2010年3月30日火曜日

夢の女性騎手へ旅立ち、熊本市の15歳小山さん


 熊本市の小山紗知伽さん(15)が4月6日、騎手を養成する地方競馬教養センター(栃木)へ入所する。今期の合格者13人のうち、女性は小山さん含め2人。「馬に乗って自由自在に駆け回りたい」。夢を胸に、厳しい道を歩み出す。

 子どものころから動物好きで、将来は獣医師になりたかった小山さん。中でも「目がかわいい」馬が好きで、ずっと参加している藤崎八旛宮例大祭でも、馬を操る「口取りがしたい」が口癖だった。

 昨秋、進路を考えるうちに「馬とかかわる仕事を」と騎手を志した。祖母の紹介で荒尾競馬場の調教師・幣旗吉昭さん(57)を訪ね、同競馬場の岩永千明騎手(27)が出場した「レディースジョッキーズシリーズ」も見学。「走り抜ける女性騎手の姿が、たまらなくかっこよかった」と、思いを強くした。

 それからは幣旗さんの元に通い、厩舎[きゅうしゃ]の仕事も体験。「力仕事もすすんでやるし、馬から落とされても怖がらない。騎手になりたいという気持ちが強く、芯のある子だなと感じた」と、幣旗さんもエールを送る。

 教養センターでは2年間、男女の別なくプロ騎手になるためのすべてを学ぶ。途中で断念する人も多いというハードな道のりだが、「夢をかなえるために、やるしかない」。小山さんは真っすぐな瞳で言い切った。(くまにちコム)
【写真】「一生馬とかかわっていたい」と話す小山紗知伽さん=荒尾市の荒尾競馬場