2013年2月26日火曜日

岩手競馬に春の足音 盛岡と奥州で調教スタート


 春競馬に向けた岩手競馬の調教が25日、盛岡市の盛岡競馬場と奥州市の水沢競馬場で始まり、人馬がはつらつと調整を進めた。

 盛岡市新庄の盛岡競馬場の安全祈願祭には調教師、厩務(きゅうむ)員、騎手ら約100人が出席。コースの「馬場清め」に続いて9頭が本馬場に入り、白い息を吐きながら砂の感触を確かめるように周回した。
 2013年度は構成団体の融資で事業存続してから7年目、東日本大震災発生から3年目のシーズン。県調騎会の城地俊光副会長は「(地方競馬最高峰レースの)JBC競走が14年にあり、少しでも売り上げをアップしていきたい。迫力あるレースをファンに見てほしい」と意気込みを語る。
 12年度特別開催は水沢競馬場で3月23~25、30、31日の5日間。13年度は4月6日に同競馬場で開幕し計129日間の開催となる。(岩手日報)
【写真=春競馬に向けて調教を進める競走馬=25日午前、盛岡市・盛岡競馬場】

競馬場跡地に交流拠点施設、三条 


5月着工、来春開館へ
 三条市は5月、三条競馬場跡地(同市上須頃)に計画する「かわまちづくり交流拠点施設」の工事を始める。施設は、同市を襲った2度の豪雨災害を伝える展示ホールや備蓄倉庫などを備えた「水防センター」と、芝生広場で構成。国土交通省が計画する防災拠点施設と一体的に整備する。平時は市民が憩い、防災教育を学ぶ場として広く開放し、災害時は復旧活動の拠点として活用する。14年4月のオープンを目指している。
 建設地は信濃川と五十嵐川の合流点に近い河川区域。ヘリポートや排水ポンプ車の車庫など国が整備する河川防災ステーションの一角に位置する。市は09年に国から認定を受け、整備計画を進めてきた。
 水防センターは鉄骨2階建て、延べ床面積は約410平方メートル。2階に展示ホールを備え、04年の7・13水害や11年の7月豪雨時の記録をパネルや映像で伝える。防災セミナーも開催し、被災経験を踏まえた啓発事業に取り組む。1階には災害時に必要な資機材を備蓄する水防倉庫を整備。被災時は復旧活動の拠点とする。(新潟日報)

岩手競馬「調教始め式」


 競馬場には一足早い春の訪れです。岩手競馬のシーズンインまでおよそ1ヵ月。盛岡と水沢の競馬場では、きょうから調教が始まりました。
今朝は、調教再開に先立って安全祈願祭が行われ、盛岡競馬場では、一角にまつられた「馬頭尊」前で、関係者およそ100人が、シーズン中の無事を祈りました。
きのうの大雪を感じさせない良好な状態に仕上げられた馬場を神主が清めるといよいよ調教再開。競走馬は、およそ1ヵ月半ぶりの調教に足元の感覚を確かめるように早足でコースを周回していました。
1日にGIレース3つが行われる地方競馬・最大の祭典「JBC競走」が来年秋に、盛岡競馬場で開催される事が決まっており、関係者も意気込みを強くしています。
岩手競馬は、来月23日から始まる水沢競馬場での特別開催でシーズンイン。
4月6日には、同じく水沢で、新年度のレースがスタートします。(岩手放送)

