2014年11月16日日曜日

ブドー騎手ブーツ履かず靴下騎乗で戒告


東京6R、ノワールギャルソンに靴下で騎乗したブドー騎手
 前代未聞の珍事件が起きた−。15日の東京6R新馬戦でノワールギャルソン(2着)に騎乗したピエールシャルル・ブドー騎手(21)がブーツを履かず、靴下のままで騎乗し、装具の注意義務を怠ったとして戒告処分を受けた。
 発走委員が発走前にゲート裏で気付き、レース後に裁決へ報告。事前の前(まえ)検量では負担重量をクリアしていたが、6Rの勝負服が通常の勝負服より100グラム程度重かったため、直前の検量で減量が必要となり、自身の判断でブーツを脱いだ模様。庄村裁決委員は「本人から通常のフランスでの行動で日本で禁じられているとは思わずに脱いだという説明があった。ブーツの着用は当然のことでルールに明記されてないが、安全上、また公正競馬にも影響が出る可能性がある」と処分理由を話した。(日刊スポーツ)


2014年11月1日土曜日

珍名競走馬モチ、余生も粘る 愛知大馬術部で奮闘


馬術部の(左から)宮越さん、志賀さん、
富永さんらにかわいがられながら、
障害馬術の全国大会を目指すモチ
=愛知県豊橋市の愛知大豊橋キャンパスで(西田直晃撮影)
 競馬のG1、皐月賞にも出走した元競走馬のモチ(牡、十歳)が、愛知大馬術部(愛知県豊橋市)で第二の“馬生”を送っている。現役時代は「モチ粘る」の実況がファンの笑いを誘い、「粘度代表馬」の愛称で親しまれた。大レースは一度も勝てなかったが、学生を背に乗せ、障害馬術の全国大会を目指して奮闘中だ。
 五〇〇キロの青鹿毛(あおかげ)の馬体が揺れる。十月下旬、愛知県尾張旭市で開かれた愛知学生自馬競技会。コンビを組む三年、富永ゆかさん(22)とともに、高さ九十センチの障害を次々に跳び越えていく。三位の好成績に、森修監督(70)は「二年半かけてやっと形になった。来年が楽しみ」とほほ笑んだ。
 モチは二〇〇六年十月に中央競馬でデビューし、年明けに二連勝。先行馬で序盤から好位に着けて、ともに逃げ切った。皐月賞は十七着に終わり、その後は一勝しただけで一一年に七歳で引退したが、「粘るモチ」は語り草になった。動画サイト「ユーチューブ」に投稿された「粘りに粘るモチ」の実況中継は、これまでの再生回数が六万回を超える。
 引退後、県内の牧場に引き取られ、一二年五月に愛知大にやって来た。当初は苦難の連続。最初に手綱を握った四年、宮越舞さん(22)は「突然ものすごい勢いで走りだして驚いた。カーブで振り落とされたこともある」。競走馬として調教を積まれたため、興奮するとすぐ全速力に。一年前の大会でも、競技中に勝手に走ってしまい、以降は調教漬けの日々を過ごした。
 毎日一時間、高さ三十センチに設置した丸太を跳ぶ基本動作を続け、走りたがるくせは次第に影を潜めた。部員ともうち解けていく。四年、志賀美咲さん(21)は「モチは女子が大好き。私たちにはおとなしく甘えるけど、男子が来ると背伸びをして威嚇します」と笑う。
 目指すのは競走馬時代の皐月賞と同じ最高峰への挑戦。全国大会出場には、高さ百三十センチの障害を跳び越えねばならず、「この冬のトレーニング次第」(森監督)という。
 モチのほか、「オレハマッテルゼ」など個性的な馬名を付けることで知られる現役時代の馬主、小田切有一さん(71)は「逃げたら粘り、追い込んだら伸びるという意味を込めて名付けた馬。馬術でも粘り強い戦いを見せて」と応援している。(中日新聞)