2011年6月25日土曜日

金沢競馬 基金取り崩し

◆県営分決算3700万円赤字◆

 競馬事業局は24日、金沢競馬の県営分の2010年度決算を発表した。入場者数の減少などで約3700万円の赤字。2年連続の赤字で、4年ぶりに貯金にあたる公営競馬財政調整基金を取り崩して対応した。

 10年度の開催は72日間で、入場者数は約22万1千人(1・6%減)、売上額は約78億6千万(5・4%減)だった。当初予算では、基金の取り崩しが7800万円だったが、冬場の場外馬券の売り上げが伸び、3300万円まで縮小した。基金残高は約21億1千万円。

 同競馬については、経営評価委員会が「経営改善の余地はある」として12年度の収支均衡を目標に設定。廃止時に必要な経費約6億~12億円は確保しつつ、税金は投入しない方針で、収支が改善されなければ「将来、廃止もありうる」との判断も示している。(朝日新聞)

2011年6月24日金曜日

盛岡「南部杯」10・10東京開催で調整

 岩手・盛岡競馬場の交流G1南部杯(10月10日、ダート1600メートル)を同日、東京競馬場で行う方向で調整されていることが23日、分かった。ホクトベガ、メイセイオペラ、アドマイヤドンなど名馬が優勝馬に名を連ねる南部杯は盛岡最大の交流競走だが、盛岡競馬を主催する岩手県競馬組合は東日本大震災で一時休催。5月14日に盛岡で再開したが、興行面で苦境が続いている。そこで盛岡競馬場と業務提携している東京競馬場での開催が浮上。集客、売り上げも多く見込めるJRAなら馬券収入でもアップが見込め、JRA、盛岡競馬を主催する岩手県競馬組合双方にメリットがある。来週行われる経営委員会の審議を経た上、最終決定される。

 当初、毎日王冠(10月9日)の翌日となる祝日の10日は東京開催の予定がなかったが、震災中止分の代替開催で実施予定。東京開幕週は8、9、10日の3日開催となりそうだ。

 ▼10月10日に開催を行う大井競馬場 JRAから(10月10日に東京開催を実施したいとの)相談は受けており、NAR(地方競馬全国協会)を通じて調整を進めています。(スポニチ)

馬でナイター開催検討 赤字で存続危機 


 兵庫県競馬組合が、収支改善策として、尼崎市の園田競馬場でナイター開催の検討に入り、地元への説明を順次始めている。2010年度単年度収支が赤字に転落し、競馬事業の廃止が現実味を増す中、同組合の米沢康隆事務局長は「ナイターは最後の切り札。実施しない限り、存続は難しい」と主張。12年度からの開催を目指しているが、周辺住民からは「塾帰りの子どもが心配」「そこまでして本当に効果はあるのか」などの声が上がっている。
 県と尼崎、姫路市でつくる同組合は1980年に設立され、園田、姫路両競馬場を運営している。売り上げは91年度の1187億円をピークに、景気低迷などで年々減少。99年度にも単年度収支が赤字になった。
 県は2006年度、事業のあり方を検討する委員会を設置。委員会は、単年度収支が赤字になった場合、その年度を含む5年間の収支を基本に「事業の存廃を判断すべき」とする報告書をまとめた。
 ここ数年は黒字だったが、10年度は約5億5千万円の赤字。入場数の慢性的な減少に加え、猛暑による客足の鈍りも影響したという。赤字解消が困難と判断されれば、競馬事業は5年以内に廃止される可能性もあるという。
 経営改善のため同組合は12年度から、園田競馬場で金曜の開場を午後9時までとするナイター営業や、阪神尼崎駅前にミニ場外馬券売り場の設置を検討。ナイターは県外の競馬場での実績などを踏まえ、単年度収支で約2億円の黒字を見込む。
 説明会に出席した周辺住民からは「治安面に不安がある。慎重に進めてほしい」といった意見などが出た。ある住民男性は「反対ありきではないが、安心して住める街を維持できるか。ナイターの問題点と対策をきっちり話し合い、住民が納得できる対策をすることが重要だ」と話す。
 競馬事業で計約1500人が雇用されている側面もあり、組合側は事業存続に全力を挙げる方針。ナイター開催に合わせて、最寄り駅からのファン送迎バスの増発や警備員増員などにより、住民に理解を求めるという。(神戸新聞)