2013年2月23日土曜日

福山競馬…再就職めど立たず


 福山市の福山競馬は24日、最後のレースまで残り1カ月となる。あと10日間の開催で騎手や馬券販売などの従事員、関連業者計500人以上が仕事を失うが、再就職のめどはほとんど立っていない。競走馬の行き先も決まらない。関係者には焦りが見え始めた。
 「経験や資格がないと、再就職は難しいと分かった」。馬の世話をしている藤井美幸さん(53)=同市船町=は頭を抱える。
 中学校を卒業後、厩務員になった。7人家族。次女(22)は関東地方の大学に通い、三女(14)はまだ中学2年だ。再就職支援のため市が昨年末、競馬場に設けた総合相談窓口に3回通ったが、条件が合う仕事は見つからなかった。
 訪れたハローワーク福山では、若い求職者の多さに驚いた。「家族をどう養えばいいのか」。そう焦る。
 福山市では昨年12月にシャープの工場で希望退職を実施したばかり。市内の同月の正社員有効求人倍率は0.87倍。求人を求職者が上回る。
 ハローワークの担当者は「競馬廃止で地域の雇用状況はますます悪化する。求人開拓に努めるが、年長者ほど再就職が難しくなりがち」という。71人いる厩務員の平均年齢は46歳だ。
 「競馬関係者の再就職支援に協力をお願いします」。22日、福山商工会議所であった会員企業の会合で競馬を所管する佐藤彰三市財政局長が頭を下げた。未明から働く厩務員らの真面目さに触れ、募集職種や採用人数などの記入欄のある「求人連絡表」を配った。
 これまで市が得た独自の求人情報はタクシー会社など10件。総合相談窓口の利用者数は21日現在延べ151人だが、窓口が関わって就職が決まったのはまだ1人という現実が横たわる。
 市は本年度末で競馬事務局を廃止し、4月からは競馬対策室を新設。関係者の再就職支援や競馬事業の清算に当たる方針だ。
【写真説明】再就職の不安を抱えながら馬にブラシを掛ける藤井さん

東京都競馬、太陽光発電が黒字に 14年12月期から参入


  東京都競馬が2014年4月からグループの遊園地「東京サマーランド」(東京都あきる野市)で始めるメガソーラー(大規模太陽光発電所)事業が、初年度から黒字になりそうだ。主力事業である競馬・オートレースやサマーランドは業績のぶれが大きいため、同社は安定収益源として期待している。
 メガソーラーの部門営業損益は1412月期、200万円前後の黒字を確保する見通し。通年で稼働する1512月期からは、営業利益が1000万円程度、売上高も約3500万円を確保できるとみられる。
 サマーランドの駐車場などに発電能力900キロワットのメガソーラーを設置する。太陽光でつくった電気の電力会社への売電価格は1キロワット時当たり42円で、20年間保証される。
  大井競馬場などの施設を保有する東京都競馬は、競馬やオートレースの施設収入が伸び悩んでおり、サマーランドも天候に左右されやすい。安定収益が見込める 事業を増やし、1712月期の連結業績は営業利益が今期見通し比27%増の32億円、売上高は6%増の170億円を目指す。(日本経済新聞)

2013年2月22日金曜日

岩手競馬、7年連続の黒字 当期利益2千万円


 県競馬組合議会(議長・及川幸子県議)は21日、県議会議会棟で定例会を開き、2013年度一般会計予算案など3議案を可決した。13年度の発売額は12年度最終見通しとほぼ同額の181億9400万円で、2千万円の当期利益を計上。
 06年度に構成団体から330億円の融資を受けて存続して以来、7年連続の黒字を見込む。ただ、これまで組合から元金の返済が行われたことは一度もなく、返済に向けた経営改革が求められている。
 同日の議会では、昨年10月に始まった日本中央競馬会(JRA)のインターネット投票システム(PAT)会員への発売について議員が「販売チャンネルが変化する中で、人員態勢など柔軟に対応すべきだ」とコスト削減を要請した。ただ、この他に目立った質疑はなく約1時間で終了。同組合が県と奥州市、盛岡市から融資を受けた330億円の返済に関する議論は行われなかった。(岩手日報)

