2012年2月4日土曜日

佐賀競馬で再挑戦、白石出身の岩永千明騎手


 昨年12月に廃止となった荒尾競馬(熊本県荒尾市)に所属していた岩永千明騎手(29)=佐賀県白石町出身=が、佐賀競馬で新たな騎手人生を踏み出した。「違う環境での新たな挑戦。一つでも勝ち鞍を増やしたい」と意気込んでいる。
 
 岩永騎手は佐賀農高のころ、町内と長崎県佐世保市の乗馬クラブに通い始めた。「人馬一体となって風を切って走るのが楽しくて」。JRAの小倉競馬場で女性騎手のレースを見て、その迫力や走る姿に感銘を受け、騎手の道を選んだ。
 
 19歳の時に地方競馬教養センター(栃木県)に入学し、21歳で荒尾競馬デビュー。8年間で200勝を達成し、2010年にはレディースジョッキーズシリーズで女性騎手日本一になった。ただ、大きな試練も。07年にはレース中に落馬し、脳挫傷と椎骨を圧迫骨折する大けがを負った。そして荒尾競馬の廃止。「最後のレースは涙が止まらなかった。ほかの騎手は辞めたり、九州を出たりしていたので、何らかの形で“荒尾”を残したいという思いがあった」。同じ九州、故郷・佐賀への転籍を決めた。
 
 佐賀競馬では1月15日のデビュー初日に204勝目を飾った。「荒尾の時から応援してもらっている人も見に来ていて。『おめでとう』と拍手をもらいすごくうれしかった」と話す。
 
 荒尾競馬から移籍した騎手は岩永騎手だけ、佐賀競馬で唯一の女性騎手となる。「珍しいじゃなく、技術を伴って注目される騎手になりたい」ときっぱりと語る。(佐賀新聞)