2011年6月22日水曜日

競馬水沢開催、年内追加も

 震災でスタンドが損傷し、開催を見送っている水沢競馬場について、地方競馬全国協会(NAR)が復旧経費の9割を補助すると県競馬組合に内示した。年内の水沢開催を目指し、今月中に補修工事を始める。

 21日、奥州市役所で行われた市議会競馬事業調査特別委で、同組合の佐藤博事務局長が報告した。開催に必要なスタンドの復旧経費は、新たに屋根の破損が見つかったため2億3000万円となった。NARに支援要請したところ、20日に内諾を得た。水沢競馬場の復旧の見通しが立ったことで、12月中旬~1月上旬の追加開催を検討している。(読売新聞)

2011年6月18日土曜日

門別競馬場に屋内坂路コース造成 8月着工3月完成へ


 2歳馬の供給基地として、地方競馬に特異な位置を占めるホッカイドウ競馬が、さらに大きくグレードアップする。HRA北海道軽種馬振興公社(理事長・三輪茂日高町長)は5月31日に開かれた通常総会で、懸案だった屋内坂路コース新設にゴーサインを出した。競馬場北側の空き地と自然林が有する傾斜を利用し、総工費約6億円を投じて800m馬場を造成する。プランが順調に進めば本年8月中に着工し、来年3月の完成を目指す。馬資源供給競馬を掲げる馬産地競馬が坂路新設により、日本競馬全体のレベルアップにさらに大きな役割を果たす。
 国内で初めてシーズン全日ナイター開催を実現したホッカイドウ競馬が、さらに大きく進化を遂げる。計画によると所有する競馬場敷地に加え、造成に必要となる周辺の約5万5000㎡を買収。整地後は幅員10mの空間に7m幅のウッドチップを敷き詰め、傾斜角度0.5%〜5.5%(別図参照)の屋内坂路コースを新設する。
 最大の懸案だった資金面については、6億円の事業費のうち4億円を軽種馬産業活性を目指して創設された緊急対策事業費を利用。残る2億円はホッカイドウ競馬を主催する、道が負担することで決着した。
 屋内坂路造成の意義、メリットは多方面にわたる。そのひとつは、通年調教が滞りなく行えることだろう。北国の冬は厳しい。門別は北海道では温暖で雪の少ない地域だが、冬期間は吹雪や、凍結による馬場閉鎖は珍しくない。メーンコース内側にある600mの追い馬場をウッドチップにするなど最大限の工夫をこらしてはいるが、厳寒には勝てず調教のタイムスケジュールに支障を来す場面もあった。
 ホッカイドウ競馬は11月下旬にシーズンが閉幕。それから1歳馬が入厩し、馴致訓練をスタートする。国内品初の新馬戦が始まる4月まで、与えられた時間は潤沢ではない。その中で4月デビューへ向けて、調整をやり繰りしてきた。しかし、屋内坂路なら吹雪や寒気も怖くない。
 HRA職員は「開幕当初の出走馬不足に、ホッカイドウ競馬は発足当初から悩まされてきました。屋内坂路コースができるとトレーニングがスムーズになり、シーズン幕開けから出走頭数が揃いファンの皆様にも喜んでいただけるでしょう」と期待した。
 ふたつめは、栗東や美浦トレセンで実証されている“強い馬づくり”効果だろう。調教師と騎手で構成する北海道調騎会の若松平会長は「坂路が出来ればうれしい。2歳交流レースは重賞競走を含めて、早く仕上げ、キャリアを積むことで中央勢と互角の成績を残してきました。古馬になるとかなわなくなります。持って生まれた素質もあります。調教の質の差も大きいと感じていました。(HRAの)井村専務が坂路で高い実績を残している、BTC日高事業所長を務められノウハウを熟知しているのも心強い」と歓迎する。
 坂を駆け上ることで大きな負荷がかかり、筋力を増し心肺機能が大きく向上することは科学的なデータからも実証されている。馴致段階の仕上げでは日本有数を自負する厩舎スタッフが、よりハード面をグレードアップすることでさらなる強い馬づくりを推進する環境が整うことになる。
 今年、南関東の羽田盃、東京ダービーの2冠を、ホッカイドウ競馬から移籍したクラーベセクレタが制した。
中央でも過去、ドクタースパートが皐月賞、アローキャリーが桜花賞を制覇。それに止まらず馬産地競馬出身馬の高レベルは、競馬サークルの広く認知するところだ。
 ホッカイドウ競馬は存廃の危機を乗り越え本年、安定的な継続開催へ新たな一歩を踏み出した。存在理由の大きな柱のひとつが、馬資源供給競馬としての役割だった。6月中旬現在で、2歳馬の入厩頭数は全国の地方競馬で約880頭ほど。その内500頭が門別にいる。数字からも供給競馬の陣容を整えていることが実感できる。
 HRAの井村勝昭専務は「多くの方々のご助力で、屋内坂路造成へ踏み切ることができました。冬期間の調教環境を整え、春先のメンバーを充実させる。坂路でトレーニングすることで、強い馬づくりを大きく前進させることができます」。
 続けて「ホッカイドウ競馬の存在意義として、全国の競馬場へ馬資源を供給し、さらに馬産地のショーウインドーとなる役割りがあります。商品に付加価値をつけることで、生産者の皆様のご期待に応えたい」。意気込みを新たにした。
 1年後には、坂路コースで鍛えられた馬たちの力強い蹄音が、門別競馬場から全国の競馬サークルへ発信される。(馬時通信)
【写真】800メートル屋内坂路コース完成図