2013年2月20日水曜日

笠松の競走馬逃げ、軽乗用車と衝突


 20日午前1時45分ごろ、岐阜県笠松町円城寺の木曽川右岸堤防道路で、近くの笠松競馬場から逃げ出した競走馬と、岐阜市の男性公務員(33)の軽乗用車が正面衝突した。男性にけがはなかった。馬は左前足を骨折し、薬殺処分となった。
 岐阜羽島署と競馬場によると、競走馬は5歳の牝馬で、名前は「スイート」。男性厩務員が調教のため厩舎から馬場へ連れて行ったところ、暴れて逃げたという。馬場の出入り口は3カ所あり、このうち1カ所が開いていた。
 馬は2009年に姫路競馬場(兵庫県姫路市)でデビューし、10年9月に笠松競馬場に所属変更。これまで89戦3勝。軽乗用車はボンネットがへこみ、フロントガラスが割れた。(中日新聞)

岩手競馬 来年度売り上げ見込み182億円


 県競馬組合の新年度予算が決まりました。売上の見込みは182億円と7年ぶりに前年度を上回る計画です。
 これはきょうの県競馬組合議会で決まったものです。組合管理者の達増知事は今年度について、およそ8000万円の利益を確保できる見通しを説明しました。そして売上計画を今年度当初より12億円ほど多い、およそ182億円とする新年度予算案が全員の賛成で可決されました。背景にはJRAの投票サービス「I PAT」を含むインターネット販売への期待があり、組合では新年度、「I-PAT」で発売可能な重賞レースを大幅に増やす方針です。(岩手放送)

2013年2月19日火曜日

岩手競馬 三本木でJRA馬券 新年度内に販売開始


 岩手県競馬組合は18日、盛岡市であった運営協議会で、三本木場外馬券売り場(宮城県大崎市)で新年度内に日本中央競馬会(JRA)の馬券の販売を始めることを明らかにした。GⅠレースを中心に扱い、業務はJRAから受託する。
 三本木場外の本年度発売額は前年度比9.2%増の14億円で、岩手競馬の場外10カ所で最多。
 協議会ではこのほか、第4期まで(昨年4月7日~ことし1月14日)の発売額が176億3000万円となり、計画を1.5%上回ったことが公表された。
 年間発売額は計画比2億6500万円増の181億2700万円に上方修正。施設整備や退職手当の基金を積み増すなど販売・管理費を計画比1億1900万円増やすが、年間黒字は8000万円を確保する。
 現在使っていない投票所スペースなどを活用し、スクリーンや券売機を新設する。必要経費は新年度予算に盛り込む。組合は「三本木周辺は企業進出などで若い世代の客が増えており、JRA販売を求める声が強まっていた」と説明している。(河北新報)

岩手競馬、施設整備を前倒し 第4期の発売収入増で


 県競馬組合運営協議会(会長・東大野潤一県農林水産部長)は18日、盛岡市内で2012年度第5回会合を開いた。同組合から第4期の発売収入が計画を上回ったことで施設整備などを前倒しで行う方針が示され、当期利益を8400万円から8千万円に下方修正する年間収支見通しを了承した。
 同組合によると、第4期(4月7日~1月14日)までの発売額は176億3千万円(計画比101・5%)。年間収支見通しの発売収入を2億6500万円増額する一方、施設整備の前倒しや施設等整備基金への積み立てを行い販売費・管理費を1億1900万円増とした。
 13年度は4月6日に水沢競馬場で開幕。県競馬組合は12年度と同じ22開催(129日間、約1410レース)とする13年度事業計画案を示した。このうち盛岡開催を12年度比1開催増の10開催とし、芝競走を同6レース増の約50レースに充実させる。(岩手日報)

2013年2月15日金曜日

競馬の勝馬投票券に対する配当に高額な課税がなされている件についての担当弁護士からのご説明


■競馬の勝馬投票券に対する配当に高額な課税がなされている件についての担当弁護士からのご説明

本件については、私、中村和洋が主任弁護人として、また、不服申立て等についても代理人弁護士として担当しております。

各新聞紙等で広く報道をされておりますが、正確な事実関係をご理解いただくために、以下に本件に関するQ&Aとして、説明をさせていただきます。

●Q&A 1 どのような事案ですか。

会社員のAさんは、平成16年ころから、市販の競馬予想ソフトに、自らが過去の統計を基に分析したデータや計算式を付け加えることによって、独自のシステムを構築し、インターネット上で馬券を購入するようになりました。そして、JRAで開催されている期間の全競馬場のほぼ全レース(障害レースと新馬戦を除く)の馬券を購入し続けていました。

