2011年6月8日水曜日

馬のゼッケン再利用 障害者らがかばん作り、販売


 県内の障害者施設の作業所で、日本中央競馬会(JRA)栗東トレーニングセンター(トレセン)で使った馬のゼッケンを再利用したかばんが作られ、販売されている。ブランド名は「優駿(ゆうしゅん)」という意味の「steed(スティード)」。革製品専門店とカバン専門店に技術的サポートを受けながら、リュックなどの新しいデザインの製品開発に挑戦している。

 障害者の雇用を生み出し、所得のアップを目的に2009年から県社会就労事業振興センターが中心となり、県内4カ所の作業所が共同で作っている。

 ゼッケンは、調教用で1年間使用した物を無償で譲り受け、手作業で洗い、裁断し縫製する。商品は、ゼッケンの番号を生かして作られたトートバッグやショルダーバッグなど全6種類で、緑、黒、白の3色ある。ゼッケンの番号は全て異なっており、1歳馬用の緑色のゼッケンは栗東トレセンだけで使われているのも特徴。

 裁断、縫製を担当している守山市水保町の聴覚障害者施設びわこみみの里によると、かばんの販売を始め約2年だが、伸び悩んでいるのが現状。そのため新商品の開発に着手。完成品は今後百貨店などのカバン店店頭での販売も検討している。

 縫製を担当している栗東市の西城明美さん(50)は「布が丈夫で使い勝手がいい。若い人にも合うデザインになっている」と呼び掛けた。

 販売はインターネットで受け付けている。問い合わせはメール=info@steed.jp=まで。(中日新聞)
【写真】ゼッケンを再利用したかばん=守山市水保町の聴覚障害者施設びわこみみの里で。