荒尾と佐賀競走馬共有 全国初、7月から

 荒尾競馬(熊本県荒尾市)と佐賀競馬(佐賀県鳥栖市)が、競走馬の一部を7月から「共有」することが分かった。両競馬とも経営難で所属する馬が減る中、融通しあうことでレースの魅力を高めようという地方競馬として全国初の試み。
 荒尾と佐賀は昨年10月-今年3月、全国のモデル事業として、競走馬を行き来させる「交流競走」を計25レース実施した。今回、最年少クラスの2歳馬について、交流競走の形態を年間を通じて導入。7月9日から12月末まで、両競馬場で計70レース程度開く。
 荒尾では昨年8月、馬主に支払う出走手当を約3割カットした影響で、現在出走できる2歳馬が前年より9頭少ない6頭に減少。2歳馬レースの単独開催が難しい状況になった。佐賀の2歳馬も減少傾向という。
 経営難にあえぐ地方競馬が多い中、地方競馬全国協会(東京)は自治体単位が原則だった競馬運営の地域ブロック化を進め、経営資源の共有とコスト削減を図りたい考え。今回も「将来の“九州競馬”の枠組みを見据えた試み」と位置付け、輸送費など約3千万円を補助する方針。
 荒尾競馬を運営する荒尾競馬組合は「共有化でバラエティーに富んだレースを編成し、ファン獲得につなげたい」としている。(西日本新聞)

福山競馬場 女子中生誘導馬騎手に


 兵庫県洲本市立五色中3年の滝本理菜さん(15)が来月25日、福山市千代田町、市営競馬場で、出走馬をパドックから馬場まで先導する誘導馬の騎手を務める。「将来は馬とかかわる仕事に」と望む理菜さんは、晴れ舞台を楽しみにしている。
 理菜さんは、母が理事長を務める洲本市の五色ホースクラブで、小学1年から乗馬を始めた。クラブには園田競馬場(兵庫県尼崎市)を引退した誘導馬がおり、競走馬を堂々と導く馬の騎手に憧れていた。今回、福山市営競馬の誘導馬業務を受託しているホースクラブから誘いがあり、実現した。地方競馬全国協会(東京)によると、中学生騎手は全国でも珍しいという。
 五色ホースクラブは障害者乗馬やホースセラピーに取り組み、理菜さんは、笑顔でリハビリに取り組む人たちを見るうち、馬と一緒にセラピーに携わる職業に就くことが夢に。「誘導馬に乗って、周りの人たちの笑顔も導き出したい」と話す。(読売新聞)
【写真】福山競馬で誘導馬の騎手を務める滝本理菜さん(兵庫県洲本市で)

