2009年1月20日火曜日

人手不足を補うアジア系騎乗者

 平成5年10月に開場して以来、順調に利用馬が増え続けている浦河のBTC(財団法人・軽種馬育成調教センター)は、大晦日と元日の2日間こそ閉場したものの、年明けとともに多くの育成馬で賑わう日々だ。 昨年秋の段階で、すでに騎乗したままこの施設に通える範囲にある民間育成牧場の馬房数はついに700を超え、現在もなお増えつつある。 開場して15年が経過したこの一大調教施設は、冬季間の今こそ利用価値が最も高まる季節で、屋内の施設が充実しているために、悪天候時にもほとんど影響なく調教が可能だ。 いずれも屋内の直線ウッドコース(1000m)、ダートコース(600m)、坂路ウッドコース(1000m)などが冬季間の調教場となるが、これらの利用料は1日あたり800円。日曜日を除き月25日間の利用でも、わずか2万円にしかならない。
 当初はわずか1日平均35頭程度の利用からスタートしたこの施設が、開場12年目の平成17年には、1日平均500頭を超える頭数にまで激増しており、以後、数字はほぼ横ばいのまま安定している。 それに伴って、利用馬の競走成績もまた年を追うごとに上昇の一途をたどり、平成19年度には、中央751勝、地方2194勝を数えるまでになった。実際にどの程度の期間もしくは回数、ここで調教を積まれたかは馬によりかなりの差があり、一様ではないが、いわゆる「BTC効果」とも言うべき付加価値をこの施設から実感として受け止めている関係者はひじょうに多い。広大な面積、抜群のロケーション、様々な施設によりバラエティに富んだ調教メニューが組めることなど、冬季間という気象上のハンディキャップを差し引いても、この施設の魅力は余りある。
 さて、現在、ここを主に利用している育成牧場は大小合わせて約40牧場ほど。近年はどこの育成牧場でも騎乗者不足に悩まされているのだが、その穴を埋めているのが、東南アジア系諸国からの出稼ぎ騎乗者たちだ。以前、ここではオセアニア系白人が多かったのだが、近年は完全にマレーシアやフィリピンなどから来ている騎乗者が主流である。 浦河町における外国人登録者数は12月末現在でちょうど100人。 国別の内訳は、多い順に列記すると、フィリピン人40人、マレーシア人20人、ニュージーランド人10人韓国人8人と続く。因みに、イギリス人は4人、ブラジル人も4人、アメリカ人に至ってはわずか1人である。 マレーシア人とフィリピン人のみならず、この町で暮らす外国人たちのほぼ9割は何らかの形で「馬業界」に従事しており、その多くが騎乗者である。マレーシアもフィリピンも、もちろん競馬場があるものの、やはり日本に来て働く方が高い報酬を得られるのである。
 個人差が多少あるとは思うが、彼らの平均的な月収はおおよそ25万円程度。もちろん、母国には家族が暮らしており、実際にはそれらのうちから相当額を「仕送り」している。 私の知人Bさんは、手元に7~8万円程度を残し、他の全てを家族に送金する。金額にして17~18万円。フィリピンで、これだけあると一族郎党がみんな優雅に生活できるのだそうで、「子供を学校に通わせたり、家を改築したりしている」らしい。 で、本人は残りの7~8万円で生活するわけだが、見ていると、まず贅沢は一切しない。「せいぜい食費と後は携帯電話の通話料くらい」しか遣わず、ネオン街を飲み歩くことも、パチンコ屋に出入りすることもない。家族のためにひたすら質素な生活を送っている印象なのだ。 フィリピンでは騎手のライセンスを持つ人がとても多いという。しかし、競馬場で実際にレースに騎乗できる人はごく一部らしく、あまり上手ではない人ややや年齢が高くなった人は恵まれない環境にいるらしい。 そういう人たちが日本にやってきて騎乗者として働き始め、徐々に口コミでその輪が広がってきた。血縁や友人関係などを頼って日本にやってくるケースも多く、一牧場に数人単位で同胞が働く例が多い。また、私の知る範囲では、フィリピン人とマレーシア人が同じ牧場に所属している例はなさそうだ。 言葉の壁や習慣の違いなどのハンディキャップはあっても、当分の日本人騎乗者の人手不足が解消しそうな気配はなく、その穴をこうして東南アジアの人々が確実に埋めてくれている。この傾向はしばらく続きそうである。(Net-keiba.com)

