2013年12月16日月曜日

名古屋競馬、来年度も存続決定 5年ぶり黒字見込み

 赤字続きで存廃が議論されている名古屋競馬(名古屋市港区)が来年度も開かれることが決まった。今年度の収支が2億7800万円の黒字見込みになったためで、競馬場を運営する県競馬組合を組織する愛知県と名古屋市、豊明市が合意し、大村秀章知事が16日の記者会見で発表した。名古屋競馬の累積赤字は約40億円に上り、来年度の開催は今年度の黒字が条件だった。実質収支の黒字は2008年度以来5年ぶり。黒字分は、赤字削減や老朽化したスタンドの耐震改修に充てる予定だ。黒字の主な要因は、日本中央競馬会(JRA)のネットサイトで名古屋競馬の馬券が買える「IPAT」が好調だったため。予定を4億6900万円上回る14億4400万円を売り上げる見込みだ。また、名古屋競馬場でJRAの馬券が買えるようになったことに伴う手数料収入が、当初予定より1億円多い3億1200万円になるという。(朝日新聞)

2013年12月14日土曜日

気分はサラブレッド 名古屋競馬場、3月にランイベント

 名古屋競馬場(名古屋市港区泰明町)の本馬場を走ることが出来るランイベントが来年3月15日に開かれ、参加者を募集中だ。愛知県競馬組合によると、今年2月の第1回には2824人が参加し、好評だったという。
 普段はサラブレッドが走る1周1・1キロのダート(砂)コースを、2人から19人で42・195キロを走るリレーマラソンと、5キロ、1・1キロの各距離を走るランナーを募集している。
 各レースのスタート時には、重賞用のファンファーレが使われるほか、実際のレースで使われているスタートゲートをくぐってスタートし、表彰式はウィナーズサークルで開かれるなどの仕掛けもある。
 アスファルトなどを走るより、ひざなどへの負担が少なく、一般車両が入らないため、安全性も高いという。
 見学や応援のための入場は無料で、屋外スタンドも開放される。当日は場内で名古屋グルメや全国のB級グルメの出店もあるという。
 エントリーは事前に受け付け、参加費はコース別に、高校生以上が1500~3500円、小、中学生は1千~2千円。定員になり次第、締め切られる。

 問い合わせは、名古屋競馬場リレーマラソン大会実行委員会事務局(052・211・6733)まで(朝日新聞)

2013年12月9日月曜日

ばんえい競馬、公金再投入なら存廃問題も

 北海道帯広市が、ばんえい競馬運営方法の見直しに入った。
 業務委託先から赤字分を穴埋めする仕組みを変更してほしいと要請を受けたためだ。過去に多額の市税で赤字を賄った経緯があり、再び公金を投入する事態に陥れば存廃問題に発展しかねず、市議会からは見直しを不安視する声も出ている。
 帯広競馬場で7日、レースが行われ、馬が引っ張る鉄そりの上に騎手が乗り、速さを競った。「ほれ、行け」。屋外客席でファンが声援を送る。
 ばんえい競馬を巡り、帯広市が民間企業に運営を委託するようになったのは、複数の自治体による組合運営が廃止され、市の単独開催が始まった2007年度から。12年度から別の会社である北海道旭川市のソフトウエア会社「コンピューター・ビジネス」(CB)に一部の業務を委託している。
 帯広市によると、現行の契約は、経営の収支が悪化した場合、CBが赤字額をすべて負担する。黒字決算でCBが利益として受け取れるのは業務委託金約5億円の100分の1が上限だ。CB側は「リスクが大きすぎる」(村山篤史社長)として今年9月、市に契約内容の変更を依頼した。
 市幹部も「変更の必要性を感じていた」とし、14年度から新しい契約内容で運営する方針だ。加えて、消費増税を見据え、コスト削減策を検討している。CBが別業者に再委託する清掃や走路整備などの業務を、市が直接、業者に委託することや、委託業務の一部を市の直営とする案が浮上している。14年1月の市議会産業経済委員会で、全体像を示す方針でいる。

 ただ、市の赤字穴埋めには、市議会から慎重な意見もある。かつて、ばんえい競馬の経営不振で巨額の赤字を市税で穴埋めした反省から、市が単独開催を決めた際、市は存続の条件として「市税を投入しない」と市議会に説明した経緯があるからだ。赤字を前提にした見直しではないものの、ある市議は「再出発時の市民との約束は破れない。収支不足に陥った場合は存廃の議論が浮上する」と懸念を示した。(読売新聞)
【写真】ゴールを目指すばん馬。障害を乗り越えられるか(7日、北海道帯広市で)

2013年12月6日金曜日

競馬場 走る姿は…高校生!?