岐南に場外舟券売り場


誘致計画再浮上 隣接市町が懸念

 岐南町上印食(かみいんじき)に競艇の場外舟券売り場(ボートピア)を誘致する計画が再浮上し、岐南町と隣接する笠松町や岐阜市を巻き込んだ議論となっている。笠松競馬場を運営する県地方競馬組合は16日に県庁で開かれた臨時議会で、「事業に影響が出る」として設置反対の決議を採択。岐阜市議会でも岐阜競輪場への影響について、市幹部が「競輪ファンの一部が流れる」と答弁するなど、競馬や競輪事業の収益悪化を懸念する声が出ている。
 ボートピアを巡っては、2009年にも今回と同じ場所で計画が持ち上がり、町内の企業が建設を目指したが、同年7月の自治会投票で反対が多数を占め、頓挫した経緯がある。現在は、今年2月に地元の一部住民から「地域活性化を目指す」として町議会に誘致を求める請願書が提出され、議会は特別委員会を設置、誘致の賛否を審議している。
 建設は昨年12月に設立された事業会社「アクアフォルテ」(岐南町)が、笠松競馬場から北約2・5キロの岐南インターチェンジ北東付近で行う予定。計画によると、施設は2000~3000平方メートルの敷地に約15の発売窓口を想定している。
 1日平均1500人の利用客と年間約70億円の売り上げを見込み、同社は「売り上げの1%を環境整備の協力金として町に提供する。防犯対策などでも地域と協議したい」としている。だが、町によると、具体的な設置時期や詳細な建設場所は未定。予定地には廃業したパチンコ施設や畑などがあり、誘致を呼び掛ける看板なども見当たらない。
 町議会では特別委員会が開かれ、「防犯や教育の点から住環境が悪化する」とする反対意見も出ている。広江正明・笠松町長も近隣にボートピアがある全国の4競馬場で、売り上げが平均4・5%減ったとして「競馬関係者は一丸となって笠松競馬の経営再建に取り組んでいる。建設は認められない」と強調する。
 16日開かれた岐阜市議会でも、大見富美雄・行政部長が「競輪ファンの約17%は競艇との重複ファンという調査結果もある。競輪事業に影響が出ることは避けられない」と懸念した。
 一方、地元の松原秀安・岐南町長は賛否を明らかにしていない。県地方競馬組合の臨時議会に出席した3人の岐南町議も異議を唱えなかった。町議会は22日に6回目の特別委員会を開き、誘致の是非を検討する。(読売新聞)
【写真】建設予定地とされる岐南町上印食地区の一角

2011年6月17日金曜日

浜松の場外馬券場が8月13日オープン JRAが発表


 日本中央競馬会(JRA)は16日、浜松市中区の「かじ町プラザ」4階に建設を進めている有料定員制場外馬券売り場「エクセル浜松」を、8月13日にオープンすると発表した。設備やスペースに応じて3種類の指定席を設け、幅広い利用者に対応。年間7万1000人の利用と、44億5000万円の売り上げを目指す。
 指定席は、大型机にパソコンを装備したS(2500円、122席)のほか、1人用のA(1500円、333席)、4人掛けテーブル仕様のB(1000円、330席)。
 天皇賞(春・秋)や有馬記念など、多くの利用が見込まれるG1(ローマ数字の1)競走7レースの開催日のみ、SとAは1000円、Bは500円、それぞれ料金が上乗せされる。
 3種類の指定席を備えたエクセルは全国で初めて。特にB席は、友人グループなどでの利用を想定した「新しい試み」(JRA)という。S席は、自席のパソコンで最新オッズ情報など見ることができる。
 施設の運営は、JRA職員5人のほか、馬券販売事務を手掛ける子会社スタッフ、警備や清掃の委託先関係者ら約60人で行う。
 エクセル浜松の村田秀俊所長は「浜松の周辺60キロ以内に電話やインターネットで馬券を購入しているファンが約3万人おり、来場を呼び掛けたい」と話した。空きが目立つかじ町プラザのテナントについては「飲食など利用者に便利な店が入ればありがたい」と今後に期待を示した。
 土・日曜日を中心とした中央競馬の開催日のみの営業。当日先着順に指定席券を販売する。20歳未満や子ども連れの入場は不可。(中日新聞)
【写真】グループでの利用を想定したB指定席の完成予想図