当初は100万円を資金としていましたが、その後、それは順調に増え続け、平成17年から平成21年までの5年間の馬券の収支は、購入金額が合計約35500万円、配当金額が合計約366000万円となり、合計約15500万円の黒字となりました。各年度の成績はおおむね以下のとおりです(なお、いずれもおおよその金額です)。


平成17年 購入金額:9900万円/配当金額:1800万円/差額:900万円

平成18年 購入金額:53800万円/配当金額:54400万円/差額:600万円

平成19年 購入金額:66700万円/配当金額:76700万円/差額:1億円

平成20年 購入金額:142000万円/配当金額:144600万円/差額:2600万円

平成21年 購入金額:78400万円/配当金額:79800万円/差額:1400万円

合計15500万円


なお、配当金として得た金額については、次回以降のレースの購入費用に継続的に充当していたものであり、上記のように合計としては約366000万円の配当を得ていますが、それは各レースにおける配当金額を単純計算で合計したものにすぎません。

実際に口座に入金されていたのは購入金額との差額がまとめて週明けの月曜日にJRAから入金されていたのであり、口座の残高は各年度とも、多いときでも数千万円にすぎませんでした。

その後、平成23年に、Aさんは、国税当局から、上記競馬の収支について、一時所得であり、はずれ馬券は経費としては一切認められないとして、的中馬券だけを経費をとして計算した内容に基づく課税処分を受けました。

国税当局の所得の計算は、以下のとおりです(同じくおおよその数字です)。


平成17年 購入金額:600万円/配当金額:1200万円/差額:9600万円

平成18年 購入金額:1800万円/配当金額:52000万円/差額:5200万円

平成19年 購入金額:3200万円/配当金額:76700万円/差額:73500万円

平成20年 購入金額:6500万円/配当金額:144600万円/差額:138100万円

平成21年 購入金額:3100万円/配当金額:79500万円/差額:76400万円

合計347800万円


※なお、配当金額の計算方法等に一部異なる点があるため、Aさんの計算と国税当局の計算では若干の食い違いがあります。

国税当局は、上記計算を根拠に、所得について約17億円とし(一時所得は収入の2分の1が所得とされます。)、そのため、Aさんは、
所得税約68000万円、無申告加算税約13000万円の課税処分を受けました。

また、確定申告をしていなかったことをもって、単純無申告犯として検察庁に告発し、起訴されています。

その他、
地方税としても約17000万円の課税処分を受けており、延滞税も合せると約10億円以上もの多額の税金を支払うことを求められています。

●2 どうして確定申告をしなかったのですか?

Aさんは、当初、競馬の収支が黒字になったことから、確定申告をすることを考えました。しかし、インターネットで情報を集めて調べたところ、国税当局は、上述のようにはずれ馬券を経費として認めないことを知りました。

そうすると、Aさんは、もし申告すると、自分の手元に残ったお金の何倍もの多額の税金を払わなければならなくなると思いました。

Aさんは、普通の会社員として当時年収約800万円(額面)があったにすぎず、実際に手元に入った馬券の払戻金を大幅に上回る納税をすることは不可能でした。

そのため、もし確定申告をして国税当局の言うとおりの納税を求められると生活が破綻してしまうと思い、確定申告をすることができなかったのです。

●3 本件では、何が争点ですか?

Aさんが、馬券で得ていた所得の種類と経費として算入できる範囲です。

国税当局は、「
一時所得」、つまり、偶然入った所得だと主張しています。

Aさんは、一時所得ではなく、「
雑所得」だと主張しています。

そして、馬の収入の経費について、
はずれ馬券を経費に認めるべきか否かという点が争点となっています。

●4 国税当局の主張の根拠はどのようものですか?