瀬長島に場外馬券所 民有地で再計画


 地方競馬全国協会の関連会社である日本レーシングサービス(東京都、西岡宗俊社長)が、豊見城市瀬長島に地方競馬場外発売所の設置を計画していることが19日までに分かった。同社は2007年、市の計画に沿う形で市有地への施設設置を目指したが、市が計画を不採択として温泉開発の誘致を決めたため断念。その後、民有地への施設設置に計画変更した。 同社は昨年12月に市役所を訪れ、瀬長島の民間所有地の利用に変更した計画を報告。農林水産省の競馬法施行令(設置承認)に基づき、瀬長島が自治会の区域外にあり、地域社会の調整は島内唯一の居住者の同意を得たなどとして、市の賛成反対にかかわらず、場外設備の設置承認手続きを進めることを告げたという。 同計画を受け、豊見城市議会(大城英和議長)は19日午前、臨時会を開き、瀬長島への地方競馬場外発売所設置に反対する意見書と決議を全会一致で可決した。 意見書は、豊見城発祥の地としてシンボル的な存在で青少年の社会体育施設がある瀬長島に、公的とはいえギャンブル施設が立地することは「青少年の育成環境への悪影響や治安の悪化、交通量増大による事故増加、周辺地域への公害問題など、健全で文化的な市民の暮らしが脅かされることに大きな懸念がある」とし、同施設建設に反対することを要請している。あて先は農林水産相。(琉球新報)

<写真>地方競馬場外発売所設置予定地

2009年1月18日日曜日

知事選、競馬場存廃で持論 2候補が笠松入り


 25日投開票の知事選で、新人の木下一彦候補(67)と現職の古田肇候補(61)は17日、それぞれ遊説のため笠松町を訪れた。笠松競馬場の存廃問題では、両候補とも赤字補てんに税金を投入しない方針を示しているが、演説を聞いた地元住民などからは「何とかして存続を」との声が上がった。 (知事選取材班)
 木下候補は競馬場近くのスーパーマーケット前で街頭演説。存廃問題には触れなかったが、取材に対し「税金は投入せず、独立採算で運営すべきだ」との姿勢を強調した。ただ、競馬場や周辺で働く関係者の雇用が最優先だとして「県だけでなく他の行政機関と協力して、働く人たちの生活を守らなければいけない」と述べた。
 スーパーで買い物をしていた岐阜市柳津町の主婦(67)は「競馬場がなくなると、高齢者の集まる場所がなくなってしまうのでは」と話した。
 古田候補は町中央公民館で個人演説会を開いた。約20分の演説で、最後に存廃問題に触れて「地域の経済効果や多くのファン、競馬関係者のことを考えると簡単な話ではない」と説明。その上で「当面は裁判で白か黒かの判断が下る。あらゆる可能性を考えながら存続の道を探っていきたい」と語った。
 演説を聞いた建築板金業男性(59)は「競馬が大好きなので、大変とは思うが存続させてほしい」と期待を寄せた。地元の主婦(54)は「昔から笠松競馬があったものがなくなるのは寂しい。でも直接は自分に関係ない」と複雑な表情を浮かべた。
 笠松競馬場は県と笠松、岐南の両町でつくる組合が運営する。売り上げの低迷で運営が厳しく、県は原則的に単年度で赤字になれば廃止する方針。一部地主が土地の明け渡しを求めた訴訟は、名古屋高裁で控訴審が続いている。(中日新聞)

<写真>候補者の演説に耳を傾ける支持者ら=笠松町で

2009年1月14日水曜日

荒尾競馬:女性騎手と45頭参戦 岩手競馬から借り受け--きょうから

 荒尾市の荒尾競馬は14日から、雪やコース凍結でレースを休止している岩手競馬(岩手県)の競走馬45頭を借り受け、出走させる。女性騎手も参戦し、3月末まで荒尾競馬の魅力がアップして売り上げ増につながると関係者は期待している。
 岩手競馬からは調教師1人と皆川麻由美騎手ら3騎手、厩(きゅう)務員11人も帯同する。
 経営難が続く荒尾競馬は、所属馬が最盛期の半分の約370頭に減り、1レースの出走馬が6~7頭になるなど魅力を落としていた。このため、冬季に休止する北国の地方競馬と提携して出走増を図っている。今冬は北海道競馬の31頭も出走している。(毎日新聞)