2011年6月16日木曜日

場外馬券売り場来場者数 当初目標の2倍 八代市日奈久

 八代市日奈久で4月に開業した日本中央競馬会(JRA)の場外馬券売り場「ウインズ八代」の来場者が当初目標の2倍に上っている。ただ地元温泉街の人出に大きな変化はなく、関係者は「工夫しながら温泉街の活性化につなげたい」と今後の展開に期待を込める。
 市によると、ウインズは土日ごとに営業し、4月24日-6月5日の営業日計14日間の来場は延べ約7万9千人。開業前の目標(1日平均2800人)の2倍となった。
 湯の里日奈久振興会は、営業日ごとに玄関前で名産のちくわなどを販売する「湧くわく市」を開催。日奈久温泉旅館組合は、温泉街との間に無料シャトルバスを走らせ、当日の外れ馬券持参で宿泊料1割引きのサービスを展開してきた。
 しかし温泉街中心部にある市立温泉センター「ばんぺい湯」の4-5月の利用者数は2万9955人と前年同期比7%増で、土日だけでみても同6%増にとどまった。
 日奈久温泉旅館組合の伊藤輝充組合長(57)は「鹿児島県などから競馬と温泉を楽しみに訪れるお客さんもボチボチ増えてきている。季節ごとに新しい企画を考えるなど長期的な視点で取り組みたい」と話している。(西日本新聞)

2011年6月14日火曜日

最年長騎乗山中さん 金沢競馬場で記念セレモニー


 今月5日に61歳10か月25日で騎乗し国内最年長騎乗記録を塗り替えた、金沢競馬の山中利夫騎手の記念セレモニーが12日、同競馬場で行われた。騎手生活44年での快挙に、壇上の山中騎手は「ファンの皆さんのおかげ」と涙声を上げた。

 山中騎手は約3000人の観客の前で記念品や花束を受け取った。特設ステージでマイクを握ると感情が高ぶった様子で、「これからも頑張りますんで、よろしくお願いします」と声を震わせ、集まったファンから大きな拍手を浴びた。

 この日は4レースに騎乗し、記録を61歳11か月2日まで伸ばした。また、第10レースでは単勝11番人気で3着に食い込み、3連単で454万6380円の同競馬場歴代最高配当に貢献、衰えない手綱さばきを印象づけた。

 山中騎手は大阪府岸和田市出身。1967年に同市の春木競馬場でデビューし、80年から金沢で活躍している。5日は通算1万7000騎乗目で、津曲照男騎手(福山競馬)の61歳10か月21日を超えた。通算記録は2811勝。(読売新聞)
【写真】国内最年長記録を更新した山中利夫騎手(12日、金沢競馬場で)

2011年6月9日木曜日

福山競馬の1日売り上げ増加

 福山競馬の4、5月の1日当たりの売り上げが1億297万円となり、前年度同期比で24%増えた。福山市が8日の市議会競馬事業特別委員会で報告した。東日本大震災の影響を受け、関東、東北地方の競馬場でレース中止や節電に伴う時間変更があり、福山競馬の馬券をインターネットで買うファンが増えたとみている。

 4月10日~5月23日に計14日間開催した。1日当たりの実績は、売り上げが前年度同期の8299万円を約2千万円上回った。うち、ネット販売は2602万円で約2・4倍に上った。入場者数は1694人と前年度同期比で約83%だった。