通達で、馬券の収入については「一時所得」の例としてあげられています。

国税当局はこれをそのまま適用して、馬券はたまたま的中したことで偶然、配当が得られるものだから「一時所得」であるとしています。

また、当たり馬券の配当については、はずれ馬券の有無や金額は関係ないので、当たり馬券の購入金額だけが経費になると主張しています。

●5 Aさんの主張の根拠はどのようなものですか?

Aさんは、自ら独自のシステムを構築した上で、そのシステムに基づいて、インターネットで自動的に馬券を注文していました。その回数は、極めて多数回にのぼるもので、継続的なものでした。

また、Aさんのシステムは、過去のデータを統計的に分析した結果に基づいて、各レースで馬券を多数購入し、投資した金額の全体の
回収率を高め、投資金額よりも多くのリターンを長期的に得るというものでした。

所得税法において、「
営利を目的とする継続的行為」は、一時所得に当たらないとされています。

Aさんのしていた行為は、まさに「営利を目的とする継続的行為」であるから、一時所得には当たらないと主張しています。また、競馬は娯楽という面もありますが、単に消費するだけでなく、一定の馬券による払戻があることや、実際にAさんが継続的に利益を上げていたことからしても、「営利の目的」があるのは明らかだと考えています。

そして、その他の所得にも当たらないことから、「
雑所得」であると主張しています。なお、雑所得の例としては、FX取引や先物取引で得た利益が挙げられます。このように雑所得となる場合には、1年間の間に得た利益と生じた損失との差額が、所得と解すべきことになるので、当然、はずれ馬券の購入金額も、経費となります。

●6 本件が「一時所得」ということであれば、はずれ馬券は経費にはならないのですか?

必ずしもそうとはいえません。

Aさんのシステムは、多種類かつ多数の馬券を継続的に購入することで、統計的な見地に基づいて、投資金額よりもおおきな金額を回収しようとするものです。

したがって、購入した馬券のほとんどは必然的にはずれ馬券になります。

しかし、そのようなはずれ馬券も含めてたくさんの種類の馬券を購入しないことには、回収率を上げることができず、利益を得られない仕組みになっているのです。

ですから、仮にAさんの所得が「一時所得」であるとしても、
はずれ馬券の購入経費も、投下資本に当たるといえるので、経費として認めるべきであるとAさんは主張しています。

●7 現在、Aさんは、税金は納めていないのですか?

Aさんは、本件で不服申し立てをしていますが、課税処分を取り消されるまでは、納税をしなければいけません。

課税処分を受けた後すぐに、上述の自分の考え方に従うと納めなければならないであろう税金として約5500万円を納税しています。

その後も、残っていた預金から生活にどうしても必要なお金等を除いた約1300万円を納税し、給料の中から、毎月、当初は10万円、現在は8万円ずつの納税を続けています。

なお、Aさんは、競馬で得た配当金の一部で株式を購入していましたが、リーマン・ショックの影響で多額の損失を出したこともあり、現在、預貯金等はほとんどありません。

●8 Aさんは、今はどんな生活をしているのですか。

Aさんは、現在、手取りで毎月30万円くらいの収入がありますが、妻子を抱えている中、上記のような納税を続けているので、生活は大変な状況です。

しかも、ひょっとしたら10億円以上の納税義務が確定しまうかもしれないという大変な不安の渦中にあり、これは、一生払っても払いきれないですし、破産をしても免れることはできないので、ご家族も含めて暗澹たる気持ちでおられます。

●9 そもそも競馬の配当金にそんなに重い課税をする必要があるのですか?

