2009年1月18日日曜日

知事選、競馬場存廃で持論 2候補が笠松入り


 25日投開票の知事選で、新人の木下一彦候補(67)と現職の古田肇候補(61)は17日、それぞれ遊説のため笠松町を訪れた。笠松競馬場の存廃問題では、両候補とも赤字補てんに税金を投入しない方針を示しているが、演説を聞いた地元住民などからは「何とかして存続を」との声が上がった。 (知事選取材班)
 木下候補は競馬場近くのスーパーマーケット前で街頭演説。存廃問題には触れなかったが、取材に対し「税金は投入せず、独立採算で運営すべきだ」との姿勢を強調した。ただ、競馬場や周辺で働く関係者の雇用が最優先だとして「県だけでなく他の行政機関と協力して、働く人たちの生活を守らなければいけない」と述べた。
 スーパーで買い物をしていた岐阜市柳津町の主婦(67)は「競馬場がなくなると、高齢者の集まる場所がなくなってしまうのでは」と話した。
 古田候補は町中央公民館で個人演説会を開いた。約20分の演説で、最後に存廃問題に触れて「地域の経済効果や多くのファン、競馬関係者のことを考えると簡単な話ではない」と説明。その上で「当面は裁判で白か黒かの判断が下る。あらゆる可能性を考えながら存続の道を探っていきたい」と語った。
 演説を聞いた建築板金業男性(59)は「競馬が大好きなので、大変とは思うが存続させてほしい」と期待を寄せた。地元の主婦(54)は「昔から笠松競馬があったものがなくなるのは寂しい。でも直接は自分に関係ない」と複雑な表情を浮かべた。
 笠松競馬場は県と笠松、岐南の両町でつくる組合が運営する。売り上げの低迷で運営が厳しく、県は原則的に単年度で赤字になれば廃止する方針。一部地主が土地の明け渡しを求めた訴訟は、名古屋高裁で控訴審が続いている。(中日新聞)

<写真>候補者の演説に耳を傾ける支持者ら=笠松町で