 市は、1日当たり8234万円を売り上げれば、収支が均衡するとみている。4、5月はそのラインをクリアしたが、特別委で佐藤彰三財政局長は「再開した競馬場もあり、楽観視はできない」と説明。入場者の減少にも危機感を示した。(中国新聞)

福山市の競馬事業、10年度は実質2900万円の赤字に

 広島県福山市は8日、2010年度の市営競馬事業について、基金の繰り入れを除いた実質単年度収支が2900万円の赤字の見込みであることを明らかにした。事業存続に向けて経費節減を進めた結果、09年度(約1億円の赤字)に比べて赤字幅は縮小した。

 1日当たりの売上高は8900万円で、09年度に比べて約3%減少した。2度にわたり賞金や関係者の手当を引き下げるなど経費を削減し、赤字幅縮小に努めた。

 中国地方で唯一の公営競馬事業である福山市営競馬事業は約20億円の累積赤字を抱えるなど経営が悪化し、存廃が焦点になっていた。羽田皓市長は今年1月、実質単年度収支の黒字確保を条件に11年度の事業継続の方針を表明した。

 景気低迷やレジャーの多様化傾向により、市は11年度も厳しい事業運営が続くと想定。実質単年度収支の黒字確保に向けて、魅力あるレースの企画などの振興策に取り組むとしている。(日本経済新聞)

2011年6月8日水曜日

馬のゼッケン再利用 障害者らがかばん作り、販売


 県内の障害者施設の作業所で、日本中央競馬会(JRA)栗東トレーニングセンター(トレセン)で使った馬のゼッケンを再利用したかばんが作られ、販売されている。ブランド名は「優駿(ゆうしゅん)」という意味の「steed(スティード)」。革製品専門店とカバン専門店に技術的サポートを受けながら、リュックなどの新しいデザインの製品開発に挑戦している。

 障害者の雇用を生み出し、所得のアップを目的に2009年から県社会就労事業振興センターが中心となり、県内4カ所の作業所が共同で作っている。

 ゼッケンは、調教用で1年間使用した物を無償で譲り受け、手作業で洗い、裁断し縫製する。商品は、ゼッケンの番号を生かして作られたトートバッグやショルダーバッグなど全6種類で、緑、黒、白の3色ある。ゼッケンの番号は全て異なっており、1歳馬用の緑色のゼッケンは栗東トレセンだけで使われているのも特徴。

 裁断、縫製を担当している守山市水保町の聴覚障害者施設びわこみみの里によると、かばんの販売を始め約2年だが、伸び悩んでいるのが現状。そのため新商品の開発に着手。完成品は今後百貨店などのカバン店店頭での販売も検討している。

 縫製を担当している栗東市の西城明美さん(50)は「布が丈夫で使い勝手がいい。若い人にも合うデザインになっている」と呼び掛けた。

 販売はインターネットで受け付けている。問い合わせはメール=info@steed.jp=まで。(中日新聞)
【写真】ゼッケンを再利用したかばん=守山市水保町の聴覚障害者施設びわこみみの里で。

2011年6月6日月曜日

国内最年長記録を更新 金沢競馬・山中騎手


 金沢競馬所属の騎手山中利夫さん(61)が5日、同競馬場で開催の第10レースにトワイニングイモン号に騎乗し、中央、地方歴代で国内の最年長騎乗記録となる61歳10カ月25日を樹立した。節目のレースは通算1万7千回騎乗目。レース後、同僚騎手らから偉業達成をたたえられた鉄人は「前人未到の記録をまだまだ積み重ねたい」と、泥だらけの顔に笑みを浮かべ決意を新たにした。

 中央競馬の歴代最年長は2005(平成17)年に引退した岡部幸雄騎手の56歳。地方競馬では、地方競馬全国協会(NAR)が確認している範囲では、1996年に引退した福山競馬(広島県)の津曲(つまがり)照男騎手の61歳10カ月21日だった。

 10頭が出走した第10レースで、山中さん騎乗のトワイニングイモンは9番人気。後方からの追い込み及ばず9位で入線した。最後の直線で歯を食いしばってむちを振るった山中さんの姿に、30年以上の競馬ファンである白山市内の男性(66)は「諦めないのが山中さんらしさ。同年代として胸が熱くなる」とエールを送った。

