算案の提出をいったん見送っていた。14日の組合議会には、工事費など約6億円の予算案を上程する。

 この日の改善委員会では、昨秋と同様に反対地区の代表から、「子育てに良くない」などの意見が出た。終了後に記者会見した金沢・組合管理者は「合意が得られたとは考えていない。住民とはこれからも話し合いを続けていくが、時間的な制約もある」と語った。(毎日新聞)

園田競馬場、ナイター開催へ 若年層など呼び込み狙い

兵庫県競馬組合は、尼崎市の園田競馬場で、収支改善策として検討していたナイター競馬を、9月にも開催する方針を固め、2日夜、地元住民らに伝えた。照明設備の建設費など数億円に上る関連予算案を、14日の組合議会に提案する。周辺では依然反対の声もあり、組合は「住民の要望には可能な限り応え、合意に向け努力を続けていく」としている。
 組合によると、4~11月はナイター競馬に伴い、従来の火曜開催をやめ、金曜の午後2~9時に開場する。仕事帰りの会社員や若い客層を呼び込む狙いで、年間5~7億円程度の黒字を見込んでいる。
 昨年から始めた地元説明では、周辺12地区のうち3地区が治安悪化などを理由に反対。組合は警備員の増員や客の送迎バス増便などを提案し、当初予定していた4月からの開催を延期したが、話し合いはその後も平行線が続いていた。
 売り上げ低迷が続く競馬事業に対し、県が設置した委員会は、単年度収支が赤字の場合、その年度を含む5年間の収支から存廃を判断すべきと提言。10年度に約5億5千万円の単年度赤字に転落しており、赤字解消が困難と判断されれば、5年以内に廃止される可能性も出ている。(神戸新聞)

「NARグランプリ2011」の表彰式典が開催

2日、地方競馬全国協会(NAR)は「NARグランプリ2011」の表彰式典を東京都内の目黒雅叙園において開催し、最優秀勝利回数騎手賞と最優秀賞金収得騎手賞を受賞した戸崎圭太騎手(31、大井・香取和)をはじめ、女性騎手としては日本で最多となる626勝を挙げ昨年引退した宮下瞳元騎手(特別賞)や、年度代表馬フリオーソ(牡8、船橋・川島正)の関係者らにトロフィーを贈呈した。
 戸崎圭騎手は「毎年目標にしているので、今回もこの賞をいただくことができて嬉しい。去年はフリオーソで勝つことができたかしわ記念が、一番嬉しかったレースです。今年も昨年の数字を上回れるよう、一つ一つ大事に乗りたい」と喜びの声を壇上より伝えた。またフリオーソを管理する川島正行調教師(64、船橋)は「(管理するクラーベセクレタから禁止薬物が検出されたことについて)ファンや関係者の皆様にご迷惑をおかけしたことをお詫びします。フリオーソの活躍はスタッフの努力の賜物。現在は順調に来ており、ダイオライト記念も考えましたが脚元のことを考え、かしわ記念一本で行こうと今は考えています」とのコメントを残している。(ウマジン)

2012年2月1日水曜日

創業半世紀、名門2牧場売却へ

中央競馬でミスオンワードなどの名馬が活躍した「オンワード牧場」(浦河町野深)が売却されることが31日分かった。後継者がいないためで、所有する繁殖・育成馬は既にほかの牧場に売却し、牧場自体も2月末に別の牧場へ売り渡す予定だ。

 同牧場は、ミスオンワードが1957年の桜花賞などで優勝したことを機に、衣料メーカー「オンワード樫山」創業者の故・樫山純三氏が60年に開いた。

 1月27日には長女樫山章子さん(84)(兵庫県西宮市)らが現地を訪れ、かつての従業員とお別れの会を開いた。章子さんは後継者難が撤退の理由とした上で、「日本の競馬界も以前の勢いがなくなった。父と牧場によく足を運んだだけに撤退は残念だ」と語った。

 一方、牝馬(ひんば)として戦後初めて日本ダービーを制した名馬ウオッカを生んだ「カントリー牧場」(新ひだか町静内豊畑)も牧場売却の手続きを進めている。

 63年創業の同牧場は、ウオッカのほか、2002年のダービー馬タニノギムレットなども生産した。町農業委員会に牧場の所有権移譲の申請を行い、1月26日に許可された。2月9日に谷水雄三代表が滋賀県栗東市で記者会見を開き、詳細を明らかにするという。

 2牧場の売却準備を受け、日高軽種馬農協の川越敏示(さとし)参事(54)は「ともに歴史があり、日高を代表する牧場。競馬界全体の盛り上がりを考えても、2牧場の名前がなくなるのはとても残念」と話していた。(読売新聞)