2009年12月22日火曜日

最多出走300戦あと1、13歳ダイナブロス…高知競馬

 最多出走記録の更新を続けている高知競馬(高知市)のダイナブロス(牡(おす)13歳)が、31日にも300戦を達成する。人間でいえば還暦前後で、全国の地方競馬を流れてここまで来たが、今年も1勝を挙げて通算成績は13勝に。運営する高知県競馬組合は「無事是(これ)名馬を地で行く」と大記録にあやかり、元日の来場者先着200人に、ダイナブロスのたてがみを「長寿と健康のお守り」として配る。

 ダイナブロスは1998年に新潟競馬でのデビュー後、岩手競馬などに参戦。2003年、所属先だった山形県・上山競馬が廃止となったものの、高知競馬の田中守調教師(41)に引き取られた。中央競馬の名馬・テイエムオペラオーや、負けても走り続けて高知競馬を有名にしたハルウララとは同い年になる。

 「天性の頑丈さが取りえ。見た目は5、6歳」(田中調教師)というダイナブロス。目立ったけがはなく、夏場にも大崩れしない。08年11月、地方競馬全国協会に記録が残る1969年以降で最多の267戦を達成。現在も2位の記録(268戦)を引き離す。出走回数の多い地方競馬でも、100戦までが一般的という。

 高知競馬も、県の「赤字即廃止」という方針を受け、ナイター開催など経営努力で何とか収支の均衡を保つ。

 いつも騎乗する森井美香騎手(25)は「気性はおだやかだが、精神力と負けん気の強さが元気の秘訣(ひけつ)。300戦目は勝たせてあげたい」と話す。
(読売新聞)