その点については、多いに疑問があります。

競馬の売上げの25%は、JRAの収入となりますが、実際にはその半分近い
10%が国庫に入ります。つまり、最初から税金を引かれているようなものです。

はずれ馬券とはいっても、結局はJRAの収入になっているのですから、それを経費として認めず、当たり馬券だけに多額の納税義務を課すのは、明らかにおかしいと考えています。

●10 Aさんは悪いことをしたのでしょうか。

そうとはいえません。

上記のとおり、国税当局の馬券に対する課税の取り扱いはあまりに非常識で、誤っていると思います。

税金というのは、「担税力」、つまり税金を支払う能力があるところにかかってくるものです。しかし、国税当局の取り扱いは、Aさんの担税力を大きく超えて、実際に入っていないお金を所得として課税するもので、違法性が重大だと考えています。

生活が破綻することを覚悟してまでAさんに確定申告を期待することはできなかったものと思います。

また、Aさんは最初に準備した100万円を元手に競馬をしていたのであって、生活を犠牲にしてまで競馬にのめり込んでいたわけではありません。むしろ、健全な馬券の買い方をしていたといえます。一定の決められた枠内で馬券を購入し、それがもし増えればそれを元手にまた馬券を買うというのは、競馬ファンとして、むしろ模範的な買い方といえるでしょう。

Aさんが、違法な賭博をしてお金を得ていたというのであればともかく、公営の競馬で、健全な範囲で投資を続けていたいたことを原因として、こんな不当な課税処分にまきこまれ、生活が破綻しかねないというのは、あまりにも理不尽ではないでしょうか。

●11 どうして課税当局は、そこまでして多額の課税をしてきたのですか?

馬券で高額の収入を挙げるということは通常は考え難く、また、実際にはそれを国税当局として把握することは難しいので、課税されることはこれまでほとんどなかったものと推測されます。

万馬券がたまたま当たったとすればそれは偶発的所得なので、一時所得になる、という従来の素朴な考え方を、現在の予想ソフトやインターネットを駆使した継続的な取引にまで形式的に適用したことで、こんな非常識な課税になっているものと思われます。

●12 今回のことは、どうして課税当局に発覚したのですか?

それはわかりません。

●13 国税当局の考え方が認められてしまったらどんな影響がありますか?

馬券を年間で継続的に購入している人は、たとえトータルでは負けていても、競馬の配当から当たり馬券の購入金額のみを差し引いた金額が90万円以上になる場合には、確定申告し、納税しなければならなくなります。

でも、そんな不合理なことはおかしいので、競馬ファンは、実際には申告をしないか、そうでなければ、馬券の購入を控えるかしないことになり、いい影響があるとは思えません。

●14 Aさんの主張が認められたらどんな影響がありますか?

年間トータルで利益が出た場合には、確定申告をしなければならないということになれば、ルールが明確になるので、むしろ確定申告をきちんとしようという人が増えると思います。悪影響があるとは思えません。

●15 今回の事案について担当弁護士としてはどのように考えていますか?

非常に理不尽であり、国税当局、検察当局の主張は間違っていると考えています。特に、本件で刑事起訴までしたことについては、事案の実質をみておらず、法律家としてのセンスを疑うとしかいいようがありません。

「本件についての報道 平成241129日付読売新聞・毎日新聞(PDF)」 『中村和洋法律事務所』

http://www.k-nakamura-law.jp/img/publications/20121129.pdf

執筆: この記事は『中村和洋法律事務所』からご寄稿いただきました。

2013年2月14日木曜日

福山競馬の岡田騎手 中央へ移籍


 3月で廃止される福山競馬の岡田祥(よし)(つぐ)騎手(41)が、2013年度の日本中央競馬会(JRA)新規騎手免許試験に合格し、中央競馬へ移籍することが決まった。福山競馬所属の騎手では初めてで、地方競馬からの中央移籍は、全国で10人目となるという。
 福山競馬事務局(福山市千代田町)で会見した岡田騎手は「福山で指導いただいた先輩方に感謝し、福山競馬の思いを背負って走りたい」と話し、「日本ダービーなどビッグレースの勝利を目指したい」と抱負を述べた。中央では笹田和秀厩舎(きゅうしゃ)(滋賀県栗東市)に所属する。
 岡田騎手は福山市出身で、1991年初騎乗。福山競馬の年間最多勝に4回輝き、10日までに計1967勝をあげている。中央の免許は3月1日付。福山での引退レースや、中央デビューの日付は未定だという。(読売新聞)

