2011年6月18日土曜日

荒尾と佐賀競走馬共有 全国初、7月から

 荒尾競馬(熊本県荒尾市)と佐賀競馬(佐賀県鳥栖市)が、競走馬の一部を7月から「共有」することが分かった。両競馬とも経営難で所属する馬が減る中、融通しあうことでレースの魅力を高めようという地方競馬として全国初の試み。
 荒尾と佐賀は昨年10月-今年3月、全国のモデル事業として、競走馬を行き来させる「交流競走」を計25レース実施した。今回、最年少クラスの2歳馬について、交流競走の形態を年間を通じて導入。7月9日から12月末まで、両競馬場で計70レース程度開く。
 荒尾では昨年8月、馬主に支払う出走手当を約3割カットした影響で、現在出走できる2歳馬が前年より9頭少ない6頭に減少。2歳馬レースの単独開催が難しい状況になった。佐賀の2歳馬も減少傾向という。
 経営難にあえぐ地方競馬が多い中、地方競馬全国協会(東京)は自治体単位が原則だった競馬運営の地域ブロック化を進め、経営資源の共有とコスト削減を図りたい考え。今回も「将来の“九州競馬”の枠組みを見据えた試み」と位置付け、輸送費など約3千万円を補助する方針。
 荒尾競馬を運営する荒尾競馬組合は「共有化でバラエティーに富んだレースを編成し、ファン獲得につなげたい」としている。(西日本新聞)