 山中さんは大阪府岸和田市出身。67年に地元の春木競馬場でデビュー後、80年に金沢競馬に移り、85年にはリーディングジョッキーに輝いた。

 今も貪欲に勝ちを狙う姿は、10年度に5年連続5度目のリーディングジョッキーに輝いた吉原寛人騎手(27)をはじめ、若い騎手たちが範とする。吉原騎手は「あの年齢まで騎乗できることが信じられない。息の長い騎手も目指す自分にとって尊敬できる大先輩」と、精神的、体力的に過酷なレースに挑み続ける姿に驚く。

 レースを終え、検量所で山中さんを待っていたのは、記念の花輪を持った職員と祝福する同僚騎手だった。「おめでとう」と声を掛けられた山中さんは、馬券に絡むことができなかったレースを反省し、照れくさそうに花輪を首に掛けた。「今日も無事走り切れた。これからも一日一日積み重ねていくだけや」と、いつも通りの勝負師の表情を浮かべた。

 石川県競馬事業局は、山中さんの記録を記念し、12日に金沢競馬場で記念セレモニーを開く。時間は未定。(富山新聞)
【写真】第10レースに騎乗した山中さん=金沢競馬場

2011年6月2日木曜日

荒尾競馬13年ぶり黒字…出走手当削減で支出減

 荒尾市の荒尾競馬組合(管理者・前畑淳治市長)は1日、2010年度決算が約4327万円の黒字になる見通しであることを市議会全員協議会で報告した。黒字は1997年以来13年ぶり。長年、赤字状態が続いて廃止論議も浮上していたが、一段落しそうだ。

 組合によると、総収入は競馬事業や、地方競馬の全国組織、市からの補助金などで前年度比約4500万円減の計約55億1316万円。これに対し、総支出は開催経費、人件費を含む管理費などで同約1億3000万円減の計54億6988万円だった。

 支出の大幅な減少で黒字化に転じた形。昨年7月以降、3歳馬以上で5万円から3万5000円にするなど、馬主に払う出走手当を削減したことが功を奏したとしている。

 収入面では東日本大震災で東北や南関東の地方競馬、競輪、競艇事業などが中止になったあおりで、大震災後の第17回競馬は計画を2200万円上回る収益になったこともあったという。

 今回の決算見通しについて、市や組合は全員協議会で「組合職員7人は市から派遣していることや、入場者も減っていることを考えると手放しでは喜べない。実質は赤字という認識で今年度の運営に臨み、増収策として今後、ネット発売に力を入れる」などと説明した。

 荒尾競馬は1997年の三井三池閉山を境に赤字に転落し、2009年度末で累積約14億円の赤字を抱えている。市が設置した有識者らによる荒尾競馬あり方検討会は2009年10月、「(経営)改善の見込みが困難と判断した場合には2011年度を待たず存続断念の決断も視野に入れるべき」と提言していた。(読売新聞)

2011年6月1日水曜日

軽快に土砂を撤去 騎手らがボランティア


 県競馬組合騎手会(菅原勲会長)は31日、釜石市を訪れ、被災住宅の片付けなどのボランティア活動を行った。軽快な身のこなしで次々と作業に当たり、住宅の床下にたまった泥やがれきを取り除いた。

 同会に所属する騎手と職員約20人が参加。同市鵜住居町の浸水した住宅で、泥やがれきをスコップで次々にかき出し、袋に詰めた。

 土砂の撤去作業を手伝ってもらった大久保弘子さん(54)は「家族だけではとても無理なので助かる」と作業を見守っていた。

 菅原会長と競馬モール(楽天競馬)の木村美樹社長らは同日、同市鈴子町の市災害対策本部を訪れ、野田武則市長に義援金50万円を送った。

 野田市長は「皆さんが身を削るような思いで集めてくださった義援金。大切に使わせていただきたい」と感謝した。

【写真=力を合わせて浸水した住宅の床下にたまった泥をかき出す騎手ら=釜石市】