【写真】JRAへの移籍が決まった岡田騎手(福山市千代田町の福山競馬場で)

名古屋競馬が払戻率を下げる可能性、短期的な延命策に終わりそう


 名古屋競馬の存続を話し合う経営改革委員会が行われ、その中で馬券の払戻率を70%(現在は75%)に下げることで黒字化できるとの試算が挙げられた。
 地方競馬の売り上げは、1991年度、約9800億円をピークに減少、ここ数年は約3000億円で推移している。中津(2001年)、新潟公営(2002)、高崎(2004)、宇都宮(2006)など、2000年頃から廃止される競馬場も相次いでいる。管轄する自治体や関係者も、中央競馬との連携やネット販売などに力を入れているが、売上増には結び付いていない。
 払戻率は競馬法によって定められているが、20126月の改正により、7080%の幅を持たせることができるようになった。厳しい地方競馬の収益を改善する目的だが、払戻率を下げることで、競馬ファン離れを加速する可能性も指摘されていた。
 名古屋競馬の経営改革委員会の試算では、2014年に払戻率を70%に下げた場合、45600万円の黒字化になる見通しを示している。ただし年々黒字幅は減少して、42500万円(2015年)、29300万円(2016年)、23200万円(2017年)、1300万円(2018年)と試算している。
 当然、委員からは「当面の延命策」との指摘が出ている。根本的な経営改善を行わない限り、地方競馬の苦境は変わらないだろう。(マイナビニュース)

2013年2月12日火曜日

2014年のJBCは盛岡競馬場で実施!

12日、岩手県競馬組合は、2014年11月3日(祝・月)に行われる予定の第14回JBC競走を盛岡競馬場で開催すると発表した。 同競馬場でのJBC競走の開催は2002年の第2回以来12年ぶり2度目で、東日本大震災以降では初めてとなる。
 当日は、JBCクラシック(GI・ダ2000m・1着賞金8000万円)のほか、JBCスプリント(GI・ダ1200m・1着賞金6000万円)、JBCレディスクラシック(GI・ダ1800m・1着賞金4100万円)の、3つのGIレースを実施する。
■岩手県競馬組合管理者 達増拓也・岩手県知事のコメント
「第14回JBC競走を盛岡競馬場で開催することとなり、大変うれしく、心から感謝を申し上げます。この地方競馬最高峰レースは、岩手県では12年ぶりの開催となりますが、当組合としては、東日本大震災からの復興に向けた、全国からの多くのご支援に対する感謝の気持ちを届け、被災地の方々へ元気と勇気、感動を与えるとともに、岩手競馬の震災からの復興と再生を確かなものとするため、関係者一丸となって取り組んで参ります。加えて、JBC競走が開催される年は、岩手県競馬組合が設立されて50周年を迎え、また2年後に第71回国民体育大会を控えた年でもあります。これらを記念する行事としても、成功に向け万全を期して参ります。」
 なお、2013年の第13回JBC競走は、11月4日(振替休日・月)に金沢競馬場で開催が予定されている。(Net-Keiba.com)

2013年2月9日土曜日

福山競馬、昨年末までは赤字


 福山市は8日の市議会競馬事業特別委員会で、3月末で廃止する福山競馬の本年度12月末(第3四半期)までの決算が、2628万円の赤字だったと報告した。
 レースは昨年4月14日から12月23日までに計72日間、開いた。同じく72日間の開催だった前年度は5799万円の黒字を計上しており、比較すると8427万円の減少。1日当たりの入場者数は1407人で、前年同期の1573人に比べ10・6%減った。
 昨年度末の累積赤字は18億6900万円。3月末までの本年度収支が赤字になれば、さらに膨らむことになる。市は競馬事業の廃止に伴い、5億9400万円が残っている基金や税金で累積赤字を穴埋めする方針。市財政局は「収支状況は依然厳しく、単年度収支の予想は現段階では難しい」としている。(中国新聞)