 笠松競馬場(笠松町若葉町)の走路が5日、近くの県立岐阜工業高校に通う運動系部員の部活に初めて開放された。砂地を走り、足腰を鍛える。競馬場で人間が走り込みの練習をするのは全国でも珍しいという。

 ヒントはこの走路で毎年開かれている新春ファミリーマラソン大会。長野県南木曽町産の川砂を敷いた走路はクッションのようにふんわりと軟らかい。通常のグラウンドの3倍ほどの負荷がかかる半面、地面から受ける衝撃が和らぎ、けがをしにくいという。
 「生徒の部活にも生かせる」と考えた同校が競馬場に提案し、実現した。馬の脱走事故が相次いだこともあり、競馬場もイメージアップになると考えた。今後、休場日の夕方の2時間、練習に開放される。
 この日は野球、サッカー、ラグビー、バレーボール、レスリング、ボクシングの運動系6部の計約150人が練習に参加。スタンド前の走路でダッシュを繰り返した。
 野球部主将で2年の小森裕太さん(17)は「学校のグラウンドと全然違って走りにくく、足腰がかなり鍛えられる。ここで走り込みを重ね、甲子園出場をめざしたい」と話していた。(朝日新聞)

【写真】笠松競馬場の走路で走り込みをする岐阜工業高校の運動系部員たち=笠松町若葉町

2013年12月5日木曜日

サンタ誘導馬と記念撮影 17・19日、川崎競馬場

 川崎競馬場で17、19の両日、トナカイに扮した「サンタ誘導馬」と記念撮影ができる。希望者を募集している。
 各日とも5組限定。1組は大人2人までで、小学生以下は人数に含まない。最終レース終了後の午後8時45分ごろに撮影。写真は後日郵送される。小雨決行。
 県川崎競馬組合企画振興課まで、タイトルに必ず「サンタの誘導馬」と入れてメール(kikaku01@kawasakikeiba.jp)かファクス(044・245・1311)で申し込む。締め切りは11日。応募者多数の場合は抽選になる。(朝日新聞)

【写真】トナカイ姿の誘導馬との撮影イメジ(神奈川川崎競馬組合提供)

乗馬楽しい、障害児に笑顔 横浜のNPOが取り組み

   乗馬を通じて、障害児が「非日常」を楽しみ、社会性を養っていく。そんな取り組みが県内で続いている。

 「顔上げて、顔だよ」。横浜市神奈川区、三ツ沢公園の馬場で、東京都大田区特別支援学校中等部3年、長島ひかる君(15)にボランティアが声をかけた。長島くんが頭を持ち上げると、「そうだよ、周りがよく見えていいね」と歓声を上げた。
 NPO法人RDA横浜が行う障害者のための乗馬レッスンだ。両脇から長島君の体を支えるなど計4人でサポート。後ろに寝転がったり、腕を後ろに回して背中を反らせたり、馬上でストレッチもする。
 長島君は、脳性マヒのため、会話や歩行が難しい。通い始めた小学部2年のころは乗っかっているだけだったというが、今では前に進むときは「すー」と声が出るようになった。発進の合図「進め、ポン」の最初の言葉だ。
 「重度の障害だと、学校と家の往復だけで、経験値が低くなりがち。乗馬に通い、『特別なことやってるんだ』という自信が育ってきた」と母の直子さん(49)は言う。
 RDA横浜のレッスンには、知的や身体、発達障害など様々な個性をもつ56人の子どもたちが通う。乗馬には独特の揺れや姿勢により、筋肉をほぐす、股関節を開くといった作用があると言われるが、理学的な効果は強調しない。「障害の有無にかかわらず乗馬を楽しみ、その中で社会性を育むことが最大の目標」とインストラクターの野口陽さん(41)。
 あいさつする、順番を待つ、馬が驚くので大声や急な動作をやめる、といった決まりを大切にする。
 軽度の知的障害がある門川音男(ねお)君(6)は2年半通ううち、母の景子さん(37)がそばを離れてもパニックを起こさなくなった。怖がりながらも馬にブラシをかけたり、馬具に油を塗ったりできるように。「好きなことを通して少しずつ成長できるのがうれしい」と景子さん。
 レッスンを通じ、ほとんどしゃべらなかったのに「気をつけ、礼!」と号令をかけるようになった。他の子どもの車いすを押すようになった子もいるという。
 大学馬術部出身で獣医師の資格も持つ野口さんは「一口に障害児と言ってもキャラクターは様々。その子に合わせたレッスンを考え、一人ひとりの成長を応援していきたい」と話す。
 RDA横浜の問い合わせはHP(http://www.rda-yokohama.jp/)へ。ボランティアも募集している。(朝日新聞)
【写真】クッションをあてがい上半身を起こすなど、重度の障害でもれるよう工夫している=横浜市神奈川区の三ツ園馬術練習場