岩手競馬 黒字2年連続ほぼ確実

 知事明言 岩手競馬の今季通常開催が12日終了し、昨年4月5日から125日間の売り上げは212億7400万円と、計画を1億9600万円、0.9%上回った。3月の特別開催を残しているが、岩手県競馬組合管理者の達増拓也知事は13日の定例記者会見で「(昨季に続いて)2年度連続の黒字はほぼ確実」と明言した。 県競馬組合によると、売り上げは競馬場や場外馬券売り場が148億5900万円で、計画比0.3%(3800万円)増。全国の地方競馬などで岩手競馬の馬券を売ってもらう広域委託は計画比1.5%(7200万円)減の46億2900万円だが、インターネットが同14.7%(2億3000万円)増の17億8600万円と好調だった。 今季は前半に売り上げが大きく減り、6月に計画の収入見込みを下方修正。コスト削減など経営の見直しを進め、後半は落ち込みに歯止めがかかった。昨季と比べた売り上げは6.4%減だった。 達増知事は会見の中で「黒字達成は大変よかった。一般の経済情勢は昨年より悪化しているが、企画イベントや支援してくれる人たちの力が実を結んだ。新年度も地に足の付いた改革でファンや県民の期待に応えたい」と語った。 岩手競馬は3月20―23日と28、29の両日の6日間、水沢競馬場(奥州市)で特別開催を行い、本年度の全日程を終える。 (河北新報)

2009年1月13日火曜日

場外馬券売り場南九州初設置へ JRA宮崎育成牧場

 日本中央競馬会(JRA)の宮崎育成牧場(吉本英昭場長、宮崎市花ケ島町)で、場外馬券売り場を設置する計画が進んでいる。JRA直営の売り場は南九州初といい、早ければ今秋にもオープンする。
 計画によると、牧場内のインフォメーションコーナーを改装し、自動発売機と発売払い戻し兼用機計8台を設置し、JRAが主催するレースの馬券を買うことができる。
 JRA全体で売り上げが落ち込んでおり、同牧場の存続も危ういことから、収益を上げられる事業を展開する目的で計画した。無料の会員制にして、年間約10億円の売り上げを見込む。認知度を高めてファンを増やそうという狙いもあるという。
 牧場側は売り場の設置に伴って、警備員や清掃員などの雇用を検討している。駐車場は、場内にある既存施設(500~600台収容)で対応する。
 昨年10~11月には、隣接する神宮東、権現自治会などに計画の概要を説明し、理解を求めた。治安の悪化や交通渋滞などを不安視する声も出たが、売り場の規模が小さいことや会員制にすることなどから、おおむね了承を得られたとしている。
 同牧場は宮崎北署と今後、警備計画や施設の運用などについて協議し、農林水産相の許可を得て改装に乗り出す。同牧場総務課は「競馬になじみのない南九州で唯一の売り場。ファンのすそ野を広げたい」と話している。(読売新聞)
<写真>改装予定のJRAインフォメーションコーナー

2009年1月10日土曜日

正月売り上げ期待外れ 福山競馬黒字ピンチ 6600万円減 企画レースで挽回図る

 福山市営競馬(福山市千代田町)で1月2~4日に行われた正月競馬の売り上げが、前年同期比6600万円(13%)減の約4億4800万円だったことが、同市競馬事務局のまとめで分かった。約20億円の累積赤字を抱える同市営競馬は、単年度を通じての黒字確保が事業継続の大前提だが、2008年度は第2四半期(7~9月)決算がわずか17万円の黒字と厳しい状況。1年で最も馬券が売れる正月競馬に望みをつないでいた同事務局は、当てが外れた格好で、「今後の魅力ある企画レースで挽回(ばんかい)したい」と巻き返しに懸命だ。(諏訪智史)
 09年の正月競馬は、3日の第9レース「農林水産大臣賞典第44回福山大賞典」(2600メートル)の売り上げが約1億1300万円と、08年の同レースに続き2年連続で1億円の大台に乗るなど明るい兆しも見られたが、その他のレースで販売が伸び悩み、3日間では前年同期(約5億1400万円)の87%にとどまった。
 同市営競馬の08年度上半期(4~9月)の収支は、前年同期比67・5%減の約2490万円の黒字に落ち込んだ。競馬事務局は上半期終了時点で、年間販売収入が前年度比6・5%減となり、08年度は黒字ゼロになると予測していた。だが、その後の景気悪化の影響などで、第3四半期(10~12月)が赤字となる恐れが出てくるなど、予測を上回る厳しい経営を強いられている。 単年度の黒字確保は、「競馬事業継続の前提」(羽田皓市長)だけに、08年度決算が赤字に転落した場合、廃止論が浮上することも考えられる。佐藤彰三・競馬事務局長は「非常に厳しいと受け止めざるを得ない。人気を呼びそうな今後の企画レースをPRし、売り上げアップを目指したい」と話している。(読売新聞)