2013年2月7日木曜日

地方も降着ルール変更 失格含め4月から適用


 地方競馬全国協会(NAR)は6日、他馬への走行妨害などによる降着、失格のルールを4月から変更し、到達順位をより尊重した分かりやすいものにすると発表した。
 新ルールでは、降着は「走行妨害がなければ、被害馬は加害馬に先着していたと判断した場合」、失格は「極めて悪質で他の騎手や馬に対する危険な行為によって、競走に重大な支障を生じさせたと判断した場合」となる。
 日本中央競馬会(JRA)も既に英国など主要な海外競馬に合わせて、今年からルールを変更している。(産経ニュース)

2013年2月2日土曜日

浜松に地方競馬場外馬券売り場 25日オープン


 川崎競馬組合(神奈川県)は1日、浜松市中区鍛冶町の商業ビル「かじ町プラザ」の3階に今月25日、地方競馬の場外馬券売り場「ジョイホース浜松」をオープンさせると発表した。地方競馬の馬券売り場は県内初。
 南関東4競馬場のレースを中心に売る。年会費1千円の会員制。営業は平日で年間270日程度。施設は3階フロアの約半分を占める。収容人数600人。会員募集は2日から。
 同ビルは4階に日本中央競馬会の馬券売り場「エクセル浜松」、6階にビジネスホテルが入っていて、その他は空きフロアだった。最大地権者で開発業者のアサヒコーポレーション(同区)は「エクセルは土日開催だが、ジョイホースは平日の集客が見込め、市街地のにぎわい効果が期待できる」としている。(静岡新聞)

名古屋競馬、13年度から黒字化 運営組合が見通し


 累積赤字が約40億円に上る名古屋競馬(名古屋市港区)のあり方を有識者らが考える経営改革委員会が1日、名古屋市で第5回会合を開いた。競馬を運営する県競馬組合は、経費削減などで2013年度から収支の黒字化が可能だとする見通しを示した。
 愛知県の外郭団体「あいち産業振興機構」の試算によると、13年度の収支見込みは6200万円の赤字だが、現在は約75%の払戻率を14年度から70%に下げた場合、14年度以降は黒字が続く。
 昨年6月に払戻率を下げた全国のオートレースは売り上げに大きな変化がなかったとして、今回の試算も引き下げによる売り上げ減少はないとの前提に立った。試算では14年度は4億5600万円の黒字を見込んでいるが、その後は黒字幅が縮小し、20年度に再び赤字に戻る。
 この試算に対し、競馬組合は今春から、インターネットによる馬券販売の効率化などを図ることで、さらに6300万円の経費を削減できると説明。その結果、13年度もわずかながら黒字に転じるという。
 競馬組合は県や名古屋市、豊明市で構成している。(朝日新聞)

2013年2月1日金曜日

バードアイとちぎ 競馬場跡地、再び名勝負の場へ


競走馬たちが数多くの名勝負をみせ、2006年に幕を閉じた宇都宮競馬場。すでにスタンドなどが撤去され更地となっているが、上空からは1周1200メートルのダートコースの名残がはっきりと確認できる。
 跡地は約16・5ヘクタール。奥に見える陸上競技場と比べると、その大きさがよくわかる。それだけに閉場後は広大な跡地の利活用が課題となっていた。
 県は昨年、跡地に陸上競技場兼サッカー場を中核とするスポーツゾーンの整備方針を打ち出した。新スタジアムの観客席数はサッカーJ1の試合会場として推奨される2万5000席規模。跡地は再びアスリートたちの名勝負の場となる。(下野新聞)